水平対向6気筒エンジンに憧れ『レガシィ』を選んだ大学院生のカーライフ
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スバル・レガシィB4 3.0R SIクルーズ(BLE型)
大学進学を機に、生まれ育った埼玉県から高知県へと居を移した『フィジー』さん。現在は大学院へと進み、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)と金属を一体成形する方法を研究している。実現すれば炭素繊維の使用量を減らすことができるので、今よりもコストを抑えた新素材を利用できるようになるそうだ。
そんなイマドキ理系男子であるフィジーさんの愛車が、スバル・レガシィB4 3.0R SIクルーズ(BLE型)だ。4代目レガシィのセダンであるB4に、3リッターのEZ30型水平対向6気筒エンジンを搭載したモデルである。
さらにSIクルーズは、フロントグリル内に設けられたレーザーレーダーを使った先行車追従機能であるSIレーダークルーズコントロールを装備。走行モード可変機能のSI DRIVEと協調して、実用燃費を向上させる制御も盛り込まれている。
メカ好きのフィジーさんは、クルマだけでなくオートバイや自転車にも興味があり、通学や普段の移動はずっとオートバイでこなしてきた。クルマの運転免許は19歳で取得していたが、人生初の愛車であるレガシィB4 3.0R SIクルーズを購入したのは22歳になってからだという。
「昔からずっとポルシェが好きで、将来自分でクルマを買うなら水平対向6気筒が良いなという憧れがありました。レガシィにも6気筒モデルがあることは高校生の頃に知ったんですけど、大学に入ってからはバイトで購入資金を貯めつつ、中古車もずっと探していました。手頃なコンパクトカーとかが現実解なんだろうと分かりつつ、理想との間でずっと揺れ動いていましたね。でも、3.0Rはそもそも売り物がなかなか出てこなくて、結局買うまでに3年くらい掛かっちゃいました(笑)」
普段から中古車情報サイトをよく見ているというフィジーさんだが、初の愛車となったレガシィB4 3.0R SIクルーズとの出会いは偶然だったそうだ。オートバイでツーリングに出掛けた時に、たまたま店頭で売られている車両を見つけ、そのまま購入に至ったというのである。
「試乗させてもらったら、何より排気音がカッコ良くて! 気がついたらこれにしようと決めていました。ほぼ衝動買いですね(笑)」
アルバイトで軍資金を貯めていたのだから、あながち衝動買いとも言えないとは思うが、理系らしい現実的な考え方と男らしいロマンが混在しているところが、フィジーさんの人間的な魅力でもある。
「納車されたその日に、四国カルストに出掛けたんですけど、これが自分のクルマで来た初めてのドライブか〜と、感慨もひとしおでした。税金は高いし、燃費も悪いですけど、やっぱりエンジンを回した時の音が最高。あくまで音が主役のクルマで、それ以外は僕にとって全部おまけですね(笑)」
アフターメーカーのステンレスマフラーに交換されているというのもあるが、水平対向6気筒の洗練されたサウンドは、フィジーさんの脳髄を直撃。特に高回転まで回した時のフィーリングが堪らないと顔を綻ばせる。
自宅と大学との間には峠道があるそうで、現在もオートバイで通学しているが、週末にはレガシィB4 3.0R SIクルーズに乗り換えて走りを楽しみに行くのだとか。5速ATにはパドルシフトが備わっており、意のままにシフトチェンジできるとあって、スポーティな走りも満喫できるという。
アルミホイールは、2002年に発売されたインプレッサスポーツワゴンの『TYPE EURO TURBO (タイプユーロターボ)』に設定されていた、専用17インチホイールを装着。“ポルシェデザイン社”がデザインした個性的なホイールで、さり気なく足元をドレスアップしている。同じくポルシェデザインが監修した『レガシィB4 ブリッツェン』のリヤスポイラーも既に購入していて、今後装着する予定だそうだ。
そういった情報はSNSなどで知ることが多いが、当時物のカタログをインターネットでみつけては買い揃えていくのも楽しみのひとつ。気づけばコレクションも、かなり増えてきた。
純正のナビゲーションとCDプレーヤーは最初から付いていたそうだが、さすがはデジタルネイティブ世代。スマートフォンの音源を再生できるように、DIYでオーディオ配線を変更した。オイル交換などの自分でできる作業も積極的にやるよう心掛け、維持費の節約を兼ねつつ、弄る楽しさも満喫している。
現在、フィジーさんのアルバイト先はレンタカー屋さんということで、空いている時は洗車機を使わせてもらえる他、同僚にもクルマ好きが多く、愛車を購入してからは周囲との交流もさらに深まったそうだ。
「バイト仲間だけじゃなくて、大学の同級生も意外とクルマ好きは多くて、持っているクルマも個性がさまざまなんです。出掛けた先でレガシィに乗っている人から話しかけられたり、クルマを通じた交流が増えたのは、本当に嬉しいですね」
「スバル好きの人とは、よくエンジンの話もするんですけど、3.0Rは6気筒とは言っても3リッターのNAなので、乗り比べちゃうとやっぱり2リッターターボの方が速いんですよね。でも、僕が求めているのは絶対的な速さよりも、エンジンのフィーリングであったり音だったりするので、そこはあまり気にしていません」
そもそもフィジーさんがクルマ好きになったのは、お父さんから受けた影響が大きいそう。子供の頃の実家のクルマは涙目のインプレッサWRX(GDB型)で、お父さんとの交流の中で自然とスバル車や水平対向エンジンに愛着を持つようになっていた。
スペックよりも、水平対向の『音』や『フィーリング』といった官能的な要素に惹かれていったことには、フィジーさんの感性が育まれていく過程でお父さんが果たした貢献も大きかったに違いない。
「同じ3.0Rでも、B型からD型(※年次改良を識別するスバルのアプライドモデル)まではMT車があるんですよ。だから、できれば今の3.0Rはキープしつつ、MT車との2台持ちが理想ですね。それか、スタイリングはアルシオーネSVXが一番好きなので、3.0Rとアルシオーネの2台持ちか。う〜ん、どっちにするか悩むなあ(笑)」
繰り返しになるが、理系らしい現実的な考え方と男らしいロマンを兼ね備えていることが、フィジーさんの人間的な魅力である。これからフィジーさんが社会に出て前途洋々たる人生を歩んでいく先で、果たして振り子はどちらへ大きく傾くのか…。
それはクルマの神様のみぞ知る、である。
(文: 小林秀雄 / 撮影: 平野 陽)
※許可を得て取材を行っています
取材場所:徳島中央公園 (徳島県徳島市徳島町城内1-番外)
[GAZOO編集部]
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