4ドアクーペのマツダ ファミリアアスティナが好き リトラが重要ポイント
大学で地質学について研究している「松本さん」は、アスティナ以外を愛車にするなんて考えられないと言います。理由を聞くと、スタイル、利便性、走行性能の何をとっても、このクルマほど最適なものはないからだと話してくれました。
アスティナの魅力に取り憑かれた、と言っても過言ではない松本さんのカーライフに迫ります。
今回は、松本さん×アスティナ のお話をお届けします。
――地質学について詳しくはないのですが、軽トラックなどの荷物を沢山詰めるクルマが最適なのかと思っていました。
う〜ん。例えば、大きな石を運ぶというときはそういうクルマが良いですが、私は基本的に数人で山に行き、土や石などのサンプルを集めるといった感じなんです。だから、最低でも4人は乗れて、乗りやすいようにドアは5ドア、あとは荷室にサンプルを積めるというのが重要なんです。
――先生!それでいくと、やっぱりアスティナじゃなくてもいいと思います!そういったクルマは沢山ありますもの。
ふふふ。あと1個だけ重要なポイントがあるんですよ。
――何ですか?
見た目がカッコいい!です。私はいわゆるスーパーカー世代と呼ばれるやつで、
ランボルギーニ カウンタックとか、フェラーリ 512BBなどのクルマが大好きでした。
そんなスーパーカーの象徴と言われていたのが、リトラクタブルヘッドライトだったんです。リトラクタブルのクルマって他にもあるんですけど、ハッチバックで利便性を追求したスタイルで、リトラクタブルライトを装着しているのはアスティナだけなんです。
よって、アスティナ以外考えられないというわけです。
――なるほど!ちなみに、いつアスティナを購入されたのですか?
会社に勤めて1ヶ月後の、平成3年です。どうしてもどうしても欲しくて、仕事終わりにディーラーに行き契約しました。
アスティナは平成元年に登場したのですが、その当時僕は大学院生で、とても購入できる金額じゃなかったんですよ。
ものすごく欲しくて堪らなくて「我慢できないから、今日買いに行きます!」と、走って帰ったのを覚えています(笑)。
――3年間我慢したということですものね(笑)。
いや、ここからが長かったんですよ。それまで新車でクルマを買ったことがなかったから、ディーラーに行って判子を捺したらすぐに乗れるものと勘違いしていてね。
そしたら、手続きがあるから1ヶ月かかると言われて、カタログを抱いて寝る羽目になりました。まだなのか?いつ乗れるんだと……。
――焦らされましたね。
はい。だけどね、その甲斐あって?アスティナには楽しい思い出しか詰まっていないんです。
妻と出会って、子供にも恵まれて、大きな壁にぶち当たっても、首都高を走りながら色々なことを考え乗り越えて。間違いなく、僕の人生を支えてくれたクルマでした。
――そのアスティナに今も乗っているというわけですね。
いえ。家族が増えて、大きめのクルマが必要になったからそのアスティナは手放したんです。
家族のことを考えたらベストな選択でしたが、何ともいえない気持ちになってね。ショックすぎたのか、なんとその日の記憶が全くないんです(笑)。全く!
――ショックなことを忘れるって、それって一種の自己防衛ってやつですよね。
それほど嫌なことだったんでしょうね。それから数十年後に、再び手に入れたのが今のアスティナです。
この個体は、1台目を購入した平成3年式で、当時お金が無くて諦めたものが全て付いていたグレードでした。
――その内容は?
1800ccのエンジン、オプションのフォグランプとサンルーフ。あとは、ボディーカラーが緑でした。
ボディーカラーはお金が無くても選べるんですけど、会社の友人に「男はブルーだろ!」と言われて、グリーンが欲しかったはずなのになぜかその意見を採用しちゃったんです(笑)。何でブルーを買ったのか……、自分のことながら未だに謎です。
とまぁ、そういった感じで、本当に欲しかったアスティナが私の元にやってきました。偶然かもしれませんが、これは運命なんじゃないかと思っています。
――それはきっと、クルマの神様がそうしてくれたんですよ。久しぶりに乗ったアスティナはどうでしたか?
1500㏄では感じられなかった加速感、25馬力の差しかないと思っていたのに数値以上の力強さなど、心が満たされていく感じがしました。
1台目のアスティナの走りを鮮明に覚えていたから、2台目との差も面白かったです。あっ、好きすぎて論文を書いてみたんですよ。兄弟車、ユーノス100との比較というテーマです。
――あの、つかぬことをお伺いしますが。その論文はどこに提出したのですか?
自己満足ですよ。もし良ければ送付しますね。あっ!記事に転載可能です。
――い、一応載せておきます。
どうぞどうぞ。数値をしっかりと提示し、どこがどう似ているのか? また違うのか、を書いたのですが、なぜこうもこのクルマに惹かれてしまうのかは理解不能です。
好きなんです。ただただ、このクルマが好きなんです。その理由を導き出さなくても良いと思うくらいにね。
アスティナは唯一無二の存在だと話してくれた松本さん。乗り続けていくことで、このクルマを好きな理由が見つかるかも?もしくは、一生解けない謎解きかもしれませんね。
(文:矢田部明子)
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