【トヨタ WRC】第4戦初日、ラリー・エストニアが開幕 オジエがSS1でライバルとベストタイムを分け合う

17号車(セバスチャン・オジエ、ジュリアン・イングラシア)
17号車(セバスチャン・オジエ、ジュリアン・イングラシア)

9月4日(金)、2020年FIA世界ラリー選手権(WRC)第4戦ラリー・エストニアが開幕。エストニアのタルトゥでSS1が行なわれ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのセバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組(ヤリスWRC 17号車)が、ライバルとSSベストタイムを分け合い総合2位に、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)が総合5位に、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(69号車) が総合8位につけ、ヤリスWRCは全車が順調にデイ1を走り切りました。

新型コロナウイルス COVID-19の世界的な蔓延により、2020年のWRCは3月の第3戦ラリー・メキシコを最後にしばらく中断していました。しかし、新たにWRCに加わったラリー・エストニアでついにシーズンが再開。4日の金曜日は午前9時過ぎよりタルトゥの南側でシェイクダウンが行なわれ、全長6.23kmのグラベル(未舗装路)ステージでオジエが2番手タイムを、ロバンペラが4番手タイムを、エバンスが6番手タイムを記録しました。その後、セレモニアルスタートに続き、夜7時過ぎからタルトゥ・ラーディ旧空軍基地のサービスパークに隣接する、全長1.28kmのステージでSS1がスタート。ヤリスWRCは、総合7位につけたTOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムの勝田貴元のクルマを含む、全4台がトップ8に入りました。

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<<ラリー・エストニア デイ1の結果>>

1 エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム (フォード フィエスタ WRC) 1m17.0s
2 セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア (トヨタ ヤリス WRC) +0.0s
3 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +0.1s
4 クレイグ・ブリーン/ポール・ネーグル (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +0.4s
5 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン(トヨタ ヤリス WRC) +0.6s
6 マッズ・オストベルグ/トルシュテン・エリクソン(シトロエン C3 R5)+1.2s
7 勝田 貴元/ダニエル・バリット (トヨタ ヤリスWRC) +1.4s
8 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ ヤリス WRC) +1.4s
9 ポントゥス・ティディマンド/パトリック・バース (シュコダ・ファビア Rally2 evo) +1.4s
10 ヤリ・フッツネン/ミッコ・ルッカ (ヒュンダイ i20 R5) +1.5s

(現地時間9月4日21時00分時点のリザルトです。最新リザルトはwww.wrc.comをご確認下さい。)

チームコメント

<<トム・フォウラー(テクニカル ディレクター)>>
前戦からの休みの間に、チームはクルマのパフォーマンスを詳細に調査し、性能を全体的に強化するために開発を行いました。今回のエストニアでは、エンジンのパフォーマンスとシャシーコントロールシステムを改善するために、新しいソフトウェアを採用しました。また、軽量化と、エストニアの道に特化したセットアップの微調整も行なうなど、数多くの小さな改善を施しました。チームは自分たちが行ってきた仕事に自信を持っていますので、その結果が出ることを楽しみにしています。ハイスピードでジャンプがあるエストニアの道は、私たちがよく知っているフィンランドの道に似ています。1番の課題は路面で、クルマが走るたびにコンディションが変化するため、特に道幅の狭いテクニカルな道では、注意深く監視し、それに合うセッティングを予測しなければなりません。今朝のシェイクダウンを利用して、時間をあけて走行することで路面の変化に対する、そのようなセッティングをチェックすることができました。これは、イベント前のテストで行ったことを確認するための作業でした。

17号車(セバスチャン・オジエ、ジュリアン・イングラシア)
17号車(セバスチャン・オジエ、ジュリアン・イングラシア)

<<セバスチャン・オジエ (ヤリスWRC 17号車)>>
新しい場所に行き、新しい道に挑むのはいつだって楽しいことですし、ここエストニアの道はとても美しいと思いました。誰にとってもこのような道は楽しいものですが、特にこのクルマで走るのは楽しく感じられます。ステージは非常に高速なので、大きな自信を持つことが重要です。最初のステージのタイムは良かったので、明日の朝から始まる本当の戦いが楽しみです。クルマのフィーリングはとても良く、ベストを尽くして戦う準備はできています。ヤリスWRCはうまく機能しているので、我々は良いパフォーマンスを発揮するためのツールを備えているといえます。今朝のシェイクダウンのように、ステージの出走順が1番の我々に合った路面コンディションになってくれることを期待していますし、明日は出走順による不利があまりないことを願っています。

17号車(セバスチャン・オジエ、ジュリアン・イングラシア)
17号車(セバスチャン・オジエ、ジュリアン・イングラシア)
33号車(エルフィン・エバンス、スコット・マーティン)
33号車(エルフィン・エバンス、スコット・マーティン)

<<エルフィン・エバンス (ヤリスWRC 33号車)>>
ここエストニアで、再び本当の戦いが始まり嬉しく思います。今朝のシェイクダウンでクルマをドライブすることができて、本当に良かったです。クルマのフィーリングは全て良好で、後半になるにつれどんどん轍が深くなっていきましたが、それでも全て順調でした。今夜最初のSS1は問題なく走り終えたので、明日の朝からの本格的なステージが楽しみです。きっと全員が、最初から全力で攻めていくはずです。ステージを再走する際は、特に幅が狭い道では多くの轍が刻まれていると思いますので、戦いの中でそれにうまく対応する必要があります。

33号車(エルフィン・エバンス、スコット・マーティン)
33号車(エルフィン・エバンス、スコット・マーティン)
69号車(カッレ・ロバンペラ、ヨンネ・ハルットゥネン)
69号車(カッレ・ロバンペラ、ヨンネ・ハルットゥネン)

<<カッレ・ロバンペラ (ヤリスWRC 69号車)>>
前回のWRCイベントからかなり長い時間が経っていたので、またラリーに参戦することができて嬉しいです。今晩最初のショートステージは本当にトリッキーでタイムはあまり良くなかったですが、ミスのないクリーンな走りができました。今朝のシェイクダウンは上手くいき、最初の走行は路面が想像以上にトリッキーで、テストの時よりもグリップが低く感じられました。そこで、セットアップを変更したところ好転したので、明日朝のステージでも良いグリップが得られることを期待しています。このような初めてのステージを、新しく作ったペースノートを元に走るのは大きな挑戦です。なぜなら、最初のループから攻めていかなければならず、なおかつ正確さも求められるからです。ペースノートの仕上がりが良く、攻めた走りができることを願っています。

69号車(カッレ・ロバンペラ、ヨンネ・ハルットゥネン)
69号車(カッレ・ロバンペラ、ヨンネ・ハルットゥネン)

明日のステージ情報

本格的なグラベルステージが始まる5日(土)のデイ2は、今大会の全SSのおよそ2/3にあたる距離を走ります。5本のステージを、日中の30分間のサービスを挟んで各2回走行し、SS2とその再走ステージであるSS7「プラングリ」は、今大会最長となる全長20.93kmのステージです。10本のSSの合計距離は147.18km、リエゾン(移動区間)も含めた1日の総走行距離は513.24kmとなっています。

[ガズー編集部]

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