熱気とパワーに溢れるマレーシアを訪れた日本人たちが感じたこと【東京オートサロン・クアラルンプール 2023】
マレーシアで初開催となった『東京オートサロン・クアラルンプール2023』には、日本からも14台のカスタムカーが招待車両として会場に展示され、来場者の注目を浴びていた。
そして、その車両とともにパーツメーカーやプロショップの代表やスタッフも会場を訪れ、さまざまな目線でイベントとデモカーを見守っていた。
そんな日本カスタム業界の方々は、マレーシアの人々はカスタム文化をどのように感じ取ったのだろうか。現地でお話を伺った。
『TOP SECRET GOLD GTR』とともにファンの大行列が途切れることなくアイドルのような大人気ぶりをみせたトップシークレットの永田代表。
「とにかく凄くてなにがなんだかってカンジだったけど、ボクのV12スープラに憧れて製作したというV12エンジン搭載のER34スカイラインや、ニスモが王子様のために作ったというBNR34などおもしろいクルマも見ることができてよかったよ」と終始笑顔。
日本からブース出店していたT&E代表で現役ドリフトドライバーでもある上野さんは「思っていた以上に来場者数が多くてグッズも売れてびっくり! Tシャツはあっという間に売り切れちゃったし、持ってきたステアリングも売り切れちゃいそうだよ。
ステアリングを買ってくれたお客さんはS15型シルビアに乗っているってひとが多かったし、すごく懐かしいミニカーとかを持ってきてサインを書いてくれっていう人もいたね。日本車人気の高さをすごく感じたよ」とのこと。
『SPOON NSX』は来場者が給油作業を体験できるアクティビティを実施。「マレーシアではホンダ車の人気が高く、スプーンのパーツを使ってくれている方やファンの方ともたくさんお会いできたのでよかったです」とスプーンの城本さん。
イベント中、終始サインや写真を求める行列が絶えなかった『ACTIVE NEW FULL CARBON R』のガレージアクティブ坂本さんも「こんなにたくさんの人がカーボンRを知ってくれているなんて思っていなかったので、すごく嬉しいですね!!
小さい子からもクルマが好きなんだということが伝わってきて、すごくパワーを感じました」と、マレーシアのクルマ好きたちの印象を語ってくれた。
東京国際カスタムカーコンテストのグランプリ車両である『MARS1号機』と『KRUISE KR-VN5RR』を展示したクールレーシング開発部のドゥシャーンさんは「2台ともマレーシアでは販売されていない車種なのですが、興味を持っていただける方も多くてパンフレットはすべて配りきってしまいました。次回開催があるとしたらぜひアルファードやヴェルファイアを展示してみたいですね!」と語ってくれた。
イベントへの入場料は大人が50リンギット(約1500円)で子供は28リンギット、6才以下は無料。イベントは22:00まで開催されており、夕方18:00を過ぎてもチケット購入のための長蛇の列が途絶えることはなかった。
会場を見渡していると年齢の若い来場客が多く、小さな子供たちもスマートフォンなどで写真や動画を撮影している。来場者数はまだ公式発表されていないが、ホール内は歩いたり写真を撮ったりするのが難しいくらいの混雑状況だった。
東京オートサロンを後援する三栄も雑誌販売ブースを出展していて、GT-Rやスープラ、シビックなど幅広い年代の車種別専門誌ハイパーレブは売り切れ続出、アルファード&ヴェルファイヤなどの情報が豊富な『スタイルワゴン』なども好調な売れ行きをみせているという。
いっぽうで日本国内のイベントやバンコクオートサロンと比較するとロータリーエンジン系の雑誌の人気は高くなかったようだ。
では、日本車以外の反応はどうだったのか?
『ROHAN×BLOOM Gold MUSTANG』と『C7 CORVETTE FORTE WIDE BODY』の2台を展示しているローハンの井澤孝彦代表は「最近はラッピングも人気だけれど、今回持ってきた展示車両を見て『愛車をオンリーワンの塗装で仕上げたい』と言ってくれる来場者もいて、うれしかったですね。
現地で代理店を探して塗装技術を教えるなど、今後のマレーシアでの展開も考えてみたいと思うようになりました」とのこと。
『RAVAGE A110 by CARS HATANO』を持ち込んだ畑野自動車の畑野代表は「今回、マレーシアでアルピーヌを唯一所有しているというジョホール州の王子さまが来場するという話があり、アルピーヌのチーフデザイナーであるアントニー・ヴィラン氏と急遽会場を訪れることを決めました。
殿下とのお話はもちろんですが、来場してくれたお客さんの雰囲気がすごく優しくて嬉しかったです。『このクルマはなんという名前ですか?』とアルピーヌを知らないでもパンフレットを渡すと笑顔で受け取ってくれるし、説明を楽しそうに聞いてくれる。クルマ好きが多いんだなとすごく感じましたね」とのこと。
ヴィラン氏も「日本の東京オートサロンは速く走るための性能を追求したデザインのエクステリアなどが多い印象ですが、マレーシアのカスタムは、なんというか『クルマを楽しんでいる』という雰囲気がすごく伝わってきましたね」と印象を語ってくれた。
「アメリカ車を日本テイストでカスタム」というテーマで製作された『JEEP WRANGLER』は、東京オートサロンからさらに進化したそうで「マレーシアの出展に合わせて光り物を追加したり、ダッシュボードパネルに漆塗りを施工してもらったり、あとは漢字のステッカーなども増やしてきました。現地のお客さんからも好評なので、やってきた甲斐がありましたね」とオーナーの吉増さん。
車両製作をおこなうRINEIの松代さんは「このクルマを購入したいというお話もいただいたし、現地でサスペンションブランドを展開する『red springs』さんとの提携など今後につながるネットワークも広がったのでよかったです」とのこと。
大盛況となったイベントを訪れ、会場の熱気やパワーを体感したみなさんは、総じてマレーシアに大きな可能性を感じたという雰囲気が伝わってきた。
(GAZOO編集部)
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