トヨタの水素エンジン搭載車、サーキットをしっかり走っていた(動画あり)! そしてルーキーレーシングの挑戦がまた始まった!
2021年4月28日に開催されたスーパー耐久の公式テストは、5月末の第3戦24時間レースに向け、各チームにとって重要なテスト。
GT3、GT4マシンやS耐ならではのレーシングカーなど、サーキットを走りつくしてきた参加車両がテストをしている中、水素エンジンを搭載したカローラスポーツも精力的に走行を行った。
2日前に初めてのサーキット走行をし、本日が2回目のサーキット走行だという。
この公式テストでのベストタイムが2分4秒301であったカローラスポーツの排気量は1618cc。ST-5クラス(1500cc以下のクラス)で一番速かったTiRacing☆NATS☆ロードスターが2分4秒429であるため、かなり健闘しているように見えた。
GAZOO Racing Companyによると、今回のサーキット走行では、ドライバー全員に水素エンジンを体験してもらうこと、またデータを取得しながら燃費の確認、セッティングや戦術を考えていくなど、まだまだ基本的段階で、安全性以外のことは全てが「挑戦」だと言う。
実際4本の水素タンクで10週+α(想定通りとのこと)の走行となるため、24時間レースでは50回以上の水素充填が必要となり、水素充填の体制づくり、そしてそのスタッフにとっても耐久テストとなりそうだ。
GAZOO Racing Companyの佐藤プレジデントによると、まずは3時間、5時間の耐久レースでテストし、ステップアップとして24時間の耐久レースに参戦するのが従来のトヨタであったが、今回は豊田社長の「24時間に参戦しよう!」との一言で有無を言わさず決まったそうだ。
それは2020年の12月であり本日まで4カ月しか時間はなかった。
10年前のトヨタでは、ステップを大事にしていたため、開発には時間を要していたが、近年のトヨタは想像を絶するスピードで開発が進められている。
このような状況を、開発担当者は「ありがたい」と表現し、その速度感を楽しんでさえいるようだ。
ちなみに、トヨタの技術部により、水素エンジンのエンジンベンチでの耐久テストも現在実施中しているという。
モリゾウが言う、「モータースポーツを軸としてクルマの開発をする」ことにより、従来のエンジニアには想像もできなかった多くの恩恵が既にあるようだ。
佐藤プレジデントも、「モータースポーツもカーボンニュートラルにしなければいけない中、カーボンニュートラルでも今までと同じ、もっと楽しめるクルマが必要、だから水素エンジンを参戦させる」という。
32号車(ルーキーレーシング、水素エンジン搭載のカローラスポーツ)は、24時間耐久を水素エンジンで参戦するわけだが、まずはこのカローラスポーツでの開発に集中するという。
しかし、24時間を完走しその結果によっては、今後の展開にも変化があるかもしれない。S耐の富士24時間のレースを経て、その後も32号車、そして水素エンジンの開発がどんどん速くなることを期待したい
。
そして、マシン開発の場として新たなステージを迎えたスーパー耐久にもぜひ注目していきたい!
[GAZOO編集部 文:岡本 編集:山崎 写真 :岡本/山崎 動画:山崎]
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