【WRC2021】第1戦モンテカルロ 2日目、今大会最長のデイ2でエバンスが首位に立つ オジエは総合2位に、ロバンペラは総合4位につける

  • 33号車(エルフィン・エバンス、スコット・マーティン)

1月22日(金)、2021年FIA世界ラリー選手権(WRC)第1戦ラリー・モンテカルロの競技2日目デイ2が、フランス南部のギャップを中心に行なわれ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(ヤリスWRC 33号車)が首位に立ち、セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組(1号車)は総合2位に、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(69号車)は総合4位につけました。

今大会最長となるデイ2は、ギャップのサービスパークの西側で5本のステージが行われ、その合計距離は104.70kmでした。デイ1でブレーキに問題が発生し首位と16.9秒差の総合5位につけていたオジエは、暗闇の中スタートしたデイ2オープニングのSS3と、SS4でベストタイムを記録し首位に立ちました。一部区間には雪や氷がありましたが、オジエは経験に裏打ちされた抜群のスピードでトリッキーな路面を走破。続くSS5でもベストタイムを刻み、総合2位のエバンスに11.3秒差をつけて午前中のセクションを終えました。その後、ギャップでのサービスを経てオジエはSS3の再走ステージとなるSS6に臨みましたが、左前輪の空気が抜けてしまったことで大きく遅れ総合3位に後退。しかし、続くSS7では4本目のベストタイムを刻み、首位エバンスと7.4秒差の総合2位に順位を上げました。

SS3でオジエに次ぐ2番手タイムを記録したエバンスは、前日よりもひとつ順位を上げて総合2位につけていました。そして、SS6では今大会初のベストタイムを記録し、オジエの後退もあり総合1位に浮上。最終のSS7でも順位を堅守し、首位でデイ2を走りきりました。デイ1で首位と3.3秒差の総合2位につけたロバンペラは、SS3で3番手タイムを刻むと首位に浮上。その後順位を下げ、SS6では泥でグリップを失いコースオフ。大幅にタイムを失いましたが、続くSS7では3番手タイムを記録し、総合3位のライバルと27.8秒差の総合4位で1日を終えました。

TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムにより、ヤリスWRCで出場の勝田貴元は、順調にステージを重ねながらペースを上げていき、午後のSS6で5番手タイムを、雨で路面が非常に滑りやすくなっていたSS7では4番手タイムを記録し、前日の総合11位から、総合8位へと順位を上げました。

ラリー・モンテカルロ デイ2の結果

順位 ドライバー/コ・ドライバー チーム タイム
1 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン トヨタ ヤリス WRC 1h33m57.5s
2 セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア トヨタ ヤリス WRC +7.4s
3 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ ヒュンダイ i20クーペ WRC +25.3s
4 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン トヨタ ヤリス WRC +53.1s
5 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ ヒュンダイ i20クーペ WRC +59.1s
6 ダニ・ソルド/カルロス・デル・バリオ ヒュンダイ i20クーペ WRC +1m49.6s
7 アンドレアス・ミケルセン/オーラ・フローネ シュコダ ファビア Rally2 Evo +3m50.8s
8 勝田 貴元/ダニエル・バリット トヨタ ヤリス WRC +4m05.0s
9 アドリアン・フォルモー/ルノウ・ジャムール フォード フィエスタ Rally2 +4m37.9s
10 ガス・グリーンスミス/エリオット・エドモンドソン フォード フィエスタ WRC +5m10.8s

(現地時間1月22日16時00分時点のリザルトです。最新リザルトはwww.wrc.comをご確認下さい。)

チームコメント

<<ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)>>

1日が終わって思ったのは、サービスパークからステージ上の戦いを見るのは、ドライバー時代よりも緊張するということです。とはいえ、今日はとても満足できる1日でした。このような難しいコンディションで、ドライバー全員が本当に良い仕事をしてくれました。エルフィンはとても安定していて、クリーンな走りでした。セブは少しタイムを失いましたが、最後のステージで良いタイムを刻み遅れを挽回しました。カッレも素晴らしい速さを見せてくれていましたが、泥に足をとられてしまいました。このラリーで既にドライバーたちは様々な困難に直面していますが、それはまだ続くでしょう。それでも、全体的には現状に満足しています。

1号車(セバスチャン・オジエ、ジュリアン・イングラシア)

<<セバスチャン・オジエ (ヤリスWRC 1号車)>>

昨日は厳しいスタートになりましたが、今朝起きてみると、走り始めからすぐにいいリズムを掴むことができました。最初のステージは霧が出ていたり、凍結区間が多くあるなど難しいスタートになりましたが、クルマのフィーリングは良く、自信が得られたことにより運転がさらに楽しく感じました。予想していたように、午後のステージは路面に泥が多く出ていましたが、スノータイヤを履いていたこともあって気持ちよく走ることができました。タイムを多く失ってしまったのはアンラッキーでしたが、それを除けば自分の力を出しきれたと思います。勝つためにこのラリーに出場しているので、全力を尽くして戦います。

69号車(カッレ・ロバンペラ、ヨンネ・ハルットゥネン)

<<エルフィン・エバンス (ヤリスWRC 33号車)>>

首位に立ったとはいえ、正直にいうと完全に満足しているわけではありません。セブは今日とてもいい走りをしていましたし、彼のタイムについていくのは難しかったです。うまく走れた区間もありましたが、滑りやすい路面ではタイヤのグリップを感じにくく、それ以上攻める自信を得られませんでした。明日は、そういった状況でも良い順位で走り続けられるように改善したいと思います。ここまで難しいコンディションで戦ってきましたが、今晩天気が変わる可能性もあるようなので気になります。最後まで簡単にはいかないでしょう。

33号車(エルフィン・エバンス、スコット・マーティン)

<<カッレ・ロバンペラ (ヤリスWRC 69号車)>>

今朝はいい感じでした。最初のステージはトリッキーでしたが、とてもうまく走れたと思います。その後、ロードセクションで小さな問題が起きたため次のステージに遅れてしまいましたが、問題を解決することはできました。サービス後の最初のステージの序盤は、コーナーのインカット走行により泥が多く出ていて、もう少しタイヤのグリップを得られると予想していたのですが、スピンをしてコース復帰に少し時間がかかってしまいました。自分のドライビングには満足していますが、タイムペナルティと、小さなコースオフによって、タイム差がかなりついてしまいました。

明日のステージ情報

競技3日目となる1月23日(土)のデイ3は、サービスパークの東側で2本のステージを走行した後、ギャップで最終サービスを受け、デイ3のオープニングステージを再走。その後200km以上離れたモナコに向かいます。オープニングステージは午前6時30分スタートと、デイ2と同じように暗闇の中で1日が始まります。3本のSSの合計距離は57.10km、リエゾン(移動区間)も含めた1日の総走行距離は491.42kmとなります。

[ガズー編集部]

MORIZO on the Road