【WRC2021】第6戦サファリ・ラリー・ケニア デイ4 勝田貴元が2位で初表彰台獲得! オジエが逆転勝利で4勝目
6月27日(日)、2021年FIA世界ラリー選手権(WRC)第6戦サファリ・ラリー・ケニアの最終デイ4が行われ、TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムの勝田貴元/ダニエル・バリット組(18号車)が、自己最高位となる総合2位を獲得。WRCでの初表彰台に登壇した。
勝利を挙げたのは、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのセバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組(ヤリスWRC 1号車)。今シーズン6戦中4勝目を挙げ、ドライバー選手権のポイント差を広げることに成功した。
<<サファリ・ラリー・ケニア デイ4の結果>>
1位 S.オジエ (トヨタ ヤリス WRC) 3h18m11.3s
2位 勝田貴元 (トヨタ ヤリス WRC) +21.8s
3位 O.タナック (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +1m09.5s
4位 G.グリーンスミス (フォード フィエスタ WRC) +1m54.6s
5位 A.フォルモー (フォード フィエスタ WRC) +1m54.7s
6位 K.ロバンペラ (トヨタ ヤリス WRC) +10m53.4s
7位 O.ライ (フォルクスワーゲン ポロ GTI R5) +29m26.4s
8位 K.パテール (フォード フィエスタ R5) +33m30.4s
9位 C.トゥンド (フォルクスワーゲン ポロ GTI R5) +36m40.7s
10位 E.エバンス (トヨタ ヤリス WRC) +49m22.7s
12位 D.ソルド (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +50m18.6s
DNF T.ヌービル (ヒュンダイ i20クーペ WRC)
19年ぶりのWRC開催となったサファリ・ラリー・ケニアの最終日、ナイバシャ湖の周辺で5本のステージが行なわれた。そのうち、SS15「ヘルズゲート1」は、当初の予定よりも4.93km短い5.63kmに短縮され、5本のステージの合計距離は48.56kmという1日に。最終日も朝は気温12度と冷えこんだものの、日中は24度程度まで上昇しドライコンディション下でのバトルとなった。
首位で最終日を迎えたHYUNDAI SHELL MOBIS WORLD RALLY TEAMのティエリー・ヌービルは、オープニングのSS14でマシンを破損し、SS14は何とか走り切ったものの最終日にリタイアを喫してしまう。これでトップに浮上したのが勝田貴元だ。SS16でオジエに首位の座を奪われるも着実に走行を続け、オジエに21.8秒差の2位でフィニッシュした。
「非常にタフな週末でいろいろなことが起こりました。最後までいいポジションで戦うことができて最終的に2位でフィニッシュできましたが、まだまだ改善するところもあると思うので、もう一歩上に上がれるように頑張っていきたいと思います」とレース後語っている。
トップドライバーにも多数のトラブルやリタイアが相次ぐ難しいレースとなったサファリ・ラリー。自身も決して無傷ではないものの最後まで安定した速さを見せてくれた勝田の今後の活躍が楽しみだ。
6戦中4勝目を挙げたオジエに加え、ロバンペラが総合6位、エバンスは総合10位に入り、トヨタがマニュファクチャラー選手権首位で、ヒュンダイに対するリードを59ポイントに拡大した。
<<豊田 章男 (チームオーナー)>>
セブ、ジュリアンおめでとう!
ファンの皆さまも応援ありがとうございました!
だけど…今日は先にこっちの想いを爆発させることを許して欲しいです。
タカ!本当にすごい!少し悔しいけど、すごく嬉しい!
あのセブをリードして最終日を迎え、そのままずっと優勝を争って2位表彰台!
震えるほど感動しました。今日は昼から君のお父さんとずっとタカのことを見守ってました。二人とも、タカのことが気になって他のことが何も手につかず、ことあるごとにラインで会話をしていました。今日は仕事が休みで本当によかった。君のお父さんは仕事だったみたいですが(笑)
初めて走る厳しい道で、世界最高のドライバーとトップ争いをしながら走り切る…
タカはこの一戦だけで今までの何倍も成長したと思います。今シーズン、残り6戦、最後はラリージャパンもある。さらに楽しみでしょうがなくなりました。
だけど、やっぱりセブはすごい!それも今回、心から思ったことでした。
ケニアの道は写真を見ているだけでも、いかに厳しいかが伝わってきます。最後の3ステージ、タカに追いつき抜いていく走りをセブができたのは、そんなに厳しい道でも、タイヤを大切にしながら走っていたからだと思います。そんな尊敬すべきドライバーがTOYOTA GAZOO Racingの一員として戦ってくれていること、そして、その走りを我々の仲間の成長に繋げてくれていることに心から感謝します。
チームのみんなにも感謝の言葉を伝えたいと思います。19年ぶりのケニア開催でした。アフリカの道はみんなにとって初めての経験です。過去の経験値がない中で、レッキの情報を日夜分析したエンジニアの頑張りで、ドライバーたちは安心して走り出せました。ケニアの現地にいたメンバーも、フィンランドからサポートしてくれたメンバーも、みんなのおかげです。ありがとう。
エルフィンとカッレは残念ながら途中で戦線離脱となってしまったけれど、その後の走行で得た情報をチームに共有してくれていたおかげで、セブとタカは最後まで、トップ争いができたと思います。エルフィン、スコット、カッレ、ヨンネ、ありがとう! シーズン後半戦、もっと安心して走れるクルマを用意していくことで、恩返しすることを約束します。
リエゾンを走り抜けるシーンも見せてもらいました。子供たちが手を振り、動物たちが一緒に走り、国をあげて、ラリーを迎える雰囲気を感じました。ケニヤッタ大統領もWelcome Backというメッセージを出されていました。ケニアの皆さまにも感謝申しあげます。数ヶ月後に迫ったラリージャパンも、同じような温かい雰囲気で、多くのラリーストを迎えられたらと願います。
最後に、もう一組感謝の気持ちを伝えさせてください。
アフリカにいる豊田通商の仲間達が、現地で応援してくれていました。そして現地の様子を我々日本の仲間に伝えてくれていました。お陰で私たちTOYOTA GAZOO Racingは、ケニアも母国の道として走ることができたと思います。アフリカのトヨタファミリーのみんなに感謝します。ありがとうございました!
HATU JAMBO!ASANTE SANA!
(私たちは元気です!とてもありがとう!)
追伸
表彰セレモニーで手違いでしょうか…君が代ばかり流れていました。セブとジュリアンには申し訳ない思いもありましたが、ケニアで流れた君が代はとても誇らしく、何度も聞けたことは素晴らしかったです。
<<次回のイベント情報>>
WRC次戦は、7月15日から18日にかけて、エストニアで開催される「ラリー・エストニア」。昨年にWRC初開催され、ハイスピードでスムーズなステージが多く、ジャンプやアップ&ダウンもあるなど独特のテクニカルなセクションが多いものの、全体的にはラリー・フィンランドと似た特徴を持つグラベル(未舗装路)ラリーとなる。
[ガズー編集部]
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