ウインタースポーツの頼れるパートナーは、都会にも映える洗練されたトヨタ・FJクルーザー
ウインタースポーツシーズンになると、自分のクルマにスキー板やスノーボードを積み、全国各地のスキー場に繰り出した経験がある人も多いのではないだろうか。
そのとき流行りの音楽をBGMに、気の合う仲間が一緒ならば、多少の渋滞でも移動の時間が楽しいひとときとなる。現地では思う存分ウインタースポーツを楽しみ、気が向けば帰路に温泉に立ち寄って疲れを癒してもいい。いずれも、自分のクルマだからこそできることだ。その点、レンタカーやカーシェアリング、バスツアーなどではさまざまな制約がある。自分のペースで、自由気ままにというわけにはいかない。一見、効率は良く思えるのだが、どこか味気ない。せっかくなら移動の時間も楽しみたいものだ。
オーナーの愛車遍歴において、初のSUVとなったトヨタ・FJクルーザー(以下、FJクルーザー)。休日になるとこのクルマにスノーボードを積み込み、ウインタースポーツを楽しんでいるという。
現在、30代前半のオーナーが初めて自分のクルマを手に入れたのは26歳のとき。会社経営者であるオーナー曰く「高校生の頃には起業すると決めていました。仲間と3人で会社を立ち上げ、お陰様で今や50人の社員を抱える規模にまで成長することができました。あるとき、仕事をする上でクルマが必要になり、そこで初めて購入を考えるようになったんです」と語ってくれた。
人生初の愛車となったのは、クルマ好きの友人に薦められたレクサス・IS350(初代)だった。それまでクルマを購入するに至らなかったのには理由がある。起業後、しばらくはクルマを購入できるような経済状態ではなかったため、そもそも興味を持てなかったのだと言う。決して多くは語らなかったが、若くして立ち上げた会社を成長させつつ、雇用した社員を食べさせていくために奔走したことも1度や2度ではなかったのだろう。
こうして、ようやく自身のクルマを所有できるようになったオーナーは、メルセデス・ベンツ AMG C63セダンやアウディ・R8、レクサス・IS F(初代)など、ハイパワーなスポーツモデルを中心に乗り継ぐことになる。アウディ・R8は、2008年に公開された映画「アイアンマン」の劇用車として登場していた頃からの憧れの存在だったそうだ。「月並みなコメントですが、初めて運転席に座り、ステアリングを握ったときの興奮は忘れられません」と語る。まったくのゼロから起業し、自身の力で憧れのアウディ・R8を手に入れることができたのだ!おそらく、このときはさまざまな思いが去来したことだろう。
そんな、国内外のスポーティなモデルを乗り継いできたオーナーが、なぜFJクルーザーを手に入れようと思ったのだろうか?「知人がFJクルーザーに乗っていて、かっこいいなと思ったんです。しかし、新車を購入するとなると、納車までに2ヶ月掛かると言われました。そこまで待ちきれなかったので、お付き合いのある自動車販売店の方にお願いして、今の愛車を見つけてもらったんです。2013年式で走行距離が3万キロ、ブラックカラーパッケージという個体でした。現在、手に入れてから1年半、1万キロほど走りました」。
知人のFJクルーザーはホワイトだったというが、オーナーは「FJクルーザー ブラックカラーパッケージ」にこだわった。「このパッケージを選んだ理由は、内外装がブラックで統一されている点です。調べていくうちに、内装にはボディと同色のパネルが備えつけられていることが分かったんです。もし、原色系のボディカラーを選んだ場合、どうしてもポップなイメージになってしまいます。それだけは避けたかったので、落ち着いたトーンでまとめられたブラックカラーパッケージは譲れないポイントでした」。
オーナーが語る通り、このFJクルーザー ブラックカラーパッケージは、内外装がブラックで統一されている。しかし、本来であれば、他のボディカラーと同様、ルーフはホワイトにペイントされているのだ。「このFJクルーザーのデザインが気に入って購入したので、そこからさらに自分好みにカスタマイズしていくことにしたんです。そうなると、ホワイトにペイントされたルーフが気になったんですね。そこで、納車するまでにルーフもボディと同色にペイントしてもらうことにしました。これは大正解でした。これまで、ブラックカラーパッケージでルーフをボディと同色にペイントしている個体を見掛けたことがありません」。
こうして、インターネットの画像検索を駆使し、国内外のカスタマイズされたFJクルーザーを情報収集した結果、できあがったのが現在の仕様だ。エアロパーツで派手に武装しているわけでもなく、かといって地味な印象もない。シンプルで統一感のある、洗練されたFJクルーザーがそこに佇んでいる。オーナーはファッションにも関心があり、ダークトーンのシンプルな服装が好みだという。また、最新のドイツ車を乗り継いで得られた経験もFJクルーザーのカスタマイズに活かされているようだ。
「ルーフをブラックにペイントしたり、フロントグリルをハマー(アメリカのAM General社が軍用車「Humvee(ハンビー)」を一般向けに仕立てたモデル)テイストのデザインに変更。その他、ライセンスランプやヘッドライト類をLED化、同時に、フロントやサイドのオレンジの部分をクリアレンズに変更しました。リアバンパーのレンズは北米仕様の方がシンプルなデザインでかっこいいので、ちょっと気になっていますね。また、雪道を走れるように、ミシュランのスタッドレスタイヤに履き替えました。FJクルーザーはカスタムパーツが豊富なので、自分の好みに合う部品を探す楽しみもあります。とはいえ、ノーマルで気に入っている部分、例えば、純正ホイールや撥水/防水加工されているシートは、敢えて交換していません」。
そして何より、日本車ならではの安心感が大きいという。
「このクルマ自体、非常にタフですし、壊れないという安心感は大きいです。輸入車は突然警告灯が点灯したり、どこか壊れるイメージがありますが、これまで、このFJクルーザーはノントラブルです。普段は2WDモードで走っていますが、雪道では4WDに切り替えて、思い切りスノードライブを楽しんでいます。それに、意外に思われるかもしれませんが、都内の道でも乗りやすいんです。車高が高いので見晴らしがいいですし、狭い道を曲がるときも段差を気にせず走れるんです。車高が低いクルマだと、バンパーやホイールをこすってしまう可能性がありますから」。
日常の足として、またウインタースポーツの頼れるパートナーとして大活躍のFJクルーザーを大いに気に入っているようだ。現在、他に気になるモデルはあるのだろうか?「FJクルーザーって、良くいえばシンプル、その反面、メーターパネル内にクルマの走行状態を示すデジタル画面もありませんし、最近のモデルとは思えないほどアナログ感満載の印象があります。北米では2006年に発売されたようですが、10年経っても色褪せないデザインが気に入っています。このクルマのカスタマイズも発展途上ですし、まだまだ乗り続けたいですね」。
自分の愛車で目的地を目指すからこそ分かる世界がある。ときには思いがけないアクシデントに見舞われることもあるだろう。しかし、それは後々、懐かしい思い出として記憶に残り、その苦楽を自分の体験として次の世代に伝えていくことができる。そして何より、自分好みにカスタマイズできるのも「愛車を持つ者だけの特権」だ。この醍醐味は、レンタカーやカーシェアリング、バスツアーなどでは体験することができないと断言できる。これからも、取材や記事を通じて「自分の愛車を持つ喜び」を伝えていきたいと思う。
(編集: vehiclenaviMAGAZINE編集部 / 撮影: 古宮こうき)
[ガズー編集部]
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