目標に向かって走ることが僕のすべて。フィットe:HEV RSと駆け抜ける23歳のリアルライフ

  • GAZOO愛車取材会の会場である香川県の『道の駅 恋人の聖地 うたづ臨海公園』で取材したホンダ・フィット e:HEV RS(GR3型)

    ホンダ・フィット e:HEV RS(GR3型)


社会人2年目の23歳。明るくフレッシュな笑顔が印象的な『たくみ』さんの愛車は、昨年新車で購入したばかりのホンダフィットRS(GR3型)。第4世代目にあたるモデルで、パワートレインは1.5リッターエンジンに2モーターを組み合わせた、ホンダ独自のハイブリッドシステム『e:HEV』を搭載する。

なかでも『RS』というグレードは、専用のバンパーやアルミホイールを装着したスポーティモデルで、サスペンションにも専用チューニングを採用。パワートレインの制御がスポーティに変化するSPORTモードや、逆に燃費を優先したエコドライブを実現するECONモードを選択することができるドライブモードスイッチも装備されている。

社会人になって人生初のクルマを購入しようと向かったのは、お母さまが乗っているN-BOXを購入するなど以前からお世話になっているホンダディーラー。
しかし、当初はフィットRSを購入することは想定しておらず、別のクルマに照準を合わせていたそうだ。

「マニュアルミッション車に乗りたかったので、最初は軽自動車のN-ONEのRSを買おうと思っていたんです。ただ、見積もりを取ってみたらフィットRSと比べても意外と値段が変わらなかったんですよね(笑)。走行性能や燃費を総合的に考えた結果、結局フィットRSを購入することに決めました」

物心ついた時からクルマが好きで、今でもインターネットの動画サイトでクルマの動画ばかり見ていると話すたくみさん。
自分のクルマを購入する前からレンタカーでマニュアルミッション車を借りてドライブに出かけるなど、運転も大好きなのだという。

「通勤でも使っているので、フィットRSにはほぼ毎日乗っています。普段はエコモードですが、走りを楽しみたい時はスポーツモードに切り替えています。このクルマの優れた点は、スポーツモードで走っても燃費が20km/Lくらい走るので、ガソリン代をあまり気にせず走れるというところですね」

友人にもクルマ好きが多いそうで、休日にはそれぞれのクルマで一緒に出掛けることもあるのだとか。土地柄もあってか、深夜のサービスエリアは夜景が綺麗なところが多く、SNSに投稿する写真を撮るのも趣味のひとつとなっているそうだ。

「ちょうどここからも見えるんですけど、瀬戸大橋の途中にある与島パーキングエリアは特にお気に入りです。仲間と一緒にコーヒー飲みながら過ごす時間はエモいですね。岡山まで足を伸ばすことはよくあるんですけど、時間があれば淡路島とか大阪まで行ってみたいと思っています」

カスタマイズにも興味があり、マフラーカッターとアルミペダルを装着。ノーマルの形を崩すことなく、程よいアクセントになるようなカスタマイズを心がけているという。
「RSはステアリングやシートに黄色のステッチが入っているんですけど、そこも他とちょっと違った個性が感じられて気に入っています。フィット用のアイテムを探すことも楽しいんですが、欲しい物をすべて買って付けているとゴテゴテしてしまうので、程良い感じにまとめるために、自制心も試されています(笑)」

ちなみにドリンクホルダーにちょこんと収まるぬいぐるみは、子供の頃に地元の水族館でおばあちゃんが買ってくれたもの。安全運転のお守りとして、いつも大事に乗せているそうだ。

筆者は取材が始まってからずっと、たくみさんの立ち姿がシャキッとしていて、身体も見事にシェイプアップされているなと感じていたのだが、その答えはフィットRSのラゲッジルームを拝見した時に明らかとなった。そこには二足の運動靴とサンダルが用意されていたのである。

「学生の頃から陸上競技をやっていまして、今でも仲間とチームを作って活動しています。ボクの専門は100m走。ランニングシューズと、ジムで使う室内用のトレーニングシューズは常にクルマの中に入れていて、仕事帰りに競技場に寄って走ることも結構あるんですよ」

中学に入学した際、何か部活を始めようと思ったところ“自分はどうもチームプレーには向いていない”と考え、なんとなく陸上を選んだと語るたくみさん。実際のところ淡々と己を磨く陸上は性に合っていたそうで、メキメキと実力をつけていき、高校生の時にはなんと香川県で1位、リレーでは四国で2位という輝かしい成績も収めている。

「大学の時のベストタイムは10秒84で、中讃地域の大会新記録を出すことができました」
そうサラリとたくみさんが答えるものだから、ついついこちらも『へえ〜』と聞き流してしまったのだが、よくよく考えると100mを10秒84で走るというのは相当に速いレベル。撮影がてら軽くウォームアップランを再現していただいたのだが、われわれ素人が考える『走る』とは全く違い、もはや一歩一歩『跳ぶ』といったイメージ。タッタッタッという小気味よい音とともにカメラの前を駆け抜けるたくみさんは、ワープするかの如く、僅か数歩で遥か先まで移動してしまった。

「広い歩道にいるときは、リレーの練習のつもりで信号待ちしているクルマとスタートダッシュで競走することもあるんですよ。相手がそれこそ軽自動車の場合は、結構いい勝負ができるんです(笑)」
フォームをチェックするための撮影用アイテムとして、スマホを固定するための三脚もフィットRSの荷室に常備している。頭の中はいつも走ることで一杯のようで、いつ如何なる時も練習に出掛けられる準備が整えられているのだ。

聞けば、本当に理想とするクルマはスポーツカーだそうで、レクサスのIS Fや、ファイナルエディションが登場したスープラなどにも興味があるとのこと。勤め先の上司がレクサスLCに乗っているそうで、それも憧れの存在だという。
どれも隆々としたフェンダーを備え、アスリートのようなスタイリングが際立つモデルばかりで、短距離走者のたくみさんとイメージ的にもぴったりではないだろうか。

「いつかそういったクルマを所有してみたいという夢もありますけど、今は年齢的にも実用的にもフィットRSで十分ですし、実際すごく気に入っています。仕事も趣味も両立させてくれて、燃費も良い。そんな相棒と、これからも楽しく走っていきたいです」

若くして現実的な考え方を身につけているたくみさん。それも自分で立てた目標に向かって、己の技量と精神を鍛え上げていく陸上競技を追求してきたからこその成果かもしれない。23歳の溌剌としたエネルギーに、フィットRSはとてもよく似合っている。

(文: 小林秀雄 / 撮影: 西野キヨシ)

※許可を得て取材を行っています
取材場所:道の駅 恋人の聖地 うたづ臨海公園 (香川県綾歌郡宇多津町浜一番丁4)

[GAZOO編集部]