20歳の時に愛車になった日産 シルビア(S13)。27年の歳月を経ても初恋の想いとともに
平成4年式のS13シルビアを、20歳の時に迎え入れたというゆういちさん。愛車として迎え入れてから、今年で27年の歳月が過ぎたとうれしそうに話してくれました。
その間、1度も“乗り替え”を考えたことはないそうで、自分が18歳の時に一目惚れしてしまったクルマに、今もまだ恋をしているということです。
今回は、ゆういちさん×S13シルビアのお話をお届けします。
―――18歳の時に一目惚れとのことですが、どういう出会いだったのですか?
親戚の家に遊びに行ったら、「S13シルビアを購入したんだ〜」と見せてくれたんです。その当時はクルマに興味がなかったので、「シルビア?ふ〜ん」くらいの感じだったんですけど、ボンネットを開けてエンジンを見せてくれた時に“赤ヘッド”がものすごくカッコ良くて一目惚れしてしまいました。
なんていうんだろう……“赤”じゃなくて“鮮烈な赤”なんですよ。それで、このクルマカッコいいじゃないかとよくよく眺めてみると、長いフロントノーズや2ドアで車高も低いところに魅力を感じて、気付けばすごい熱量でベタ褒めしていました(笑)。
―――親戚の方も、そこまで褒めてもらえたらうれしかったでしょうね
若干、「も、もういいよ〜」という感じだったかも(笑)。でも、僕にとってはそれくらい魅力的なクルマだったんです。
そこから、1年後に免許を取ってクルマを探し始めた時に、その親戚から「次の車検の前に手放すことにしたんだけど、あれだけ褒めてくれたから乗るかい?」と連絡があったんです。そりゃあもう、二つ返事ですよ!乗ります!乗ります!!みたいな(笑)。
とりあえずということで、クルマが手元に来る前にスペアキーと取扱説明書を送ってくれたんですけど、その取説を穴が開くほど読んでいましたね。納車して実際に自分で運転した時は、速いとか云々よりも、夢にまでみたクルマのハンドルを握っているんだと、何もかもが特別で最高でした。
―――初恋が叶ったわけですね♪
今年で27年目に突入しましたが、今もまだ恋をしています。自分でも呆れちゃうくらい、本当にずっと好きなんです。
1つ自慢なのは、譲ってくれた親戚が横浜ナンバーにして乗りたいということで、横浜に住む祖父の名義にしていたんです。そういった経緯があった中、私はもとから横浜市民なので、そのままナンバーを引き継げたのも、自分がこのクルマに乗れて良かったことなのかなと(笑)。
―――愛情深いです。ちなみに、走行距離はどれくらいのなのですか?
家に来た時は5万kmでしたが、ずっと変わらずに普段使いをしているので25万kmになりました。これくらいの年数を乗っていると、クラッチミートが上手くいって思い通りの走りができると、クルマと僕が一緒になったような感覚に陥る時があるんですよ。
ほんのふとした瞬間に、自分の視界が広がって、クルマが見ている風景を僕が見ているような不思議な感じになるんです。それが楽しいから、今日はどうかな?って毎日乗って、これからもどんどん走行距離は増えていきそうです(笑)。
―――これまで、大きなトラブルは無いのですか?
運の良いことに親戚がガソスタをやっていたからエアーリフトを貸してもらえたり、友人にクルマ好きが多かったから色々教えてもらえて、結果的にこまめにメンテナンスは出来ていると思います。
―――エアロやホイールが変わっていますが、これも自分で作業したのですか?
仲間に手伝ってもらいながら、付け換えました。購入してから暫くはフルノーマルで乗っていたんですけど、塗装がやれてきた頃に後からぶつけられて、リアバンパーだけ新品になって返ってきたことがあったんですよ。そしたら後ろだけピカピカになって、他部分のヤレが目立っちゃって……。
どうしたものかと調べてみると、純正エアロバンパーというものがあることを知ったんです。それで、近所の解体パーツ屋さんで小指傷程度の状態の良いエアロが2万円で売りにだされていたので取り付けてみたわけですよ。
すると、全体がグッと引き締まった雰囲気になりましてね。サイドスカートも欲しいな〜、リアアンダースポイラーっていうのもあるのか〜、と気付けばフルエアロになっていました。
そしたら今度は、なんだか車高が高い気がして車庫調を入れて、どうせならホイールももっとスポーティなものにと、クルマに興味はない時から存在は知っていたR32スカイラインと同じ形のホイールを履かせました。でね、そうなってくるとブレーキが小さく見えて……あはは……。どんどんカスタム沼にはハマってしまいました。
―――じゅ、順調に沼ってらっしゃる……(笑)。
おそらく、シルビアに乗る人たちが、必ず1回は通るであろう道を辿っているのではないかと。だけど、そうやってパーツを換えていった箇所を眺めると、この時はこうだったなとか、1つ1つに思い入れがあって、胸がじんと熱くなるんです。
こうやったら良いんじゃないか?と友人と夜な夜なクルマいじりをしたこと、お台場のフジテレビの近くにクルマを停めて朝を迎えたりとか。
人生の半分以上を共にしているので、いなくなるということが想像出来ないんですよ。壊れたら修理して、これからもナンバーを切らずに乗っていきたいです。
最近は、シルビアでキャンプに行くことが休みの日の楽しみなのだとか。しっかりとメンテナンスをして維持しながら、できる限り一緒に走っていきますと答えてくれました。
(文:矢田部明子)
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