マレーシアの人気カスタム調査『カーボンパーツ編』【東京オートサロン・クアラルンプール2023】
6月9日(金)から11日(日)までの3日間、マレーシアの首都クアラルンプールで初開催された『東京オートサロン・クアラルンプール2023』。現地レポートについては別記事を読んでいただくとして、こちらでは会場内で見つけたマレーシアで流行のカスタム&チューニングをお届けしよう。
今年が初開催となるわけだが、会場内で目立っていたのが『カーボン』。もちろん日本でもカーボン製パーツは定番だが、マレーシアでの人気はケタ違い。
ボンネットやフェンダーなどワンポイントでカーボンパーツを取り入れているマシンもあれば、見えるところはすべてカーボンにしている車両も展示されていた。そんなカーボンパーツを装着したマシンたちをレポートしていく。
全身スキなし!フルカーボン化されたインプレッサ&ランエボ
マレーシアのプロショップ『DIP N PAINT』が手がけたWRX STIは、日本のエアロメーカー『チャージスピード』のワイドボディ仕様。
ちなみにボンネット、トランク、ミラーはもともとカーボンの製品で、そのほかの部分はDIP N PAINTがエアロの上からカーボンファイバーを貼り込むことでフルカーボン化を実現している。あえて塗装せず、カーボン地を残してアピールしていた。
内装もスパルコのカーボン製シート(SPXカーボン)をはじめ、シフトパネルやドアスイッチパネルをカーボンファイバー製に変更。さらにドアの内側などにもカーボンファイバーを貼り込むなど細かいところまでこだわりが満載!
見た目だけではなくパワー系チューンにも力を入れていて、2.5L仕様のエンジンにギャレット製G30タービンなどを組み込んだフルチューン仕様。かなり速そうなスペックだが「サーキットを走ってぶつけると大変なので、あくまでショーカーです(笑)」という話だった。
こちらも同じくDIP N PAINTが製作したランサーエボリューションⅨ。SUPER GTなども開催実績のある『セパン・インターナショナル・サーキット』でタイムアタックをしているサーキット仕様だという。
外装は日本のエアロメーカー『バリス』のカーボン製ワイドボディキットでカスタムしている。
エンジンはもともと搭載されている4G63を2.2Lまで排気量アップし、タービンもギャレット・G35に交換することで大幅にパワーアップ。各部にチタン&カーボンパーツを使い、性能だけではなく見た目にもこだわりを感じる作り込みだった。
インテリアもドアパネルやセンターコンソール、そのほか各部のパネルをカーボンに変更。部分的にカーボンのカラーや素材感を変えてアクセントにしていた。
フルカーボンボディのインプレッサは、展示車両の中から選ばれる『オートスタイルコンペティション』の『ドレスアップカー部門』で3位を獲得。
ショップの方にインタビューすると「受賞できて嬉しいです! マレーシアでは、外装はもちろん内装もカーボンファイバーを貼り込むドレスアップが人気です」と教えてくれた。
日本の人気エアロをカーボン化、塗りわけもオシャレなシルビア
日本のエアロメーカー『T&E』のヴェルテックスリッジエアロをまとった日産・S15型シルビア。全身がカーボン製となっていて、うっすら透けるようにレッドで塗装している部分と、カーボン地を残している部分を使い分けていた。
じつはヴェルテックスリッジにカーボン製の設定はないが、ファイバー製エアロの上にカーボンを貼り込むことで、フルカーボンルックを実現しているとのこと。
東京オートサロン・クアラルンプール2023には、日本からT&Eもブース出展していたが、シルビアのオーナーさんが「エアロにカーボンを貼ってリメイクさせていただきました!」とブースに挨拶(!?)にやってきたという。
エンジンはもともと搭載されている4気筒のSR20DETから6気筒のトヨタ・2JZ-GTEに変更。日本のドリフト競技車両などではおなじみの仕様だが、マレーシアでも同様のカスタムは浸透している様子!?
ボルグワーナー製タービンに交換されていたり、サージタンクもカーボン製になっていたりと作り込みも本格的だ。
内装もドアトリムやダッシュボード、センターコンソールなど、ほとんどのパーツがカーボン製に交換されていた。また、一部をボディカラーと同じ赤系にペイントしてコーディネイトしているあたりもオシャレ!
もしかしてオリジナルエアロ?チューニングカー部門3位のシビック・タイプR
赤いボディにカーボン製エアロをまとったホンダのFK8型シビック・タイプRは『チューニングカー部門』で3位を獲得。詳細は不明ながら、デザインイラストが飾ってあったところから察するにオリジナルデザインのエアロかも!?
ちなみにウイングは日本のエアロメーカー『ボルテックス』の製品だった。
ボンネットやフェンダーをカーボンに変更! ワイルド&スポーティなカローラ
タイのエアロメーカー『AKANA carbon wizard』のボンネットやフェンダーなどを装備したトヨタ・カローラ。マフラーは、スロベニア共和国の高品質エキゾーストメーカー『アクラポビッチ』の製品が装着されていた。
カーボンの種類を変えて遊び心をプラスしたシビック・タイプR
マレーシアのジョホールバルにある『noh southern garage』というショップのデモカーらしきFD2型シビック・タイプR。ホンダ系をメインに、カーボンパーツや塗装などを得意としているショップのようだ。
ボンネットやフェンダー、トランク、ウイングのほか、ヘッドライト内部やドアハンドルなどの細部までカーボン化されていた。
ディフューザー形状で迫力満点のカーボン製リヤバンパーも美しい仕上がり。また、リヤドアだけ柄の異なるカーボンが使用されていたのもポイント。
会場内では、同じカーボンでもマテリアルを変えたり、塗装を変えたりと遊び心のある車両がとても多かったのが印象的だ。
日本ブランドも大人気!ボルテックスフルエアロのエボワゴン
日本のエアロメーカー『ボルテックス』のワイドボディキットで武装したランサーエボリューションⅨワゴン。マレーシアでも日本のパーツは人気のようで装着率が高かった。
この車両はボルテックス製のフロントバンパー、リップスポイラー、カナード、ワイドフェンダー、ウイングなどを装備。ホイールも日本のブランド『ボルクレーシング』のTE37で、サスペンションはテイン製、インタークーラーやマフラーなどはHKS製とオールジャパニーズ仕様となっている。
オデッセイ×カーボン、ミニバンだってカーボンでスポーティに
『SERAYA ODYSSEY AUTOPARTS & SERVICE』が展示していたホンダ・オデッセイのカスタム仕様。ショップ名からオデッセイ専門店のようで、マレーシアでもホンダ人気の高さを感じた。
特徴的なアクリルとカーボンを組み合わせたボンネットは、ランエボ&WRXのショップ『DIP N PAINT』が製作したようだ。また、フェンダーはカーボン柄のラッピングフィルムが施工されていた。
さらにミニバンながらK24エンジンをベースにピストンやコンロッドなども変更するなど強化されていて、出力も235psまでパワーアップ! ホイールも19インチのワーク製を装着するなど、走りもドレスアップも楽しんでいるようだった。
日本未発売のホンダ・シティも定番のカスタムベース
クアラルンプールのカスタムショップ『Street Garage Sdn Bhd』が製作したホンダ・シティのハッチバック。ちなみにシティは、主に東南アジア市場で販売されているセダンおよびハッチバックで、日本では未導入のモデルだ。
このマシンは、そんなシティハッチバックをベースにSG CARBON製のボンネットやフェンダーなどでスポーティにカスタム。そのほか、ステアリングやダッシュボードなどのインテリアパーツもカーボン製になっていた。
マレーシアでは、三菱人気の高さも感じられた。中でもこのランサーエボリューションⅨは、中央が大きく凹んだトランクが特徴的だった。
日本未発売のグランド リヴィナなどミニバンやMPVもカーボン仕様に!
日本では見かけない日産の世界戦略車『リヴィナ』のカスタマイズ仕様。現行モデルは2代目となるが、こちらは初代グランドリヴィナをオーテックがカスタマイズしたモデルがベースだと思われる。
カーボン加工を施したオーテック仕様のグリルをはじめ、JSデザインのフェンダー、SSスポーツデザインのボンネットなど、随所にカーボンパーツがちりばめられていた。
このように東京オートサロン・クアラルンプールの会場を見わたすと、スポーツ系モデルはもちろん、ミニバンやSUV、ワゴンやMPVなどでもカーボンを取り入れているマシンが非常に多いというのが印象だ。
それも貼り込みの技術が高く、カーボンの継ぎ目の処理なども美しいので、マレーシアのカスタム技術も侮れないと感じた。
(文:三木宏章 写真:平野 陽、三木宏章)
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