上司に8万円で譲ってもらったアルトエコ。これが最高の1/1プラモデルだった!

  • スズキ・アルトエコと雪化粧の山

昼休憩をしていたら、上司が「今乗っているクルマ、新しいのに換えようかなー」と呟いたのだそうです。

上司のクルマは2013年式のアルトエコ(HA35S)で、通勤車が欲しいと思っていた「ライドさん」は、10万円で買い取りましょうか? と冗談っぽく返したそうです。すると次の日、「8万円でいいよ」と、肩をポンっと叩かれたとのこと。

今回は、ライドさん×アルトエコのお話をお届けします。

――アルトエコは、本当に欲しかったのですか?

ん〜、通勤車が欲しいとは思っていましたが、じゃあアルトエコが良かったか?と聞かれれば、そうではなかったかもしれません(笑)。

このクルマが発売された時、僕は中学生で、香里奈さんと西田敏行さんがCMをやっていたんです。何となく気になってパソコンで検索すると、燃料タンクが20ℓしかなくて「原チャリ並みじゃないか!誰が買うんだ!?」とか言っていた記憶があります……。実際の原チャリの燃料タンクは5Lくらいですけどね。

――えっ、でも、現在は愛車なわけですよね

  • スズキ・アルトエコと夜の立体駐車場

だから、こんなことになろうとはという感じです(笑)!人生って何が起こるか分かりませんね。

ただ、歴代アルトの中で、このアルトエコのデザインが1番好みだったことは事実です。先ほど“パソコンで気になって調べた”と話しましたが、面白いというか、な〜んか目がいってしまう存在で。そういった意味では、全く興味が無かったわけではないか。

――例えば、どんな箇所が好きだったのですか?

外装でいうと、全体のプロポーションやランプ類の配置が、ちっちゃいヨーロッパのAセグメントに似ていて、良い意味でアルトらしくなくてカッコ良いなと感じました。

僕が小学生の時に大好きだった、スプラッシュというスズキのクルマに近いデザインというんですかね。背が高くて、足を踏ん張っている感じがしてガッチリしているのに躍動感があって。

なんか“変”に感じるのに、遠目で見るとバランスが取れていて、日本車っぽくなくて魅力的というか。そういう個性的な魅力が、アルトエコにはあると思います。

――あとは、エコというからには燃費が良いでしょうから、通勤車としては最適ですしね♪

  • スズキ・アルトエコのエンジンルーム

それがですね……譲り受けた時は“走りはします”状態で、売りのエネチャージ機能は息をしていないし、CVTはへたっていてアクセルを踏んでも唸り声をあげてばかりで加速していかないし、燃費も微妙でした。

――じゃあ、何のために……

それ、友達にもよく言われます(笑)。だけど、この不具合があったからこそ、こんなにもアルトエコに愛着が持てているんです。

CVTフルードを2回交換、コイルやプラグなどをリフレッシュするなど、手をかけたらかけた分だけ元気になっていくと、なんだかうれしくなっちゃいましてね。じゃあ、外装も、内装もと、どんどんカスタムしていくようになって、現在に至ります。

――お写真を拝見しましたが、通称“下手くそ棒”が付いていませんでしたか!?

  • スズキ・アルトエコに付けたコーナーポール
  • スズキ・アルトエコに装着したマフラーカッター

お目が高い!譲って頂いた上司が70代の方だったので、その世代感を連想させるパーツを取り付けてみました。もちろんその方の運転が下手というわけではないですからね。

あとは、ヨーロッパ車っぽいデザインを生かすために、メッキのバンパーモールを前後に貼ったり、イグニスのホイールを流用して、ホイールを3インチ大きくしています。1番気に入っているのはマフラーとその音です。

ロッソモデロのマフラーカッターをヤフオクで落とし、Amazonで購入したマフラーホイッスルを2点同時装着したら、思いがけず実に不思議な音を奏でるようになりました。

スイスポに乗っていた友人に「タービンブローした時の音とそっくり」と言われてしまいましたが、それでも僕は気に入っています。

内装は、デジタルルームミラー型のドライブレコーダーや、テザリングで音楽が聴けるナビを取り付けるなど、最近のクルマと変わらない機能がわりと搭載してあると思います。でも、1番注目してほしいのは、牧場仕様にしていることです。

――牧場仕様ですか?

  • スズキ・アルトエコに置いた天然芝のフロアマットと牛柄のシートカバー

シートにシミがあったから、カバーをして隠すかと思ったときに、イエローハットの隅の方で、人工芝のフロアマットと牛柄シートカバーを発見したんです。

見た時に、もうこの組み合わせしかない!と確信して、ニヤニヤしながらレジに持っていったらレジの人が半笑いでお会計してくれました(笑)。友達からは、「完璧な牧場仕様じゃねえか!」とお墨付きもいただいています(笑)。

――なんか、楽しそうですね

  • スズキ・アルトエコのリヤ

楽しいですよ!タイヤもホイールもヤフオクで安いのが見つかったし、流用できるパーツが多いから、無理せずにカスタムを楽しむことが出来ますから。

カスタムに総額40万円強は使っていますが、メインで使っているクルマは、何をするにしてもアルトエコの4倍くらいお金がかかるから、ここまでいじれないんです。

加えて高速道路の料金も安いし、燃費も良くなったから、WRCの観戦で愛知と岐阜に行くなど、色々な場所に気兼ねなく行けるようになりました。買った時が72,800kmだったんですけど、1年経たないうちに9万kmを突破しています。

あとは、自分でやるから学ぶことも多いんです。例えば、車中泊をすることが多いから後席のシートを外したら、4ナンバーで車検がとれて税金が安くなったりとかね♪ 今まで知らなかったことを知ることができて、僕らしいカーライフを過ごせているなと感じます。

  • スズキ・アルトエコ

アルトエコには1日でも長生きをしてほしいと話してくれたライドさん。そのために、予防点検は欠かさないということです。

「クルマって楽しいですよ!車種やオーナー次第で、色んな楽しみ方が出来ますからね!」という楽しそうな声を聞いていると、私もすぐにヤフオクでパーツを探し始めたい気分になりました♪

さて、次の休日はどこへ?くれぐれも、安全運転で!

(文:矢田部明子 写真:ライドさん提供)