他人と被らない“隠れた名車”を探し、たどりついたTRDスポーツMの世界
“隠れた名車”を探して辿り着いたトヨタ カローラフィールダー ZエアロツアラーTRDスポーツM。自分仕様に少しずつカスタマイズ、色もこだわりの色に全塗装。レッドゾーン8200rpmの快速エンジンと快適な居住性を両立する相棒で、ミーティング遠征などカーライフを満喫しているそうだ。
他の人とはひと味違うクルマ選び、4年ほど前に手に入れた2006年式のトヨタ・カローラフィールダ (ZZE123G)を手に入れた“しょーさん”。
「これまではプリメーラ(P11)やパルサーVZ-R(JN15)など日産車ばかり乗ってきたんですが、乗り換えを考えた時に『ほかのメーカーのクルマを知らないのは人生損してるんじゃないか?』って思ったんです。でも6MTにこだわって選ぼうとすると、思いつくクルマはすでに名車と呼ばれているものばかりで、まわりとカブらないクルマはほとんど見当たらない。そんな時に中古車販売店で見かけたのがこのクルマだったんです」
これまでの愛車歴を伺うと、日産車というだけでなくFF車ばかりだったようだが、もちろんFF車に限定して探したわけではなく、人と違った隠れ名車を選んでいくうちに気づいたらFF車ばかりになっていたのだという。
そして、次に乗り換えるクルマの候補も自然とFF車のGRコペンなどを考えていたという。しかし、そんな時に偶然出会ったこのカローラフィールダーが、激レアなTRDスポーツMだったことから即決したというわけだ。
TRDが架装を施した『TRDスポーツM』は、セリカをはじめカローラランクスやヴィッツ、パッソ、bB、istなどさまざまなバリエーションが存在する。
カローラフィールダーの場合は標準車のZツアラーをベースにエアクリーナーやマフラー、サスペンション、さらにフロントのタワーバーなどでパフォーマンスを大幅にアップ。搭載される2ZZ-GEエンジンも標準モデルの190psから205psまで引き上げられたスポーツワゴンとして仕上がっている。
ちなみに標準車との外観上の違いはエンブレムとエンジンルームの見た目くらい。なかでもエンジンカバーは黒樹脂にトヨタマークとVVTL-iのロゴが赤く塗られているのがポイントとなっている。
「基本的にはメーカーが作り上げたチューニングカーのため、あまり手を加えないようにと考えています。でも経年劣化などでリフレッシュをおこなう時には社外パーツを選択することもあります。あとは後期モデル用のボディダンパーを追加しているのもポイントですね。レア車だからノーマルじゃなきゃダメって考えではなく、臨機応変にパーツチョイスをして自分なりのクルマとして楽しんでいます」
たしかに吸気系も本来は専用パーツが装着されるが、しょーさんのカローラフィールダーはエアクリーナーなどが社外品に交換されている。
またフロントのロアグリルにはインテークにフレッシュエアを導くためのダクトをセット。エアクリーナーがエンジン後方にセットされるカローラフィールダーに対し、より効率的な吸気を行うためのアレンジも加えられているのだ。
「普段の通勤は軽自動車を使っているので、このクルマは休日のドライブやイベントの時にしか乗らないんですよ。でも1ZZ/2ZZミーティングなどで長野に行ったり、カローラオーナーのミーティングで愛知に行ったりするので、変に気を使わないで気持ちよく乗れるクルマ作りが基本です。インパネ周りもノーマルが基本で、あくまでも普通に楽しめる仕様を意識しています。もちろん6MTだから走りも十分に楽しめて、なおかつ荷物も積めるので、このクルマを選んで正解だったと思いますね」
そんな愛車に搭載されるエンジンは性能アップが施された2ZZ-GEで、レッドゾーンは8200rpm。高回転までスムーズに回り、なおかつ連続可変バルブタイミング・バルブリフト機構を併せ持つことで中低速も扱いやすいのは、しょーさんが感動したポイントであり、このTRDスポーツM最大の特徴といえるだろう。
「このカローラフィールダーの前は日産車ばかりだったんですが、やっぱりメーカーごとでエンジンのフィーリングは違います。同じように可変バルブタイミングを持つエンジンでも、高回転でパワーの出方も違いますし。ステーションワゴンだからってナメていたわけじゃないですが、やっぱり2ZZ-GEを搭載してTRDが仕上げたクルマだけのことがありますよ。これこそ隠れた名車っていうんじゃないですかね」
足まわりはTRDスポーツM純正ショックがオイル漏れを起こしてしまったため、クスコ製の車高調に変更し、ホイールはアドバンスポーツ・RZの16インチを装着している。
「ブロンズカラーのホイールってブレーキダストが目立ちにくいので、洗車の手間もそれほどかからなくていい選択だったと思います。それから、このホイールに合わせて205/50のオールシーズンタイヤに変更しているんです。地域的にあまり雪は降らないんですが、万が一降ってしまった時を考えたら交換する手間も省けますし。実用的にも見た目的にもバランスが良くなったんじゃないかなって、かなり満足しているんですよ」
さらにリアのアンダースポイラーはモデリスタで用意されていたジアラ製の絶版パーツを装着。シーワン製のリアウイングも装着するなど、自分好みのエクステリアに仕上げているそうだ。
実用性を重視したという運転席まわりは、純正の本革3本スポークステアリングをそのまま使用し、ステアリングカバーで握りを太く変更。シフトノブはTRDの球状を装着しているが、TRDのアルミ製やオクヤマのジュラコン製などもストックしていて、さらにTRDのジュラコン製もいつか手に入れたいアイテムのひとつなのだとか。
運転席のシートは赤いファブリックが特徴のホンダ・タイプRシリーズ純正レカロをセット。友人から譲ってもらったというものの、ヤレもなく完璧に近いコンディション。ボディカラーとも自然に溶け込むコーディネートとなっている。
17年が経過しているボディはもともとがスーパーレッドだったこともあり、クリア層が浮いてしまう赤系定番のトラブルを抱えていたが、昨年ボディのリフレッシュを行い、日産のレッドパールにオールペンを行なったそうだ。
「このボディカラーは子供の頃に家にあったスカイラインのカラーなんです。色の印象がすごく残っていて、同じ赤系のカラーで塗り直しを考えた時にこの色が頭に浮かんだんですよ。でもスーパーレッドよりも深みのある赤はちょっと大人っぽい感じになって、ホイールのカラーともマッチしているので大正解でした」
「これまでの車は3ドアや4ドアだったので、ステーションワゴンってはじめてだったんですよ。メーカーだけじゃなくてボディ形状もこれまでからガラリと変えてみたんですが、ステーションワゴンの使い勝手の良さは感激しました。特に多めの買い物をした時でも考えないで荷物を載せられますし、リアシートを倒せばタイヤ4本も楽勝で積めちゃう。それなのに走りも楽しめるなんて、このカローラフィールダーに乗り換えてから経験値がどんどん増えました」
日産車からトヨタ車へ乗り換えて新たな経験と刺激を受けたというしょーさんにとって、カローラフィールダーは新たなカーライフの扉を開けてくれる大きなターニングポイントになったようだ。
- 取材協力:
- 『神栖1000人画廊』(茨城県神栖市南浜)
『日川浜海岸』(茨城県神栖市日川)
かみすフィルムコミッション
(⽂: 渡辺大輔 撮影:土屋勇人 編集:GAZOO編集部)
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