多才多芸な愛車 インテグラ タイプR(DC5)

  • ホンダ・インテグラタイプR(DC5)

中学生の頃から憧れていたホンダインテグラタイプR(DC5)を手に入れ、1週間後にはサーキット走行でVTECエンジンの性能を満喫。エクステリアもインテリアも自分好みにカスタムするなど、普段の通勤から遊びまで1台でカーライフを楽しんでいるという。

快適に普段乗りできて、サーキットやイベントにも行って楽しめる…そんな理想の1台と出会い、セカンドカーを所有する必要はなくずっと共に過ごすことができれば、それはある意味、複数台所有するよりも贅沢なカーライフと言えるのではないだろうか。
高知県在住の高尾さんは、中学生からの憧れだったホンダ・インテグラタイプR(DC5)を手に入れ、1台で通勤からクルマ遊びまでオールマイティに楽しんでいるオーナーだ。

インテグラタイプRといえば1995年から発売された初代DC2、そして2001年にフルモデルチェンジして2007年まで発売された2代目のDC5が存在する。
「中学1年生の頃、親の知り合いが青く塗ったDC2のインテグラタイプRに乗りよって、僕も青が好きなので、それを見て僕も『いつか青いインテグラに乗りたいな』と思ったのが憧れのキッカケです。でも、実際に乗ろうと思って探し始めた時にはDC2の中古車価格は高騰していたので、だったらDC5ならどうだ?と探すようになったんですが、なかなか自分が欲しいものと一致する車体は出てきませんでした」

子供の頃からグランツーリスモなどのゲームや父親の影響でどんどんクルマ好きになり、以前はクルマの解体屋さんに勤めていたという。そんな仕事柄もあって、免許を取得してからはムーヴラテにはじまり、ワゴンR、ラパン、ストリーム、エルグランド、ムーブ、オデッセイ、タント、アルトワークス、N-BOX、オプティと多種多様なクルマを乗り継いできたという。
「解体をしよった関係で、取引先で『安くて程度いいのがあるよ』とか『廃車にするつもりだけど、まだ車検はあるし乗るか?』という感じで頻繁に乗り換える状況が続いていた時期もありました(苦笑)」

そんな状況を伺うと、好みやこだわりはなく“手に入ったクルマにとりあえず乗っていた”のかというと決してそうではなく、5年間乗ったアルトワークスではジムカーナを、その後のN-BOXやオプティではドレスアップをと、そのクルマに合わせた遊び方で楽しんでいた様子。
そしてさらに彼は『他の人との違いを出す』ということを意識して、たとえ2ヶ月しか乗らないクルマでも車高とホイールの2点にはこだわりをもってカスタムしていたのだとか。

そうしていろんなクルマ遊びを楽しみつつ、4年前に本命のインテグラタイプRを探し始めたという高尾さん。
「タイプRって白いボディに赤いシートが定番なので『ボディも内装も青色のDC5』という自分が欲しい条件と一致するクルマがなかなか出てこなくて。『もう諦めてシートは後から青色に張り替えようか』などと考えるようになったころに、たまたまボディもシートも内装も青色の個体に出会えたんですよ!! 本当にラッキーでした」

ドア内張りやカーペットまでブルーの生地が使用されたスポーティでクールな車内を見れば、高尾さんが青い内装にこだわったのも納得だ。しかし、それ以上にとても気になったのは、マイメロディのライバルキャラ、クロミちゃんのぬいぐるみやクッションが飾ってある後部座席。「UFOキャッチャーや一番クジでゲットしたんですけど、クロミちゃんのちょっと悪そうな雰囲気や色合いが好きなんです」とのこと。スポーティな車内で癒しの空間となっているこの一角に思わずギャップ萌えしてしまった。

話が少し脱線してしまったが、こうして2年がかりで探した末に出会ったのが2002年式のホンダ・インテグラタイプR(DC5)。
発売当時『世界最速のFF』と高い評価を受けていたホンダが誇るピュアスポポーツカーを手に入れた高尾さんは、購入1週間後にさっそくサーキット走行を楽しんだという。
「そのときは徳島県にある阿讃サーキットを走ったんですが、今のところそれがこのクルマに乗ってから1番の思い出ですね。久々のサーキット走行だったし、とにかく楽しかったです」

ノーマルでも十分ハイスペックなうえ、前オーナーによりオイルクーラーとアルミラジエター、さらにグリップ走行向けの車高調が装着済みで、購入したままの状態でも十分走りを楽しめる仕様だったという。
また、高尾さんは「バイクもホンダのCB400 SUPER FOURに乗っていたので、DC5のVTECエンジンにも憧れがありましたね。実際に乗ってみると音も良かったしNAなので燃費もいいです」と、自然吸気で220psを発揮するK20Aエンジンを堪能しているようすだ。

「購入してからカスタムしたのは、GTウイングとテールランプ、マフラー、ホイール、あとは灯火類。室内はステアリングにオーディオ、追加メーター類ですね」
イングス製のエアロパーツとカーボンボンネットは購入時から装着されていたそうで、高尾さんにとって1番のお気に入りポイントは、GTウイングとテールランプを交換したことでさらにガラッと印象の変わったリアまわりなのだとか。

また青いボディによく映えるホワイトホイールもお気に入りのパーツだ。
「純正ホイールサイズは17インチなんですけど、このエアロと見た目の相性がイマイチだなと感じていて、あまり好きじゃなかったんです。そこで18インチを探していたところ、たまたま先輩から『FD2シビックの純正ホイールがあるけん、よかったらあげるよ』と譲ってもらえたんです」
解体屋さんの頃もそうだし、取材会当日も友達2人が一緒に来て楽しそうに見守っていたし、どうやら高尾さんはまわりのひとから気にかけて可愛がってもらえる何かを持っているのかもしれない。

通勤から買い物、サーキット走行にクルマイベントと、この1台のみでオールマイティにこなしているという高尾さんに、不便さは感じないのか?と尋ねてみたところ「友達とこのクルマで遊ぶ時にマニュアルミッションなので僕しか運転できないことですかね。あとは小さい子供に『これ、シビックですか』と聞かれ『シビックじゃなくてインテグラですよ』と教えてあげたり(苦笑)。でもやっぱり、歴代乗ってきたクルマのなかではこのクルマが一番楽しいですね!」と満面の笑みで話してくれたのが印象的だった。

「今年はオーディオ系をいじっていきたいですね。今はスピーカーとウーファーを入れているんですけど、ウーファーは埋め込みに変えて、モニターもいろいろ追加してイベントに遊びにいけたら楽しいかなって。あとは購入直後に不注意で縁石にぶつけて割れてしまったフロントバンパーも修理したいと思っています」

憧れだった青いインテグラタイプRを愛車にして早2年。苦労して探した甲斐もあって購入時から理想に近かった愛車は、高尾さんの手によってさらにオンリーワンの1台へと進化を遂げていくことだろう。

取材協力:高知工科大学 香美キャンパス(高知県香美市土佐山田町宮ノ口185)

(⽂:西本尚恵 / 撮影:平野 陽 / 編集:GAZOO編集部)

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