クルマは釣りに欠かせない道具箱。三菱 アウトランダーはガシガシ使えて信頼できる相棒
ホームグラウンドの静岡だけでなく、各地を旅しながら釣りの楽しさをさまざまな媒体で発信しているプロアングラーの“SUU”こと鈴木孝寿さん。子どもの頃から釣りが好きで、大人になったら釣りに関わる仕事をしたいと思い続けていたという。
最初は釣具店に就職。一時期、釣りとは関係ない仕事もしていたが「やっぱり釣りが好きだ」と、この業界に戻ってきた。現在はプロアングラーとしての活動以外に、自身のフィッシングギアブランド「Ricordo」も立ち上げた。
クルマ選びも当然「釣り」を軸にしてきた。初めて選んだ一台がスズキ エブリイワゴンで、その後は日産 ステージア、マツダ アクセラ、トヨタ ハイラックスサーフ、スズキ ジムニー、スバル フォレスターに乗ってきた。
「僕は今、サーフ(砂浜)をメインのフィールドにしています。クルマで砂浜に入ることもあるから、ハイラックスサーフ以降は4WD性能にこだわったクルマ選びをするようになりました。海以外だと渓流釣りもやるので、林道に入っていく機会も多くなります。そうなるとあまり大きすぎないクルマのほうがいい。でもいろいろな道具を持って移動するから積載性は無視できない。今乗っているクルマは僕にとってベストチョイスです」
鈴木さんの現在の愛車は初代三菱 アウトランダー。2005年にデビューしたミドルサイズのSUVで、PHEVがラインナップに加わる前のモデルだ。現行型同様に2列シートの5人乗りと3列シートの7人乗りがラインナップされたが、鈴木さんは積載性重視で5人乗りをチョイスした。
「ラゲッジルームには釣り道具を入れてある買い物かごを3つと、ウェーダー(胴長靴)やゲームベストなど濡れたものを入れる縦長のバケツを積んでいます。これは偶然ですが、アウトランダーのラゲッジはリアシートを使用した状態でもこれらがピタッと収まりました。必要な荷物を効率よく積むことができたのはラッキーでしたね」
鈴木さんがアウトランダーを手に入れたのは2年前。前に乗っていたフォレスターの故障が原因だった。各地をクルマで旅する機会が多いため、年間走行距離は2万kmを軽く超える。フォレスターは23万km走ったところで修理が難しくなり、次のクルマを探すことにした。
クルマにはいろいろな選び方・乗り方がある。たとえば新車を買って値落ち額が大きくなる前に次のクルマに乗り換えるのも一つの方法だ。中古車相場が高値安定で推移している人気モデルだと、この乗り方を実践している人も多いはずだ。
逆に手頃な中古車を購入して乗れるところまで乗るという人もいる。鈴木さんは後者のスタイルだ。短期間で乗り換える方法だと走行距離が短いほうが有利になる。だが、各地をクルマで回る鈴木さんは必然的に走行距離がかさんでしまうので、手頃な価格帯の中古車を手に入れて乗り回すほうが気楽な面もあるのだろう。プロアングラーはもちろん、プロスノーボーダーやプロサーファーなどもこのスタイルでクルマ選びをしている人は多い。
「もうひとつ、僕の場合は砂浜でクルマを潮風にさらしているし、山の中の細い林道を走ると小枝でボディにキズをつけたりします。僕にとってクルマは移動手段であると同時に、釣りで使う道具を運ぶ道具箱でもある。道具箱を使う際、キズがついたらどうしようなんて考えたら役目を果たせないでしょう。だから細かいことを気にせずガンガン使い倒せるクルマがちょうどいいんです」
ちなみに鈴木さんがアウトランダーを選んだのは、4WD性能を信頼したから。街乗りや高速道路を中心に走る人なら、スタンバイ式の4WDでも安心して走ることができる。だが日常的に砂浜や林道を走るとなるとそうはいかない。初代アウトランダーの4WDシステム「AWC」は、走行条件によって自分で「2WD」「4WDオート」「4WDロック」を選ぶことができるのが購入の決め手になった。
「あとは信頼感ですね。ランクルのトヨタやパジェロの三菱なら、4WD性能は安心できると思いました。とはいえ、やっぱり砂浜に入る時は緊張しますよ。スタックしたらどうしようって。だからいつも4WDロックに入れて、ソロソロと走っています(笑)。ブロックパターンのタイヤも、ファッションではなく完全に実用性重視で選びました」
ここまで4WD性能にこだわるのであれば、過去に鈴木さんが乗っていたパートタイム4WD+リジットアクスルサスのジムニーは最強だったのではないか。
「ジムニーはどんな場所でも入っていけるので、性能面では最強です。でも軽自動車で車内が狭いから、釣り道具を積むとシートをリクライニングできないんですよね。僕は夜明け前から動き出すので、釣りを終えた後はどうしても眠気に襲われます。そんな時にシートを倒して仮眠できないのはちょっときつかった。だから新しく発売される5ドアのジムニーノマドはめちゃくちゃ気になっています」
「休む」といえば、初代アウトランダーには上下2分割式のリアゲートが備わっていた。鈴木さん曰くこれがなんとも言えず心地よく、釣りを終えてクルマに戻り、ここに座ってくつろいでいると「今日も帰ってこられた」という気分になるそうだ。
渓流釣りでは山の中を何キロも歩き回る。昨今では熊など野生動物と遭遇して身の危険を感じることもあるという話も聞く。砂浜ではそういう危険はないだろうが、波の立ち方から海底の状況を見極め、ヒラメやブリなどの獲物を求めて足元が不安定な砂浜を移動していく。だからこそクルマに戻ってくるとホッとするのだろう。
「このリアゲートはとても便利なのに、僕のアウトランダーの次の世代――2代目以降は普通のリアゲートになりました。2代目アウトランダーと言えばPHEVが登場した世代。大型のリチウムイオンバッテリーを搭載したことが影響しているんですかね」
PHEVのアウトランダーの話が出たので、興味があるか尋ねてみると、今は選ぶことはないという。
「いや、カッコいいし興味はありますが、僕の乗り方だとすぐにボディをキズだらけにしちゃうから。もったいなくて選べないですよ(笑)」
船釣りや磯釣り、近年はSUPで沖まで出るSUPフィッシングの人気も高まっている。いろいろなスタイルがある中で、なぜ鈴木さんはサーフをフィールドにしているのか。
「サーフだと魚がヒットした時、立った波の中から釣り上げた魚が姿を現す瞬間があるんです。その光景は何度味わってもゾクゾクするほどカッコよくて。たとえばSUPや船だと沖まで出るから僕が釣れない時でも釣れていることがあります。少しうらやましく思う時もありますが、でも僕はあのカッコよさの魅力にとり憑かれているので、サーフフィッシングから離れられないですね」
自身のブランドを立ち上げたことで、プロアングラーとして動きやすくなってきたという鈴木さん。今後はアウトランダーで旅する時間を増やし、車中泊をしながら全国のサーフを釣り人に紹介していきたいと考えているそうだ。アウトランダーの現在の走行距離は約13万km。鈴木さんはこのクルマに、もう走れないというところまで乗り続けるつもりでいる。
「もしアウトランダーがダメになったら、次は同じ三菱のデリカスペースギアに乗りたいと思っています。デリカは昔から憧れのクルマ。D:5もいいけれど僕はスペースギアのデザインが好きなんです。スペースギアは車幅がそこまで広くないから渓流釣りにも使えます。アウトランダーを買う時にスペースギアも考えましたが、これは次の楽しみに取っておこうと思って」
プロアングラーの活動が軌道に乗り、今のクルマを楽しみ、憧れのクルマを次の目標にする。鈴木さんの人生が充実していることが伝わってきた。
【Instagram】
https://www.instagram.com/ricordo.suzuki_official/
取材・文/高橋 満<BRIDGE MAN> 撮影/柳田由人 編集/vehiclenaviMAGAZINE編集部
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