1度乗ると降りたくなくなる特別な空間 セルシオ2台と送るカーライフは正に極上

96年式のセルシオUCF21の前期モデルと20中期モデルの2台持ちでカーライフを送るオーナーさんは現在20代。マイカーに迎える入り口は、見た目が好みだったからとのこと。

いざセルシオが納車され、運転席に座り、キーを捻ると全く未知の世界が広がっていたと言います。
若者をも惹きつけるセルシオの魅力とは一体何なのでしょうか。

今回は、瀧本さん×セルシオのお話です。

――セルシオが初めてのマイカーだったんですか?

初めてのマイカーはセルシオではなく、ホンダのオデッセイでした。免許を取ってすぐの頃、父と共用で乗っていたんですが、父が新しくクルマを買うタイミングで譲ってもらったんです。そのオデッセイには3年くらい乗っていました。

――セルシオはオデッセイの次に乗り換えたんですか?

そうです。ただ、当時買ったセルシオは今とは別の型UCF21の前期モデルだったんです。その後ベンツを購入し、最終的に今の20中期のセルシオに行き着いたという流れです。

――オデッセイから前期セルシオに乗り換えた理由は何だったんですか?

オデッセイにガタがきていて、手に負えないと思いはじめていた頃、新しいベース車両としてセダンを探していたんですよ。僕が10代だった時、先輩が乗っていたクルマがセルシオだったりで、憧れというか「やっぱりセルシオってカッコ良いよな。」と当時から思っていたのも影響してたと思います。

――セルシオの中でも前期を選んだ理由はなんだったんですか?

最初は後期モデルが欲しくて探していたんですけど、調べる中で「カッコ良いと思っていたこの顔って、前期の顔だったんだ!」という発見があり、21前期の白色のパールツートンに一目惚れをして購入しました。

――さっき「ベース車として探していた」と言っていましたが、最初はセルシオをカスタムする前提だったんですね?

はい。最初はそのつもりで買ったのですが…。
納車されるまでの間、セルシオの開発された経緯や歴史を知ったというのもあり、納車されて初めて乗った時に「あ、このクルマはこれでいいんだな!」って思ったんです。

僕の中でクルマを改造することって、自分の好みの見た目や中身に近づけるっていう認識でいたんですけど、その考えを超越してきたんです。「このクルマは自分が触ったら逆に価値が下がっちゃうな。」って感じました。そのままでいることに意味のあるクルマだと思ったんですよ。

――考えが変わるほど、純正の魅力を感じたんですね。そんな中、1度ベンツに乗り換えた理由はなぜなんでしょうか。

実は、今も白の21前期は手放してなくて、保管してあるんですよ。なので、乗り換えたというよりかは、増台したっていう感じですね。ベンツを増車した理由は、職場への通勤距離が増えた関係で通勤用として買ったんですよ。セルシオを毎日100kmくらい走らせるのは、故障にも繋がりそうで、僕的にあまり気が乗らなかったんです。

――その後、ベンツから今の深緑のセルシオに乗り換えた理由は何だったんですか?

再度、環境の変化があったのと、ベンツってあまり長く持つクルマではない認識が自分の中であって、早めに乗り換えたほうが良いよなと思っていたんです。そこで、新たなクルマを探すんですけど、そうしたらもう1台、新たにセルシオが欲しいって思っちゃって(笑)。

今度こそ20の後期を買おうと思って、ネット検索で20を探していたんですけど、そうすると後期以外のモデルも検索結果に出てきてしまうんですよ。

白のセルシオは既に持っていたので、だったらもう1台は走行距離が少ない綺麗なセルシオを買って維持しようというのは決めていました。普段乗り用で白のセルシオを使って、たまにしか出さない極上車として、もう1台セルシオを持つという2台体制にしたかったんです。

――結局、後期モデルは見つけられたんですか?

それが、探している時に、走行距離が1番少ない『中期モデルのセルシオ』がヒットしたんです。中期って、1年足らずしか生産されてないモデルで希少なんですよ。
そして結局、元々探していた後期ではなく、中期につい手が伸びてしまったんですよね(笑)。

――希少さに惹かれたというわけですね!

元々前期モデルの顔が好きだったというのもあり、前期の顔でeRグレードがあるのは、中期しかないんですよ。
あと、内装が黒革になるのがeRならではというのも惹かれた理由ですね。グレードや外装や内装、走行距離も少ないという、魅力的な条件が揃っていたんですよ。なので「これはめちゃくちゃパーフェクトな個体だ」と思って購入しました。

――セルシオに初めて乗った時、運転した感じはどうでしたか?

1番印象が強かったのが静粛性ですね。走ってなくても、ドアを閉めた瞬間に密閉感があって、耳鳴りが目立って聞こえるくらい、静かな空間になるんですよ。走らせてもロードノイズや風切り音とかも気にならないし、それが本当に感動しました。

――じゃあ走りに関しても満足されたんですね!

セルシオを運転していると、刺激的な楽しさというよりも、のんびり走れるのが良いんですよね。すごくストレスフリーだと感じるし、むしろゆっくり走りたくなってしまうというか…。“降りたくなくなる”という表現が正しいのかな。目的地に早く着きたいというより、着くまでを楽しみたくなっちゃうから、ゆっくり走っちゃうんですよね(笑)。オーディオ環境も良くて、音楽を流してゆっくりドライブすると、とても気持ちが良くて、ずっと走っていたい気分になります。

――最高ですね!!!セルシオに乗り換えて変わった習慣はあったりしますか?

1番大きい変化は、車内でタバコを吸わなくなったことでしょうか。というのも、黄ばみや臭いがつくのが嫌で…。前期、中期、2台とも状態が良いクルマだったので、革の匂いが残ったそのままの状態をキープしたかったんですよね。

――すごい徹底ぶりですね!?

芳香剤のにおいすらも付けたくないんです(笑)。今でも、車内で食べ物も食べないですし、飴ですら落としちゃうかもしれないと思って食べることはないんですよ。今後も大切に乗っていきたいです。

――気に入っている内装のポイントはどこですか?

今のクルマと違ってどこを触っても柔らかい革が使われているところが多いんですよね。ステアリングや、肘置き、シート、インパネなどに革が使われていて質感が高いのも良いです。それと、ウッドパネルがセンターコンソールのシフト周りくらいにしか使われておらず、派手過ぎずシックなデザインが好きです。セルシオのコンセプトにも合っているなと思います。

――もう満点といった様子ですが、今後はどのようなカーライフをセルシオと過ごしたいですか?

引き続き、遠出や旅行に行く時はセルシオを使っていきたいです。あとは、純正の空気清浄機が欲しくて…。セルシオって、純正オプションでコーナーポールと電動リアカーテンと空気清浄機の3つのスイッチが、ステアリング周りにあるんですよ。そのスイッチを3つ揃えたいんですよね。残る1つは空気清浄機だけという状態なので、それを揃えるのが今の目標です!

――3つスイッチが揃っているセルシオっていうのは、かなり珍しいのでしょうか?

今まで見てきたセルシオで、スイッチが揃ってるのを本当に見たことがないですね。セルシオ好きな人が見た時に気付いてくれるポイントでもあると思っているので、ここは自分のこだわりとしても揃えたいです。

――もしセルシオに気持ちを伝えるとしたら、何を伝えたいですか?

一緒に墓に入って欲しいみたいなプロポーズに近いことを伝えると思います(笑)。普段、セルシオで出かけたりすることを楽しみに私生活を送っていて、僕の生きる意味と言っても過言ではないんですよ。このセルシオ2台体制のスタイルは、今後も崩さないと思います。正直、セルシオに出会う前はこんなに魅了されるとは思わなかったですね。

2台目セルシオを増車する時も、ワクワクが止まらなかったといいます。
その理由をお聞きしたところ「1台目はC仕様のエアサス、2台目はバネサスでそのほかにも細かな違いがあり、新たな魅力を早く感じたくてしょうがなかった」のだそう。

セルシオの隅々まで楽しむオーナーさんにとって、
『変化を求めず、深化をめざす』という当時のキャッチコピーと共に作られたセルシオの魅力は、誰よりも実感しているのではないでしょうか。

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(文:秦 悠陽)