B-Maxレーシングと姉妹チーム? スーパー耐久岡山に参戦する「Team Handwork Challenge」の目指すところ
10月26日から27日にかけて岡山国際サーキットで行われるスーパー耐久第6戦で、FIA GT3車両がエントリーする最高峰クラスST-Xに新規チームが参戦する。NISSAN GT-R NISMO GT3で参戦する「Team Handwork Challenge」だ。
このチームのドライバーラインナップは、ジェントルマンドライバー枠となるAドライバーにDRAGON選手、Bドライバーに佐々木大樹選手、Cドライバーに荒川麟選手と豪華なドライバーが並んでいる。
AドライバーのDRAGON選手は、スーパーフォーミュラや育成フォーミュラに広く参戦するB-Max Racing Teamの組田龍司代表のドライバーネームだ。2009年に自身が社長を務める屏風浦工業(現 B-Max株式会社)にレース部門を立ち上げ、自身もスーパーFJを皮切りにJAF F4や全日本F3選手権などに参戦、2017年には全日本F3のNクラスでチャンピオンを獲得、マカオGPにも参戦している。
そんなジェントルマンドライバーとしてトップレベルのスキルを持つDRAGON選手が今回新たにチームを立ち上げスーパー耐久に参戦することとなり、その参戦の経緯などを現地で伺った。
このチームはDRAGON選手つまり組田氏が代表を務めるが、実はB-Max Racing Teamとは別の活動になるという。
B-Max Racing Teamはフォーミュラを中心にトップカテゴリーや若手ドライバーの育成をするためのジュニアフォーミュラに参戦しているが、これまでも並行してジェントルマンドライバーに走る環境を提供するカスタマーレーシングの活動も行ってきている。
そうした中、近年世界的にGT3車両やGT4車両などのレースが盛り上がってきており、レースに参戦したいというジェントルマンドライバーが増えてきているという。B-Max Racing Teamにもカスタマーレーシングを期待する声が多くなってきたことが今回のスーパー耐久参戦のきっかけとなったようだ。
「来年からの活動として、B-Max Racing Teamとは切り離した形で、ユーザーサポートを中心に行う新たなチームを違う屋号で立ち上げたいと思っています。トップカテゴリーやジュニアフォーミュラへの参戦とジェントルマンドライバーが求めるニーズは、体制やクオリティ、コストなど違いますし、過密なレーススケジュールの合間で同じチームで対応するのは難しい状況です。そのため、ジェントルマンドライバーのニーズに合わせた活動をできるチームが必要だと思っています」
今回のスーパー耐久への参戦は、そうした来年の活動に向けた準備として、GT3マシンを走らせる体制づくりのためだという。ただ、急遽の参戦となっているため、この岡山戦ではすでにピットがいっぱい、岡山国際サーキットとSTMOの配慮で臨時のテントではあるものの無事に参戦することができたという。
富士スピードウェイで行われる最終戦はエントリー枠がいっぱいのため現状では参戦できないということだ。
現役のフォーミュラレーサーでもあるDRAGON選手は、GT-Rでの初走行を終え「GT3は世界中で主流になっているツーリングカーということもあり、空力も効いていますし、イメージしていたよりもしっかり走るし乗っていて楽しいクルマですね。素晴らしいと思います」とその乗り味を語っている。
そのような状況もあり、今回のレースの目標はしっかりと完走して来年の活動につながるノウハウをきちんと持ち帰ることだという。ただ、佐々木選手と荒川選手というプロドライバーに、B-Max Racing Teamのメカニックという体制は、スーパー耐久でもかなり豪華な体制であり、思わぬ速さをみせてくれるかもしれない。
スーパー耐久を頂点とする参加型レース。そのレースを支えるジェントルマンドライバーたちが盛り上がることで、よりモータースポーツが盛り上がり、文化として定着していくのは、ヨーロッパのレースシーンを見れば明らかだ。
そうした日本でのモータースポーツ文化の定着に向けて、頼もしいチームが誕生することになりそうだ。
来シーズンの活動は現在準備や契約を進めているというが、GTワールドチャレンジ・アジアやスーパー耐久などさまざまな可能性があるというが、ぜひともスーパー耐久に参戦していただきたい。
(文、写真:GAZOO編集部 山崎)
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