向かうところ敵なし!唯一無二の存在、配送業のポルシェ「赤帽サンバー」

何気なく購入したサンバーだったのに、知れば知るほどこのクルマが好きになっているという「鍋嶋さん」。リアエンジン、4輪独立懸架を採用、ラダーフレームによる強固なボディなど、軽商用車とは思えないスペックが魅力なのだとか。一体、どんなクルマなのでしょうか?

今回は、鍋嶋さん×赤帽サンバーのお話。

――赤帽サンバーの、「赤帽」って何ですか?

「赤帽」という、運送業者のことです。赤い帽子のキャラクターが描かれた軽トラを、街で見かけたことはありませんか?あの運送業者が使っているサンバーを、赤帽サンバーと呼んでいるんです。

――見たことあります!というか、引っ越しを赤帽に頼んだことありました。

なんと!利用してるじゃないですか(笑)。サンバーというクルマであることには変わりないんですけど、赤帽サンバーは配送や引っ越しを行っている赤帽組合員の声を聞いて、より使いやすく改良された特別なモデルになっているんです。

例えば、長時間の運転が多いのでシートを厚くするとか、暗い所でも荷物が見えやすいようにルームランプを明るくするとか、色々な工夫がされているんですよ。

僕の愛車の赤帽サンバーは、スバルが自社生産したクルマなんですけど、撤退して2012年からはダイハツが製造しているんです。だから、スバルのロゴが入って、赤帽サンバーという個体が中古車市場であまり出回っていなくて。なかなか珍しいクルマ?という部類になるのかもしれません。

――なるほど。希少価値が高いという理由から購入したということですか?

いえ、違うんです。購入してから、あれ?このクルマって凄くないか?と気付いたんです(笑)。

仕事で使う軽のワンボックスが欲しかったので、サンバー安いし買ってみるかぁ~くらいのノリでした。なんと、購入価格は3万円と激安で、購入した中古車ショップも、邪魔だから持って行ってくれみたいな感じでした。

今でこそ、プレミアがついて50万円くらいで販売されていますが、当時は今ほど注目されていませんでしたよ。だから、すごくラッキーでした。

――3万円!? 私が欲しい! というのは置いといて、具体的にどこが凄いと思ったんですか?

ラダーフレーム構造なので、耐荷重性や耐衝撃性などに優れていること。
高速道路で長距離移動することを想定し、リアに4気筒のエンジンを積み4輪独立懸架式という機構であること。
重い荷物を積むことが多いという理由から、フロントにはベンチレーテッドディスクブレーキが採用されているなど、随所にあるこだわりに圧倒されたんです。
商業車とは思えないほどのスペックを持ったクルマだなと驚きました。

――実際に運転してみてどうでしたか?

ボディ剛性が良いから、静かでスピードを出して走っても怖くないし、加速も滑らかでキビキビ走ってくれるので、配送には持ってこいだなと感じました。エンジンが後ろにあるから、夏に車内が暑くないというのも嬉しいですね。
あとは、丈夫なので走行距離が伸びても故障しないというのも、実際に仕事で使っている僕からしたら助かります。

現在30万5千kmなんですけど、メンテナンスをしながら80万kmくらい走っている人もいるので、僕の赤帽サンバーはまだまだいけるなと思ってます。配送の仕事って、走行距離がどんどん伸びていきますからね。

――絶賛ですね。逆にネガなところはないんですか?

クーラント液が漏れたりとか、水周りのトラブルは多いかなと思います。リアにエンジンがあるので、どうしてもウォーターラインが長くなってしまいますからね。エアー抜きの時も、空気がなかなか抜けなくて苦労させられるんですよ……。
何ヶ所かエアー抜き出来る場所があるんですけど、それでも抜けずらい……。

ネガな部分は乗り続けていくと他にも出てくるかもしれないですが、それが気にならないくらいの独自の魅力があるというか。

――確かに。恥ずかしながら、赤帽サンバーがここまで個性的なクルマだったなんて知りませんでした。

そうなんですよ。僕も購入してから知りました。サンバーは軽商用車というジャンルで、そのジャンルには何種類かのクルマがあるわけですけど、こんなスペックや走行性能を持ったクルマって僕が調べた限りではいないんです。あくまで個人的な意見なんですけど、ライバル車のいない唯一無二の存在だなと思っています。そして、その個性が面白いから、僕は赤帽サンバーの魅力にハマっていってしまったのだと思います。

現在、サンバーをキャンピングカーにするか検討中という鍋嶋さん。「妻と旅行に行くのが好きなので、背抜きをしてキャンピングカー仕様にしようかなぁなんて。車中泊しながら何処かに行けたら楽しいじゃないですか」とのこと。偶然手に入れた赤帽サンバーで、これからも素敵なカーライフを送っていくことでしょう。

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鍋嶋さん

[ガズー編集部]

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