23年前の失敗があったからこそ、ヴォクシーに乗り続けている。もう、ヴォクシー以外考えられない!

  • トヨタ・ヴォクシー(60系)と墨俣一夜城

ヴォクシーと聞くと、ファミリーカーを想像する人が多いと思いますが、2001年に販売が開始された初代ヴォクシーは、どちらかというと“若者がカッコよく乗る”というテイストが現在よりも強かった印象があります。

そんな初代ヴォクシーに始まり、数台のヴォクシーを乗り継いだ後、再び初代ヴォクシーでカーライフを満喫しているというさとうさん。なぜそんなにヴォクシーにハマったのでしょうか?

今回は、さとうさん×ヴォクシーのお話をお届けします。

――私はヴォクシーが出始めた頃に免許を取ったのですが、ノアがファミリー向け、ヴォクシーが若者向けみたいなコンセプトだった記憶があります

そうそう! 今よりも、ノアとヴォクシーのコンセプトがはっきりと分かれていたんですよね。家族連れにもピッタリなんだけど、フロントグリルが細くて、ちょっと尖ったデザインで、男が1人で乗っていても違和感のないようなクルマがヴォクシーでした。

トータス松本さんがCMに出ていたんですけど、これがまたかっこ良くて。そんな初代ヴォクシーが僕の初めての愛車で、現在の愛車でもあります。

  • トヨタ・ヴォクシー(60系)

――ということは、免許を取ってからずっと乗っているのですか?

いえ。一度手放して、そのあと70系ヴォクシー、80系ヴォクシー前期、80系ヴォクシー後期を経て、60系ヴォクシー前期型に戻ってきたという感じです。

――ヴォ、ヴォ、ヴォクシーだらけですね!

自分でも何でこんなに!? と思うくらい、ヴォクシー一筋です(笑)。

ただ、最初は全然興味がなくて、乗ることになったキッカケは、親父がヴォクシーに一目惚れしたからなんです。うちの親父ってひねくれているから(笑)、滅多に「良いね!」なんて言わないんですけど、珍しくヴォクシーは大絶賛していましてね。

それで、そんなに親父が良いっていうならと、愛車として迎え入れたというわけです。というか、最初のヴォクシーも、注文しに行ったのは親父なんです(笑)。まあ、そこで大失敗したんですけど。

  • トヨタ・ヴォクシー(60系)のフロント

――嫌な予感……

当時のヴォクシーにはV、Z、Xと3種類のグレードがあって、CMに使われていたのと同じクルマに乗りたかったからZを注文したんです。だけど、手動エアコンで、スライドドアの内張りに何も貼っていない社用車みたいなのがきちゃいまして。

調べたら、CMに使われていたのはZの“Gエディション”というやつで、2人して「えええぇえええ!思ってたのと違う!」状態。仕方ないから、故障するまで7年間乗りましたけど。

――それはそれは……

だけど、僕がもう1度60系ヴォクシーに乗ろうと思ったのは、この失敗があったからなんです。CMに出ていた“あのヴォクシー”に乗りたいという思いがずっとあって、それで3年前に中古で購入しました。

――状態はどんな感じだったのですか?

  • トヨタ・ヴォクシー(60系)のリヤ

僕のは初度登録年月が2002年1月で20年以上経っているんですけど、走行距離は4万3千kmで、前オーナーが雨の日に乗ってなかったのか腹下はピカピカ。グレードはもちろんZの“Gエディション”で、サンルーフなどのオプション有りとCMとほぼ同じ仕様でした。

すぐに名古屋から大阪までワクワクしながら見に行って、納車の時にはルンルンしながら自走で帰って来たのを覚えています。夢にまで見たヴォクシーだったから雨の日は乗らないなど猫可愛いがりした結果、新型に負けないくらい綺麗な状態になっていると思います。

保管をする際は、ボディカバーは傷がつくので装着していないし、ガレージ保管なのでそのままでも良いのに一応サンシェードを使ったり、水跡がついてしまう炎天下での洗車は絶対にNGなので、ガレージで洗車をしています。洗車の後は、ブロワーで隅々まで水滴を飛ばすんです。もちろん、ドア内やエンジンルームも!

――すごい徹底ぶりですね! 仕上がっているということは、自分で手を加えた箇所があるのですか?

出来るだけ純正部品を使って交換やメンテナンス、CM仕様で当時流行ったカスタムをしつつ、機能は最新のものを取り付けています。

ここまで再現出来たのは、沢山の仲間の助けがあったからです。あっ、ちなみに、この写真に写っているのはヴォクシーの作業を一緒にしてくれている、㈱ダイヤボディーの皆さんです。気付けば、テニスサークル仲間であり、呑み仲間でもあり、家族ぐるみの付き合いをしている大切な仲間になりました。

  • トヨタ・ヴォクシー(60系)と整備を任せるダイヤボディーのスタッフ

――どんなところを最新にしているのですか?

例えば、ナビを9インチにサイズアップしたり、プッシュボタン式エンジンスタートボタン、USBポートなど、今では当たり前なんですけど当時はなかった機能を装着しています。題して、“クルマはお爺さんだけど、まだまだ若者ヴォクシーには負けられない!最新型カスタム仕様”です(笑)。

あとは、後ろのバンパーとトランクの段差を無くす“バックドアスムージングガーニッシュ”というのを取り付けています。このバックドアスムージングガーニッシュなんですけど、どうしても純正を装着したくて、これが装着してあった中古のバックドアを購入して、取り外して付けたんです。

  • トヨタ・ヴォクシー(60系)に移植したプッシュスタートボタン
  • トヨタ・ヴォクシー(60系)に取り付けたバックドアスムージングガーニッシュ

――ええっ! ドア本体を購入したんですか!?

お陰様で、送料がとんでもないことになりました(笑)。僕ね、法律上は絶対に無理でしょうけど、死んだらヴォクシーに入って、マッチかなんかで火をつけて火葬してほしいんです。本当にそれくらいヴォクシーが好きなんですよ。クルマが好きなんじゃなくて、ヴォクシーが好きなんです。それくらいこのクルマは、僕の人生を楽しくしてくれたということです。

沢山のクルマ好きと話がしたいと思い、現在は名古屋を中心に活動している60LOVERというクラブの代表をしております。メンバー達と過ごす時間もまた、幸せな時間です。

  • トヨタ・ヴォクシー(60系)のクラブ「60LOVER」

ほかにも、この記事には書ききれないくらいのエピソード&こだわり箇所を話してくれましたが、それはまた次の機会に。サザンオールスターズファンなのに、ウルフルズの曲をかけながら、今日も海辺を走っていることでしょう(晴れの日に限る)。

(文:矢田部明子 写真:さとうさん提供)