【WRC2021】第1戦初日、2021年WRCが伝統のラリー・モンテカルロで開幕 ロバンペラが総合2位に、エバンスが総合3位につける

  • 69号車(カッレ・ロバンペラ、ヨンネ・ハルットゥネン)

1月21日(木)、2021年FIA世界ラリー選手権(WRC)第1戦ラリー・モンテカルロがフランス南部のギャップで開幕。ターマック(舗装路)で2本のステージが行なわれ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(ヤリスWRC 69号車)が総合2位に、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)が総合3位に、セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組(1号車)が総合5位につけ、チームの全ドライバーが順調に競技初日を走りきりました。

今年のラリー・モンテカルロは、サービスパークが置かれるフランス南部のギャップがスタート地点に選ばれ、午後2時過ぎに2021年シーズン最初のステージがスタートしました。通常、選手は競技開始前にシェイクダウンで最後の確認走行を行いますが、今大会はシェイクダウンが設定されず、選手はいきなり難関ステージに臨むことになりました。デイ1はサービスパークの北側で2本のステージが行われ、その合計距離は41.36kmでした。

全長20.58kmのSS1は降り続く雨の中始まり、路面はウェットコンディションでした。今シーズンからWRCのトップカテゴリーは全車がピレリのコントロールタイヤを使用することになり、濡れた路面でどれくらいのグリップを得られるのか、限界を見極めながらの走行となりました。このSS1で、トップカテゴリー参戦2年目のロバンペラは2番手タイムを記録。一部に雪や凍結したセクションがあったSS2でも、トップタイムと僅か0.3秒差の2番手タイムを刻み、首位と3.3秒差の総合2位につけました。また、エバンスは2ステージ連続で3番手タイムを記録し、ロバンペラと5.2秒差の総合3位に。オジエはブレーキシステムに問題が発生し慎重な走りを続けましたが、それでも首位と16.9秒差の総合5位につけています。

ラリー・モンテカルロ デイ1の結果

順位 ドライバー/コ・ドライバー チーム タイム
1 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ ヒュンダイ i20クーペ WRC 24m17.5s
2 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン トヨタ ヤリス WRC +3.3s
3 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン トヨタ ヤリス WRC +8.5s
4 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ ヒュンダイ i20クーペ WRC +16.0s
5 セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア トヨタ ヤリス WRC +16.9s
6 ダニ・ソルド/カルロス・デル・バリオ ヒュンダイ i20クーペ WRC +42.7s
7 ピエール=ルイ・ルーベ/ヴィンセント・ランデ ヒュンダイ i20クーペ WRC +1m07.8s
8 アンドレアス・ミケルセン/オーラ・フローネ シュコダ ファビア Rally2 Evo +1m18.3s
9 アドリアン・フォルモー/ルノウ・ジャムール フォード フィエスタ Rally2 +1m27.2s
10 ガス・グリーンスミス/エリオット・エドモンドソン フォード フィエスタ WRC +1m30.0s

(現地時間1月21日17時00分時点のリザルトです。最新リザルトはwww.wrc.comをご確認下さい。)

チームコメント

<<ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)>>

明日以降も大変な日々が続きますが、3台全車が首位から17秒以内に入るなど、チームは良いスタートを切ることができました。今日の午後のようなウェットコンディションでは、新しいタイヤをテストできていなかったので、ドライバーたちは大変だったと思いますし、彼らは最初の2本のステージで特性を理解しようと努めました。カッレは本当に素晴らしい仕事をしてくれました。ラリーのスタート直後からあそこまで速く走れるとは思ってもみませんでした。エルフィンもいいパフォーマンスを発揮し、クリーンな走りをしました。残念ながらセブはブレーキに問題を抱え、ドライバーとしては気持ち良くなかったでしょうし、やや慎重に走るしかなかったと思います。それでも、クレバーなドライビングを続けてサービスに戻って来てくれたので、明日に向けてパーツを交換し問題を解決するつもりです。

1号車(セバスチャン・オジエ、ジュリアン・イングラシア)

<<セバスチャン・オジエ (ヤリスWRC 1号車)>>

新しいピレリタイヤの経験が非常に少なく、フィーリングをつかむ必要があったため、最初のステージの序盤は慎重に走りました。そして、ステージの中盤くらいからブレーキに問題が出始め、その後は非常にトリッキーでした。ブレーキに自信を持つことができないと、限界まで攻めるのは困難です。理想的なスタートとはいえませんが、明日の朝までにはマシンが100%の状態になっていると確信していますので、ベストを尽くして戦い続けます。明日の朝はスタート時間がとても早く、おそらくトリッキーなコンディションになるでしょうから、勝負はまだこれからです。

33号車(エルフィン・エバンス、スコット・マーティン)

<<エルフィン・エバンス (ヤリスWRC 33号車)>>

初日の2本のステージはとても難しかったです。道は濡れていて、路面コンディションは目まぐるしく変わり、タイヤのグリップは変化し続けました。さらに、2本目のステージではスタートが遅れたため、冷えた状態のタイヤで出走することになり、とても厳しかったです。その後すぐ狭い村に入ると凍結路面が現れ、タイヤの温度を上げるのも、自信を高めるのも簡単ではありませんでしたが、何とか最後まで走り抜きました。今夜はさらに冬型の天気になる可能性があるので、朝までにどのようなコンディションになっているのか、様子を見たいと思います。

カッレ・ロバンペラ/チーム代表 ヤリ-マティ・ラトバラ

<<カッレ・ロバンペラ (ヤリスWRC 69号車)>>

最初のループはとても良かったです。SS1は素晴らしく、新しいピレリタイヤで濡れたターマックステージを走るのは初めてでしたが、フィーリングは良好でした。SS2は凍結した区間があってさらにトリッキーでしたが、それでもペースは良かったですし、チャレンジを楽しむことができました。それほど速く走ったつもりはなく、思い切り攻めたわけでもなかったので、自分のペースには少々驚きましたが、クルマは良い感じでした。明日の朝は暗闇の中、氷と雪が多くありそうな道で難しいスタートになると思いますが、今日と同じペースを維持できるように頑張ります。

明日のステージ情報

競技2日目となる1月22日(金)のデイ2は、サービスパークの西側で午前中に3本の新ステージを走行。1本目のSS3は午前6時10分スタートと非常に早く、日の出2時間前の走行開始となります。その後、ギャップでの日中のサービスを経て、午後はデイ2最初の2本のステージを再走します。5本のSSの合計距離は104.70kmと4日間で最長、リエゾン(移動区間)も含めた1日の総走行距離は497.21kmとなります。

[ガズー編集部]

MORIZO on the Road