激レア車!S15『オーテックバージョン』を乗り継ぐオーナーによる、「イマドキ」な自動車チームとは?

ちょっとワルな先輩に連れられて深夜のスポットを訪れ、そこで出会った気の合うクルマ好きたちと毎晩のように同じ時間を過ごし、やがてチームを結成…なんて若かりし日の思い出を持つひとも少なくないのでは?
でも、イマはインターネット社会。直接行ったり会ったりしなくても、気の合う仲間を見つけたりコミュニケーションをとったりすることができちゃう便利な時代だ。
なかでも急成長しているツールが、もはや誰もが持っているスマホで手軽に使える『アプリ』。今回は、そんなアプリの中で結成されたチームの初ミーティングに潜入!! 参加者の愛車を取材させていただいた。

昨年7月にリリースされ、30万DL(2018年4月時点)達成と急成長を遂げている話題のアプリ『CARTUNE』。愛車の投稿写真を中心に気軽なコミュニケーションができるのが魅力だという。
今年の1月に結成された『TEAM KSK』は、そんなCARTUNEのなかのコミュニケーションから生まれたチームだ。

そんなTEAM KSKの発起人であり、副リーダーを務めるケースケさんの愛車は、カスタムからチューニングまで幅広い人気を集めるS15シルビア。なかでもこのオーテックバージョンは、日産車の特装メーカー『オーテックジャパン』が販売していたチューニングモデルだ。

NAらしい爽快なフィーリングを楽しみつつ、ハイパフォーマンスも求めたいというユーザーに向け、ノーマルで145psに留められたパワーを吸排気とコンピューターチューンによって200psにまで高められているのが特徴。

また、通常のNAには設定のない6速ミッションを搭載し、ボディにも補強が加えられるなど、そのポテンシャルは大幅にアップされている。
もちろん日産純正の車体ではないため、車検証上には構造変更を行った“改”マークが記される。受注生産車両という性質上、中古市場でもなかなか見かけることができないレア車でもあるのだ。

そんなケースケさんのS15オーテックバージョンだけれど、実は今年のはじめに不慮の事故によって以前の車体が廃車に。そこで新たに探し回った結果、先日ようやく完成したばかりのニューカーなのだという。
乗り換えに合わせてボディカラーは青から白へと変化し、エアロパーツもフロントバンパーをヴェイルサイドからアスレーシングに変更。
リアバンパーは前車から移植し、サイドステップもリヤと同ブランドのオリジン製をチョイスした。さらにフロントフェンダーは市販のファイバー製をベースに、ワイド&ダクト形状の変更などを行っているという。
ソナー製のLEDテールランプをセットするなど、近代的なイメージへのアップデイトにも余念はない。
不慮の事故とはいえ、思わぬリメイクのタイミングが訪れたというわけだ。

そのいっぽうで、インテリアはシートやパネルなど可能な限り前車から移植している。赤にこだわったインテリアパーツは、ホンダ純正のレカロやMOMOステアリング、ラップペイントで仕上げられたコンソール&パネル類など、ボディカラーとのコントラストを楽しんでいる。同じ車種への乗り換えだからこそ、気に入ったパーツがそのまま使えるのもメリットのひとつというわけ。

前述の通りオーテックバージョンは受注生産でのみ販売された車両。そのため中古市場では巡り会うことは難しい車種でもある。そんなオーテックバージョンを探してでも乗りたくなる魅力は、なんといってもそのエンジンだという。
「基本的には、気持ち良いエンジンの『フィーリング』を感じながら走りたい。そう考えるとターボではなくNAがちょうどいいんです。スペックSと同じNAでもパワーのあるオーテックバージョンは、自分にとってベストなモデルなんですよ」
その言葉通り、スタイルとサウンドを考えてマフラーを5ZIGEN製に変更しているものの、エンジンやその他の補機類には手を加える予定はないという。

事故によって廃車となっても、また買い直すほどS15一筋な愛情深さ。さらに以前にもS15オーテックバージョンに乗っていたというから、「愛情」というよりも、もはや「偏愛」と呼べるほどの領域!?
コンディションの良い車体と巡り会えたため、今後はサーキット走行も考えはじめているというケースケさん。NA・200psの走りを楽しむステージを広げ、さらに偏愛っぷりを高めていくにちがいない。

[ガズー編集部]