仕上がりに差が出る免許証写真のテクニック

身分証として提示することも多い運転免許証。写真を「せっかくだからキレイに撮られたい!」と思っても、実際は残念な仕上がりになりがち。でも、免許証写真の特長を抑えて万全の体制で臨めば、写真映りが格段にアップします!

プロのアドバイスを参考に、運転免許証写真を攻略

教えてくれたのは、ヘアメイク村松美香さん(左)と、カメラマン宮田政也さん(右)。

運転免許証は、一度撮影するとブルーなら3年、ゴールドなら5年は持ち続けることになります。だから、満足のいくキレイな写真にしたいところ。
運転免許試験場や警察署での撮影は、背景が青色または水色という影響もあって、写真全体が青っぽく仕上がり、顔色も悪く見えがち。そんな状況下でも写真映りを良く見せるためには、プロにコツを教えてもらうのが一番です。
そこで、広告や雑誌などの人物撮影の現場で活躍するフォトグラファーとヘアメイクアーティストに、服装やメイク法、顔の角度など、美人度アップの技をいろいろと教えてもらいました。

教えてくれたのは、ヘアメイク村松美香さん(左)と、カメラマン宮田政也さん(右)。

テクニックの第一歩は、写真映りのいい服選びから

よくない服装の一例。
上の写真はよくない服装の一例。写真下のように襟元が広く開いた白系の服を選べば、肌色の明度がアップ。首を出すことでほっそり見えます。

ブルー系の服は、背景と同化して写真がぼんやりとした印象に。ボーダー柄やダボッとしたシルエットの服、ニットなど素材が厚手のものも、太って写る要因になります。
「痩せて見えるから」と黒などのダークトーンを選ぶ人も多いですが、背景が青色や水色の運転免許証写真の場合は、顔色がさらに沈んで見えるという逆効果も。また、緑や赤などのはっきりとした濃い色も顔に色が映り込んでしまうので、避けるのがベター。
運転免許証写真のためのベストカラーは、顔色が明るく見える白またはベージュです。体のラインが出る薄手の生地のものをセレクトしてスッキリと見せましょう。
さらにデザインも重要なポイント。タートルネックのように襟元が詰まっているものより、Vネックやラウンドネックなど襟元が広く開いている服の方が、首が長く見えて細身な印象になります。

よくない服装の一例。
上の写真はよくない服装の一例。写真下のように襟元が広く開いた白系の服を選べば、肌色の明度がアップ。首を出すことでほっそり見えます。

アラを消し去る、美人度アップのヘアメイク術

顔周りの髪をハーフアップにするだけで、印象のよさは一目瞭然。
目の周り全体にしっかりめにハイライトを。影を消して、血色良くみえることを意識して。

フロントやサイドの髪で顔を隠せば、小顔に見えると思いがちですが、それは間違い。胸から上の部分だけを撮影する運転免許証写真の場合は、逆に頭が大きく見えてしまいます。
前髪はそのままに、サイドの髪を後ろで結ぶだけでも、すっきりと爽やかに見えるので、顔周りの髪は、できる限りコンパクトにまとめるのがおすすめです。
また、まつ毛エクステやつけまつ毛を使うと、ものによっては、まつ毛がひさしのようになって目の周辺に影ができてしまいます。目尻を強調したメイクも影になりやすいので、気をつけましょう。
アイメイクをする際には、目が縦に大きく見えるよう、まつ毛はビューラーを使って根元からしっかりと立ち上げます。さらに目のまわり全体にハイライトを入れて、クマをはじめ、様々な影を払拭。
血色良く見せるために、チークはいつも以上に濃い目に入れます。リップもチークと同様に。色はピンク系を選ぶのがおすすめです。
運転免許証写真には、パール系の質感よりも、色みがしっかりと出るコスメを使って、メリハリのある顔に仕上げましょう。

顔周りの髪をハーフアップにするだけで、印象のよさは一目瞭然。
目の周り全体にしっかりめにハイライトを。影を消して、血色良くみえることを意識して。

猫背は厳禁! 姿勢を正して、口角は斜め上へ

写真左は悪い例、右は良い例。アゴを引きすぎず、肩は落とし気味にするのがポイント。そうすることで全体的にしまって見えます。

姿勢や顔の角度も運転免許証写真の出来映えを大きく左右します。特に猫背などの前屈みの姿勢は、前髪の影が顔に落ちる上に、写真も暗い印象になってしまうのでNG。
少しアゴを引いて上目遣いにすると、目を大きく見せる効果がありますが、度が過ぎると不自然な表情になり、クマも目立ってしまいます。首に影も出て短く見えるので、アゴはひきすぎないように注意を。
イスに座ったら、まずは姿勢を正しましょう。表情は、左右の口角に力を入れ、上に引き上げるように意識すると、自然な笑顔が生まれます。

写真左は悪い例、右は良い例。アゴを引きすぎず、肩は落とし気味にするのがポイント。そうすることで全体的にしまって見えます。

お手軽レフ板で、影を飛ばして肌色をトーンアップ

みぞおちの辺りまでスケッチブックを持ち上げて上からの光を反射。首元の影もかなり薄くなります。

レフ板とは、写真撮影などの際に使う、光を反射させる道具のこと。上側からの光を跳ね返すようにして使用すれば、目の下のクマをはじめ、顔から首にかけての様々な影をキレイに飛ばしてくれます。
レフ板は身近なもので代用が可能です。白いハンカチを広げて、ヒザの上に置くだけでも多少のレフ板効果は得られますが、できる限り顔に近づけた方が、影がキレイに消えるので、平たくて厚みのあるものを使いましょう。
一番のおすすめは、スケッチブックです。画用紙、クロッキー用紙など紙の種類は何でもOK。A4サイズだと顔全体に光を反射できないので、レフ板として使う場合は、B4サイズ以上のものを。
使い方は、スケッチブックの両端に手を添え、写真のフレームに入らないギリギリの高さまで、水平に持ち上げるだけ。上からの光をスケッチブックの白い紙が反射して、下からもスポットライトを当てているかのような効果が得られ、顔色も明るくなります。

みぞおちの辺りまでスケッチブックを持ち上げて上からの光を反射。首元の影もかなり薄くなります。

プロ直伝のテクニックで運転免許証写真が激変!

  • Before 首元の影やクマが目立ち、全体的に野暮ったい印象。前髪が顔に影を作ってしまい暗く見えます。
  • After 服装、ヘアメイク、姿勢や表情に気を配り、撮影にはレフ板を使用。爽やかな雰囲気で好感度の高い仕上がり。

プロに聞いた免許証写真のテクニックを今回体験した井上和美さんは、「姿勢や顔の角度にちょっと気を配るだけでも、こんなに変わるなんて驚きました」と、アドバイスを参考にした写真の出来映えに感嘆の声。
背景がブルー系のため、顔色が悪く見える運転免許証写真では、チークやリップはいつもより色を濃い目に入れてもOK。ただし、あくまでも爽やかに品よく仕上げるために、リップもチークも発色のいいピンク系をセレクトしましょう。
服、髪、首元の影など黒い分量が多い写真は、重たく見えて爽やかさにも欠けてしまいます。ヘアメイクも服装も正統派アナウンサーのようなイメージを目指し、姿勢を正して撮影に臨めば大きな失敗はありません。
さらにレフ板を使って光を操れば、様々な影が飛んで、明るく生き生きとした写真に仕上がりになります。

免許更新の際は、この記事のテクニックを是非実践してみてくださいね。

【運転免許証写真Q&A】

運転免許証の写真について運転免許センターに聞きました!

Q1.運転免許証写真の持ち込みはできますか?
A1.前日までに電話で予約をすれば、混雑することの多い土曜日などを除き、運転免許試験場での更新に限り対応可能です。即日交付はできないため、郵送もしくは、後日直接受け取りに行くことになります。

Q2.持ち込み写真に注意点はありますか?
A2.6ケ月以内に撮影した無帽、無背景のもので、タテ3cm、横2.4cmのサイズの写真であればOKです。ただし、本人確認ができない写真の場合は、受け付けられません。

Q3.運転免許証の写真は笑顔で撮影してもいいですか?
A3.本人確認ができる範囲内なら問題ありませんが、笑顔で撮影する人はあまりいないのが実際のところ。笑顔があまりにも極端だと注意、指導されることもあります。

Q4.カラーコンタクトやウィッグ、アイラッシュをつけたままでもOK?
A4.写真撮影の前に、カラーコンタクトやウィッグなどを取ってもらうという対応はしていませんので、本人確認ができる範囲内なら、とくに問題はありません。

Q5.写真の撮り直しをお願いすることはできますか?
A5.空いている時であれば、対応可能です。事前に写真を確認したい旨を申し出て下さい。撮った写真をその場で見て確認し、気に入らなければ、撮り直しに応じます。

Q6.レフ板を持ち込んでもいいでしょうか?
A6.邪魔にならない範囲内であれば、レフ板を持ち込んでも構いません。ただし、撮影した写真に不具合が生じるような時には、使用を制限することもあります。

※各施設により、条件が異なる場合がございます。事前に手続きをされる施設へご確認ください。

[ガズー編集部]

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