【トヨタ WRC】第2戦初日、 エバンスが2本のベストタイムで首位に立つ ロバンペラは総合3位、オジエは総合4位につける
- 33号車(エルフィン・エバンス、スコット・マーティン)
2月14日(金)、2020年FIA世界ラリー選手権(WRC)第2戦ラリー・スウェーデンの競技初日となるデイ1が、スウェーデンとノルウェーを舞台に行なわれ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(ヤリスWRC 33号車)が首位に、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(69号車) が総合3位に、セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組(17号車)が総合4位につけました。
ラリー・スウェーデンのデイ1は、トルシュビーのサービスパークを基点に、4本計63.68kmのSSが行なわれました。雪不足により、ラリーウイークを前に多くのステージがキャンセルとなり、走行距離は当初の予定よりも大幅に短くなりましたが、金曜日は気温がマイナスに下がったことにより路面コンディションが好転。グラベル(未舗装路)は凍って硬化し、アイス路面も含めスタッドタイヤがしっかりと食い込む、良好な路面コンディションでの戦いになりました。
隣国ノルウェーが舞台となった1本目のSS2「ホーフ・フィンスコーグ」で、エバンスはベストタイムを記録して首位に立ち、3本目のSS4「ニッケルヴァトネット」でもベストタイムをマーク。他の2本のSSではセカンドベストタイムを刻むなど、エバンスは1日を通して速いペースを維持し、総合2位と8.5秒差の首位でデイ1を締めくくりました。WRカーによるWRC出場は今回が2戦目となるロバンペラは、最初の2本のSSで3番手タイムを、3本目のSSではセカンドベストタイムを記録するなど、エバンスに迫るスピードを発揮して総合2位につけました。最後の4本目のステージではエンジンストールによりタイムを失い、総合3位に後退しましたが、総合2位のライバルとは5.8秒差と、十分に挽回可能なタイム差です。オジエは1日を通して安定した走りを続け、ロバンペラと3.5秒差の総合4位でデイ1を走破。3人のドライバー全員が表彰台フィニッシュ可能な、好位置につけています。
<<ラリー・スウェーデン デイ1の結果>>
1 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン(トヨタ ヤリス WRC) 30m43.7s
2 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +8.5s
3 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ ヤリス WRC) +14.3s
4 セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア (トヨタ ヤリス WRC) +17.8s
5 エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム (フォード フィエスタ WRC) +20.9s
6 ティエリー・ヌービル/ニコラス・ジルソー (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +23.6s
7 クレイグ・ブリーン/ポール・ネーグル (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +24.2s
8 テーム・スニネン/ヤルモ・レーティネン (フォード フィエスタ WRC) +31.4s
9 勝田 貴元/ダニエル・バリット (トヨタ ヤリスWRC) +49.6s
10 エミール・リンドホルム/ミカエル・コルホネン (シュコダ ファビア R5 Evo) +1m45.7s
(現地時間2月15日3時00分時点のリザルトです。最新リザルトはwww.wrc.comをご確認下さい。)
チームコメント
<<トミ・マキネン (チーム代表)>>
最高のスタートになりました。エルフィンのパフォーマンスは本当に素晴らしく、飛ぶような速さでしたし、彼はクルマを快適に感じているようです。カッレのパフォーマンスもまた素晴らしかったですが、クルマについてまだ多くのことを学んでいる段階なので、このラリー期間中にさらに速くなるでしょう。セブもいい位置につけているので、チームにとって良い1日でした。この後コンディションがどう変化するのか分からないので、展望を述べるのは簡単ではありませんが、ここまでのところ上手く行っています。ステージはウインターコンディションが良く保たれており、明日も今日と同じような展開になることを期待しています。
<<セバスチャン・オジエ (ヤリスWRC 17号車)>>
ステージは通常のウインターコンディションに近く、悪くなかったと思います。いくつかのセクションではグリップが十分にあり、走りを楽しむことができました。自分としては決して悪くない1日だったと思いますが、チームメイトが活躍したことにより、もっと速く走れることが証明されました。2番目という出走順が簡単ではなかったことは確かですが、我々のスピードがやや不足していたのは、それだけが原因ではありません。もう少しだけリスクを負って、思いきり走るべきだったと思います。物事を長期的に考えることは重要ですが、このラリーで可能な限り多くのポイントを獲得したいと考えています。明日に向けてクルマのセットアップを少し変更し、ペースの改善に努めます。
<<エルフィン・エバンス (ヤリスWRC 33号車)>>
とても良い1日でした。クルマのフィーリングは朝のステージから良く、路面のグリップも非常に高かったのですが、タイヤの摩耗が進んでしまいそうな気がして、どれくらいハードに攻めて良いのかを正確に見極めることは簡単ではありませんでした。今日は、速く走ろうとしながらも、比較的スムーズなドライビングを心がけたのが良かったようです。明日は、今日以上の走りをしたいと思いますが、コンディションがどうなるのかは誰も分からないので、いかなる状況に遭遇しても対応できるようにする必要があります。今日は全てが上手くいったので、クルマを大きく変える必要はないと思いますが、それでも走行データをチェックして、さらなるタイムアップを目指します。
<<カッレ・ロバンペラ (ヤリスWRC 69号車)>>
路面コンディションは皆が予想していたよりも良好で、いい1日になりました。路面には十分なアイスと雪があり、タイヤも高いグリップ状態が長く続きました。朝のステージはとても上手く走れましたし、スピードもあったと思います。いくつかミスをしましたが、今は常にクルマを学んでいる段階です。最後のステージに関してはエンジンをストールさせてしまい、タイムを大きく失ったので残念でしたが、明日は失ったタイムを取り戻したいと思います。もし、今晩雪が降ったとしたら、路面コンディションは大きく変わるので、どうなるのか様子を見るつもりです。
次回のイベント情報
競技2日目となる2月15日(土)のデイ2は、デイ1と完全に同じステージ構成となり、サービスパークを基点にノルウェーとスウェーデンの両国で4本のSSが行なわれます。ただし、各ステージとも2回目の走行となるため、デイ1とは路面コンディションが変わる可能性があります。1本目のSS5「ホーフ・フィンスコーグ」と2本目のSS6「フィンスコーゲン」はノルウェーが舞台となり、スウェーデンに移動して行われる3本目のSS7「ニッケルヴァトネット」は前半、路面の多くがアイスに覆われています。そして、4本目のSS16「トルシュビー・スプリント1」は、サービスパークのすぐ近くで行われる全長2.80kmのショートステージです。4本のSSの合計距離は63.68km、リエゾン(移動区間)も含めた1日の総走行距離は264.49kmとなります。
[ガズー編集部]
WRC 2020 第2戦 ラリー・スウェーデン レース記事
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