【素敵なカーライフレシピ #1】人を気持ちよくさせるサウンド。それは楽器もクルマも共通

傍らにクルマがあるからこそ、暮らしが、そして趣味が豊かになる。そんな素敵なカーライフは、まるでオーナーの人生を凝縮した、最高の一品料理のよう。

そんなユーザーひとりひとりのカーライフの「レシピ」をご紹介するこのコーナー。
今回登場いただくのは、オーケストラに所属するホルン奏者・竹村淳司さんです。
スズキスイフトとの蜜月な暮らしが、プロの演奏家としての幅を広げてくれているようです。

ここは群馬県にある高崎芸術劇場。建てたばかりの香りがまだ漂っているかのような真新しい音楽ホールです。クールな建築美の建物ではあるものの、じつは地元の方々の憩いの場であり、アートの発信地でもあります。

ここをホームとして活動するオーケストラ、群馬交響楽団(群響)に所属する首席ホルン奏者・竹村淳司さんが今回の主人公です。

取材にご協力いただいたのは、定期演奏会を明日に控えるリハーサル日。本番前日だからといってピリつく雰囲気は少ないですが何ともいえない凄みは伝わってきます。短い小節ごとに演奏しては止め、を繰り返しながら指揮者より細かな指示が飛びます。

70人という大所帯なのにまるで音楽プレーヤーを再生・一時停止するように、オーケストラ全員が一糸乱れぬタイミングで旋律を奏でています。その様に、思わず背筋がぞわぞわとしてきます。

演目のひとつは、ドヴォルザーク「新世界より」。耳馴染みのいい旋律は、クラシックに馴染みがなくともすんなりと聴き入ることができます。

群響は、設立75周年という日本でも有数の歴史あるオーケストラです。地元の方も「群響は私たちの誇り」と、注がれる愛も余りあるものです。
竹村さんはこの道に入っておよそ30年。各地のオーケストラで経験を積み、海外に所属していた時期もあるそう。
そのライフスタイルから、演奏会への移動など安全に楽器・機材を運ぶ必要から、クルマはずっと欠かせない存在でした。

しかし竹村さんは、クルマをたんなる「運搬のための道具」とは捉えませんでした。

「原体験は、大学生の頃に乗っていたTE71トレノでした。そこから軽自動車、ミニバンなどいろんなサイズのクルマを乗り継ぎました。はじめからチューニングやカスタマイズの知識があったわけではないのですが、とあるカーショップのスタッフから手取り足取り教えていただきながら、その楽しさに目覚めていきました」

エアクリーナーやマフラーなど、パーツを交換するたびに変貌する走りのフィール。カスタマイズに魅了されながら、だんだんとクルマの好みが固まってきました。

決め手となったのはスズキのKeiワークスを愛車として迎え入れたときでした。

「吸排気、ボディ補強にもしっかり手が入った由緒正しきスズキスポーツ仕様で、これで夜な夜な峠に繰り出したりとハマっていきました」

出身が浜松ということもあり、スズキ車にはひときわ高いシンパシーを感じていた竹村さん。次なる愛車はZC31Sスイフトスポーツ(スイスポ)を選び、途中で某4WDターボ車へ浮気をしてみたものの、またKeiへと戻ってきました。

「もうその頃には、モンスタースポーツのマシン作りの虜になっていました。ショップを訪れた際に、レジェンドドライバー・粟津原 豊選手の助手席を体験したときは、もう天にも昇るような気持ちでした(笑)」

それほどの熱量ゆえ、愛車候補はモンスタースポーツのコンプリートカー仕様以外の選択肢は考えられなかったということで、至極順当な流れとしてZC33Sスイスポ「コンプリート ver.3」を選ぶこととなりました。

「黄色のイメージカラーが似合うということは重々承知で、あえてブルーを選びました。赤いテールランプとのコントラストが最高です」

エクステリアではGTウイングの迫力がお気に入りで、その姿を見るたびに、かつてJWRCに参戦していたスイスポの姿が脳内でオーバーラップするそうです。ラリーイメージを補完するため、モンスターでも取り扱うマッドフラップファクトリー(MFF)のマッドフラップも装着しています。

群馬を代表する名峰、赤城山・榛名山・妙義山を指して「上毛三山」といいます。大人気コミック『頭文字D』の聖地でもあり、もちろんここをドライブするのが大好きな竹村さんですが、走るだけではない嗜みもあります。

「スイスポの車内は、私の練習場でもあるんです。家の中での練習ではミュート(弱音器)がどうしても必要になるのですが、駐車場に停めた車内では思い切り吹くことができます」

金管楽器の奏者にとって、デイリールーティンをやるのとやらないのとでは、自身の演奏レベルを保つのに大きく差がでるそうです。とにかく毎日、楽器に触れ練習を繰り返すことがプロとしての矜持だといいます。

そしてホルン奏者だけに、クルマが放つ音についてはひときわこだわりがあります。

「マフラーはいわば“金管楽器”。モンスタースポーツのSp-Xデュアルストリートマフラーが奏でる音は、インテークキットの吸気音と上手にミックスされ、回すほどに心を震わせるサウンドです」

1500~2000rpmから体感できるノーマルよりも厚みの増した低速トルク。高速道路の合流で6000rpmまで引っ張る際の加速力にもぞっこんです。

サスペンションは、ノーマルのモンローよりも滑らかで入力を上手にいなしてくれます。モンスターのスペシャルセットによるオーリンズの奥深さを感じる日々です。

というわけで、あまりの楽しさに初回車検に達する前にマイレージは5万㎞に達しました。
チェーン式なのでタイミングベルトよりは長持ちするといっても、できるだけ長く良い調子を保ちたいのでメンテナンスにはとにかく気を遣っている竹村さん。
定期点検などは実家への帰省を兼ね、モンスター静岡磐田店へと持ち込んでいるそうです。

「“総本山”へ持ち込むのは、そのたびドキドキします(笑)」と納車以来の初々しいファン心理がいまでも続いています。故郷から離れ久しくしゃべることも聞くこともなくなった遠州弁。しかしここでは、心を開いて存分にやりとりができるといいます。

オイル交換は約3000kmごと。そこにもホルン奏者ならではのこだわりも。
竹村さんの楽器は“ホルン界のロールスロイス”との呼び声も高い、独エンゲルベルト・シュミット社製の名器。ゆえに味わい深い音を出すために日々のメンテナンスは欠かせません。

「これまで30年間で9本のホルンを使ってきました。いまのホルンはもう11年目になりますが、外観はコーティングを施してあるので美観を保っています。そして良い音を奏でるためには摺動部分をしっかりと潤滑させておくことが重要。クルマも同じですね」

オーケストラ仲間にもクルマ好きが多いようで、団員のあいだでクルマ談義に花が咲くこともしばしば。仲間内ではスズキ車の魅力を伝える私設アンバサダーとしてもすっかり認知されているようで、実際に竹村さんにすすめられてスズキ車を購入した団員もいます。

趣味でラジコンも嗜む竹村さん。スイスポの魅力にぞっこんで、乗り替えることなど眼中にないとはいいつつ、200psをより安定して振り回すためのトラクションを確保する術についての妄想を聞いてほしいと言います。

「ラジコンのように、4WDに変換できるキットがあるといいいですね。もし出たなら、買い替えちゃうかも」

さらにプライベートでは「さといもちゃんねる」(https://www.youtube.com/user/junjunjunhorn/videos)という動画サイトを開設し、スイスポ(と猫)の楽しさを広く伝えるべく活動中です。

「クルマ動画界の有名人・ウナ丼さんの大ファンです。私も、あんな風に随所にギャグを仕込みながらクルマ紹介が発信できるようになりたいです。あと、地元・群馬で活躍するリサイクル系クリエイターのGUNMA-17さんも応援しています」

愛車スイスポ、そしてホルン。ふたつの素敵な音色を奏でながら竹村さんは充実の日々を過ごしています。

(文:  畑澤 清志 / 写真: 井上 誠)

[ガズー編集部]

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