【トヨタ WRC】第4戦2日目、クレバーな戦いを続けたオジエが総合3位につけ4台のヤリスWRCがトップ6に入る
- 17号車(セバスチャン・オジエ、ジュリアン・イングラシア)
9月5日(土)、2020年FIA世界ラリー選手権(WRC)第4戦ラリー・エストニアの競技2日目デイ2が、エストニアのタルトゥを中心に行なわれ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのセバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組(ヤリスWRC 17号車)が総合3位に、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)が総合4位に、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(69号車)が総合6位につけました。
前日、タルトゥのサービスパークに隣接するショートステージで開幕したラリー・エストニアは、5日の朝から本格的なグラベル(未舗装路)ステージがスタート。タルトゥの南側エリアで、10本計147.18kmのSSが行なわれました。前日のSS1でライバルとベストタイムを分け合ったオジエは、午前中の5本のステージを1番手でスタート。滑りやすいグラベルが道の表面を覆う不利な路面コンディションながら、経験に裏打ちされたクレバーな走りを続け、SS5ではベストタイムを記録しました。午後の再走ステージは、今大会が圧縮フォーマットとなったことに伴い出走順ルールが変わり、WRカー勢に関しては午前中の総合結果のリバースオーダーとなりました。そのためオジエは先頭スタートから解放され、午後最初のSS7でベストタイムを刻み総合3位に浮上。以降、最後のステージまで順位を守り抜きました。また、エバンスは午後1本目のSS7でタイヤにトラブルが発生しながらも、力強い走りを続け、総合4位につけました。
デイ2オープニングのSS2でベストタイムを刻み、初めて首位に立ったロバンペラは、直後のSS3でタイヤに問題が生じ、約30秒を失い総合8位に後退しました。しかし、その後4本の2番手タイムを記録するなどして着実に順位を回復。1日の最後のSS11では再びベストタイムをマークしました。しかし、それ以前のステージで、ラジエター前部に装着されているパネルを、ロードセクション後のコントロールエリアで外したことにより1分間のペナルティを課せられ、総合6位で1日を終えることになりました。なお、TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムの勝田貴元が総合5位と健闘したことにより、ヤリスWRCは全4台がトップ6に入りました。
<<ラリー・エストニア デイ2の結果>>
1 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (ヒュンダイ i20クーペ WRC) 1h15m08.4s
2 クレイグ・ブリーン/ポール・ネーグル (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +11.7s
3 セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア (トヨタ ヤリス WRC) +28.7s
4 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン(トヨタ ヤリス WRC) +36.8s
5 勝田 貴元/ダニエル・バリット (トヨタ ヤリスWRC) +1m01.9s
6 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ ヤリス WRC) +1m34.9s
7 エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム (フォード フィエスタ WRC) +1m41.7s
8 テーム・スニネン/ヤルモ・レーティネン (フォード フィエスタ WRC) +1m50.9s
9 ピエール=ルイ・ルーベ/ヴィンセント・ランデ (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +2m15.2s
10 ガス・グリーンスミス/エリオット・エドモンドソン (フォード フィエスタ WRC) +3m03.1s
(現地時間9月5日21時30分時点のリザルトです。最新リザルトはwww.wrc.comをご確認下さい。)
チームコメント
<<トミ・マキネン(チーム代表)>>
今日の路面コンディションはかなりタフで、我々の予想以上に荒れていたと思います。再走ステージでは轍が刻まれ、石も多くあって大変でした。低速のテクニカルなセクションではあまり良いパフォーマンスを発揮することができませんでしたが、高速セクションの走りはとても良かったですし、明日は全体的に速いステージが多いようなので期待が持てます。今日、タイヤに起きた問題は今のところ何が原因かわかっていないので、調査が必要です。カッレはその問題によりタイムを大きく失いましたが、ミスのない素晴らしい走りをしていただけに、とても残念です。明日、我々のドライバーがどれだけやってくれるのか、楽しみです。また、貴元も今日の戦いは本当に素晴らしく、大きな自信を持って走っているように見えました。
<<セバスチャン・オジエ (ヤリスWRC 17号車)>>
朝は調子が良く、走りが楽しく感じられました。ステージの出走順が1番だったにも関わらず路面コンディションは良好で、トップに近い位置につけることができました。しかし、昼のサービスでセットアップを誤り、午後は残念ながらクルマのフィーリングがあまり良くありませんでした。午後最初のステージは非常に高速で良かったのですが、それ以降のステージではグリップが不足していました。また、最初のステージを終えた時点でタイヤにダメージがあり、残るステージをスペアタイヤなしで走らなければならなかったので、あまりハードに攻めることができませんでした。そして、最後のステージではタイヤのグリップが大きく低下し、ジャンクションではエンジンをストールさせてしまいました。気持ちを切り替え、明日は問題のない1日となることを期待し、できるかぎりのことをやってみるつもりです。
<<エルフィン・エバンス (ヤリスWRC 33号車)>>
朝は全てが上手く行っていましたが、その後いくつか小さなミスをし、それがリズムを崩す原因になってしまいました。路面も非常に滑りやすく、ブレーキのタイミングが早すぎたり、遅すぎたりと安定せず、それもあってタイムを失いました。午後の最初のステージでは、フィニッシュの近くでタイヤに問題が起こりました。タイムロスは数秒ですみましたが、残るステージでスペアタイヤを使うことができなくなったので、大きなリスクを負わない範囲でスピードを高めることに集中しました。明日もこの調子で頑張り、良い1日になることを願っています。
<<カッレ・ロバンペラ (ヤリスWRC 69号車)>>
タイヤの問題を除けば、今日はとても良い1日でした。何かに当たった覚えはないので驚きましたし、しばらくの間、トラブルに気がつきませんでした。このようなラリーでタイムを大きく失ってしまうと挽回は難しいので、厳しい状況にあるのは確かです。それでもペースは良かったですし、運転を楽しんでいます。今日のようなハイスピードな道で、大きなリスクを負うことなく良いペースを保ち続けられたことに満足しています。このラリーでは大きな自信が求められますが、十分な自信を持って運転できています。明日も同じように走り続け、どうなるのか様子を見たいと思います。
明日のステージ情報
ラリー最終日となる6日(日)のデイ3は、サービスパークの南側エリアが舞台となります。3本のステージを、日中のサービスを受けることなく各2回走行し、うちSS14「カンビャ1」は今大会2番目に長い全長20.04kmのステージであり、その再走ステージとなるSS17「カンビャ2」は、トップ5タイムを記録した選手に対し、ボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されています。6本のSSの合計距離は84.94km、リエゾン(移動区間)も含めた1日の総走行距離は351.85kmとなっています。
[ガズー編集部]
WRC 2020 第4戦 ラリー・エストニア レース記事
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