日常も雪山も駆け抜ける。週イチでスキーに通うオーナーを支える“親友”のようなGR86

  • トヨタGR86と雪壁

群馬県で暮らす“ましこさん”。愛車は白いトヨタ・GR86です。低いシルエットのスポーツカーに、ルーフのスキーキャリア。日常の足として走り、週末には雪山へ向かう。その使い方に、ましこさんのGR86との距離感がよく表れていました。

子どものころからクルマが好きで、初めて自分で購入した一台がGR86。見た目に惹かれて選んだクルマは、乗る時間が増えるにつれて「もっとこうしたい」という思いがはっきりし、見た目と実用性の両面から少しずつ今のかたちになっていったそうです。

雪道へ向かう準備や、走りの楽しさ、そしてSNSを通じて広がったつながりまで。GR86とともに重ねてきた日々について伺いました。

――現在の愛車「GR86」は、どんなシーンで使われていますか?

  • トヨタGR86正面

現在はリモートワークになったので、通勤で使う機会は減りましたが、基本的には日常の足として使っています。買い物に行くときや、気分転換に少し走りに行くときも、このクルマです。

一番活躍しているのは、やっぱりスキーに行くときですね。群馬の南部に住んでいて、北部のスキー場までは片道60〜100kmくらい、だいたい2時間〜2時間半です。新潟まで足を伸ばすときは片道110〜120kmで、3時間くらいかけて走ります。最近は走行会にも行くようになっていて、基本は週イチ以上でスキーに行っています。

――週イチ以上! 相当な頻度ですね。

はい。もう、そのために夏は仕事してるようなものです(笑)。冬に思いきり走って遊ぶために、夏はちゃんと頑張る。私の一年のリズムは、だいぶスキー中心かもしれません。スキーは小学校に上がる前から、親子でよく行っていました。きっかけというより、もう小さいころからずっとやっている感じです。

――GR86には、いつごろから乗られているのでしょう?

  • 雪中のトヨタGR86

納車は2022年7月末ごろだったと思います。3年と少し乗っていますね。乗り始めのころは、まずはノーマルで楽しもうと思っていました。でも乗る時間が増えるほど生活に馴染んできて「もっとこうしたい」という思いが具体的になっていきました。

その前は親のお下がりで、初期型のホンダ・フィットに乗っていた時期があります。大学生から大学院、就職して1年くらいまでなので、7年ほどです。手放した理由は、年数が経って税金が上がるタイミングが近づいていたことと、スキーの帰りにエンジンが止まってしまったことがあって、さすがに「そろそろ乗り換えよう」と思いました。

――ましこさんがクルマを好きになったきっかけは何だったのでしょう?

クルマ自体は子どものころから好きでした。トミカを集めていて、最初はショベルカーやブルドーザーみたいな働くクルマ系も好きでしたし、大型トラック、緊急車両、スポーツカーも含めて、形に関係なく惹かれていましたね。

そこから小学校高学年のころに、父が『頭文字D』のアニメを見せてくれて、スポーツカーへの憧れが一気に強くなりました。今の好みの根っこは、そのころにできた気がします。

――数ある候補の中で、GR86を選んだ決め手を教えてください。

スポーツカーを買おうと思ったとき、候補は「マニュアル」で「スポーツカーらしいクルマ」の中から選ぼうとなりました。候補にはシビック(ホンダ)もありましたが、GR86を選んだ最終的な決め手になったのはYouTubeで見たトラストさんのデモカーでした。GR関連の動画でカスタムパーツメーカーを紹介していて、そこで見たGR86に一目惚れしたんです。「このクルマがいい」って、もう感覚的に決まりましたね。

色は白にしました。前のフィットも白だったので馴染みがあったことと、白なら後からラッピングという選択肢も持てる。あと、エアロは黒が多いので、白×黒のコントラストで締まって見えるのも狙いでしたね。

――現在のカスタムは、どんな方向性でまとめているのでしょう?

  • トヨタGR86リア

外装はトラストさんのエアロを中心に、フロント、サイド、リア、リアウイングまで一式入れています。ここは、見た目として「好き」が強い部分で、最初のスタートでした。車を買ってから大体1年後くらいに、フルで付けたかたちです。

そこから先は、どちらかというと実用性が大きいですね。雪道へ行くのでスタッドレスはもちろん必要ですし、スキーキャリアや、雪でスタックしたときに備えた装備など、使い方に合わせて足していった結果が今のかたちです。

具体的には、フォグランプは社外品を装着。夏のホイールは社外のモデルで、冬はブリヂストンのPOTENZA RW007(16インチ)を履いています。運転席はセミバケットシートに替えていて、牽引フック、泥よけ(レーシングフラップ)も付いています。

スキーキャリアはアメリカのメーカーのものです。マフラーもトラストのモデル(パワーエクストリーム3)に替えました。見た目のためと、使うためが混ざり合っているのが、自分のGR86らしさだと思います。

――運転の面で、GR86の好きなところを教えてください。

  • キャリア装着のトヨタGR86

以前乗っていたフィットのほうが普段使いは便利でした。荷物も載りますし、取り回しも良かった。ただ、GR86に乗り換えていちばん変わったのは、運転そのものが楽しいことです。マニュアルなので、自分で加速を作っていく感覚がありますし、山道でステアリングを切ったときの「操作している感じ」がはっきりあるんですよね。

「自分がこうしたい」ということに、クルマがきちんと応えてくれる。そのやりとりが気持ちよくて、乗るたびに実感しています。

――スキーシーズンじゃない時期、休日はどのように過ごされていますか?

  • トヨタGR86@道の駅うえの

以前は、夏は道の駅にドライブして、冬はスキー、みたいな過ごし方が多かったです。最近は少し頻度は減ったんですけど、GRガレージ高崎さんに遊びに行ったりもしますね。あとはほんとうに日常の足なので、ちょっとごはんを食べに行くとか、そういう普段の用事でも普通に乗ります。

それと、元々レースゲームもよくやっていたので、休日にゲームをすることもあります。クルマが好きな気持ちが、いろんなかたちで続いている感じかもしれません。

――道の駅へ走るために行くというのも、ましこさんらしい楽しみ方ですね。

最初のころは、ノーマルを楽しむのと、マニュアル車の練習も兼ねて、道の駅までドライブしていました。行って、自販機で飲み物を買って、少し休んだら帰るという流れで、目的は道の駅の中身というより走ることそのものですね。

よく行っていたのは、群馬県の神流町にある「道の駅 万葉の里」です。山道っぽい区間もあって、川沿いで景色が良いところもある。もう4〜5回以上はドライブに行っています。

――SNSでの発信を始めたのは、いつごろからですか?

  • スキー場駐車場のトヨタGR86

2023年ごろからですね。買ってすぐというより、しばらく経ってからだったと思います。

元々は、コミュニケーションを積極的に取りたくて始めたというより、自分の記録に近い目的でした。どこのスキー場に行ったとか、どこを走ったとか、そういうログを残したくて。

発信を続ける中で気が付いたら、いろんな方とコミュニケーションを取るようになっていました。クルマ好きの方や、メーカーさんとお話することもありますし、日常の話をすることもあります。

それと、GR86/BRZって、同じクルマでも楽しみ方が本当に十人十色なんですよね。車高を下げてスタンス系に振る人もいれば、サーキットでタイムを狙う人もいる。私みたいにスキーに行ったり、ドライブしたり、釣りに行ったり、という使い方の人もいる。

オフ会に行っても、知らない方に話しかけるタイプで「この人はどんな使い方で、どんな方向性でカスタムしてるんだろう?」と聞くのが楽しいです。

最近はいろんな方からDMをいただくんですけど「86/BRZで雪道ってどうなんだろう」「装備は何を持っていけばいい?」みたいな質問が結構くるんですよね。表には出しにくいけれど、気になっている方は意外と多いんだなと感じています。

――最近はドライビングレッスンにも参加されたとか?

  • 走行会のトヨタGR86

はい。昨年11月の頭に、GRガレージ高崎さん主催のドライビングレッスンに参加しました。パイロンでスラロームしたり、アクセル全開で加速してから限界まで踏むフルブレーキングを体験したり。日常ではなかなかできないですよね。

そこで衝撃だったのが「こんなに加速して、こんなに止まれるんだ」ってことと、コーナーでの安定感です。パイロンを回っているときの姿勢がとても落ち着いていて、GR86の性能の高さ、限界の高さをあらためて感じて驚きました。

怖さはあまり感じなかったです。どちらかというとレースゲームに近い感覚もありました。ただリアルは、ハンドルからの情報やシート越しに伝わるタイヤの摩擦感とか、車体が今どんな状態かが身体で分かる。そこは実際に走ってみて、とても印象が変わりましたね。

最近ようやく走行会にも行くようになったので、これからはもっといろいろ行ってみたいです。富士スピードウェイには、今度はタイムアタックしに行きたいですし、関東圏のサーキットも全般的に行ってみたいですね。千葉の袖ヶ浦フォレストレースウェイにも興味があります。

――ましこさんの、雪道へ行くために最低限これだけは…という準備はありますか?

  • 雪道のトヨタGR86

スキー場は、行きは雪がなくても帰りに急に降って20cm積もる、が普通にあります。駐車場も一気に積もります。最低限としては、四輪スタッドレスとスコップ。そこに安心を足すなら、タイヤチェーンがあると心強いですね。毎週のように行く人ほど、備えがあると気持ちの余裕が変わると思います。

――これまで雪道で怖かった経験はありますか?

氷張りで、チェーンを巻いても厳しい、みたいな状況が1回…いや2回だけありました。でもそれ以外は、GR86の電子制御がとても優秀だと感じています。

「ちょっと滑ったな」と思って修正しようとする時点で、もう電子制御が介入している感覚があるんですよね。なので不安を感じにくいです。

――印象に残っているドライブの思い出はありますか?

  • トヨタGR86@新湊大橋

スキー場は毎回のように行くので「これ!」という一回より積み重ねなんですけど、最近だと2025年6月に富山へ旅行したときが印象に残っています。海沿いで写真を撮ったり、景色の良い道を走ったりして「こういう場所にこのクルマで来るとやっぱりいいな」と感じました。

旅先で、クルマ好きが集まるようなスポットにも偶然立ち寄って、富山の方と話して一緒に写真を撮らせてもらったんです。こういうふうに自然に会話が生まれるのも、クルマがあるからだなと思いました。

――ましこさんにとって、GR86はどんな存在ですか?

一言で言うなら「親友」がいちばんしっくりきます。相棒でもあるんですけど、感覚としては親友に近い。どこに行くにも一緒ですし、運転している間も会話している感じがあります。加速するとき、曲がるとき、その一つひとつでやりとりをしている感覚ですね。

SNSではいろいろな意見や論争もありますけど、クルマの楽しみ方はもっと自由でいいと思っています。自分の生活に合ったかたちにして、自分が楽しいのがいちばん。私のGR86を見て、「こういう使い方もあるんだ」「こういう楽しみもあるんだ」って思ってもらえたらうれしいです。

【X】
ましこさん

(文:新里陽子 編集:平木昌宏 写真:ましこさん提供)