日本とマレーシアのクルマ事情の違いは!? カーミーティングで直撃!【東京オートサロン・クアラルンプール2023】
マレーシアのリアルなオーナーカー事情をチェックするべく『東京オートサロン・クアラルンプール2023』会期中に会場裏スペースで行われていたカーミーティングも回ってみることにした。
スーパーカー集団や車種別チームなど、オーナーズクラブを主体としたミーティングが日替わりで開催されていて、会場内に展示されたメーカーやショップのデモカーとは少し違った“等身大のオーナーカー”もたくさん!
会場内とミーティングエリアの移動も可能だったので、クルマが入ってくるたびに多くの観客がミーティングエリアに集まり「オー!」「ワー!」と大きな歓声が上がる熱狂的空間となっていた。
ドラッグレースやサーキット走行を楽しむプロトン・プレヴェ
2012年から2020年まで販売されていた、マレーシアの自動車メーカー・プロトンのCセグメントセダン『プレヴェ』に乗るEDDY SAITOさん。SAITO(サイトウ)という名前からも想像できるとおり、お母さんが日系人とのこと。
もともとラジコンが趣味だったそうだが、クルマに乗るようになると実車のレースに興味を持つようになり、今ではドラッグレースやタイムアタックも楽しんでいるそうだ。
タイムアタックからドラッグレースまでオールマイティに楽しめるようにエンジンも足まわりもファインチューン。ドアには、ドラッグレースを走ったときのステッカーがそのまま残されていた。
そのほか、ボルクレーシング製ホイールやテスラ純正ブレーキキャリパーなどで足まわりもカスタム済みだという。
プロトン・プレヴェは、1.6L NAエンジンを搭載したモデルと、1.6Lターボエンジンを搭載したモデルがあるが、SAITOさんの愛車はターボモデル。ただ、エンジンについて聞くと「ストックのエンジンはフィーリングもイマイチで、CVTもサーキット走行には不向き」とのことで、エンジンのパワーアップ&CVTの強化を行いたいと語っていた。
ちなみにマレーシアには、クアラルンプール近郊やマラッカなどにサーキットがあり走る場所には困らないとのこと。SAITOさんも、マラッカにあるミニサーキットを走ることが多いそうだ。
シンガポールからやってきた女性オーナーのシロッコ
マレーシアで東京オートサロン・クアラルンプール2023が開催されることを知って、はるばるシンガポールから自走でやってきたという女性オーナーMIKIさんが乗る鮮やかなピンク色のフォルクスワーゲン・シロッコ。
フォルクスワーゲンのエンブレムは自分でスワロフスキーを貼ってデコレーション。車内にはぬいぐるみが飾られているなど、カスタムのノリは日本と共通!?
ちなみにフォルクスワーゲン・シロッコを愛車に選んだ理由は、知り合いの助手席に乗せてもらって気に入ったからという話だった。
そんなMIKIさん、じつはInstagramで『mikipuff』や『roccopuff』などの名前で活動するコスプレイヤーであり、かなりの日本好きとのこと。このシロッコもオートサロン後にはアニメのキャラクターが全身にあしらわれた痛車となっているようだ。
FRで楽しいクルマが欲しくて日本からトヨタ86を輸入
マレーシアでもトヨタ86は販売されているが、わざわざ日本から輸入して購入したというDERRIIKさん。日本から輸入するとマレーシア仕様を買うよりも1.5倍ほど高くなるそうだが、それでも“日本仕様”であることにこだわって2年前に手に入れたそうだ。
TRD製ボディキットは購入当時から装着されていたそうだが、ホイールは好みにあわせてボルクレーシング製の18インチホイールに交換。そのほか外観ではバレンティ製のテールランプなども装着されていた。
エンジンも購入時からHKS製インタークーラーやK&N製エアクリーナー、ブリッツ製オイルクーラーなど日本ブランドのパーツでカスタム済み。そんな86の印象を聞くと、「FRなのでハンドリングがよく、ドライビングスキルを磨くのにぴったり!チューニングベースとしても素晴らしいので大好きです!」とゾッコンの様子。
ちなみに86のほかにもマレーシア国産メーカー・プロドゥアのアジア(日本のダイハツ・ミライースがベース)も所有しているそうだ。
ホンダのディーラーマンが乗るヴェゼルハイブリッド
ホンダのディーラーマンで、2代目ヴェゼルに乗るDEDSMONDさん。ちなみに以前は初代ヴェゼルにも乗っていたそうで、ヴェゼルはこれで2台目。さらに奥さんはフィット・ハイブリッドに乗っているという根っからのホンダ党。
「ブリッツの車高調整式サスペンションが届いたので、これから装着してローダウンします!」と嬉しそうにパーツも見せてくれた。
また、2代目ヴェゼルについて聞くと「ハイブリッドで燃費もよく、さらに走りもいいのでお気に入りです!あとホンダセンシングも便利ですよね。マレーシアでも最近は、環境や燃費を気にしてハイブリッドカーを買う人が増えているんですよ」と教えてくれた。
マレーシア仕様のヴェゼルは、メーターが220kmまで目盛りがあったり、シートがオートシート(ドライバー側のみ)になっていたりと、微妙に日本仕様とは異なるそうだ。ここまで丁寧に詳しく説明してくれるあたりは、さすがディーラーマン!
手頃な価格で人気上昇中のスポーツカー、マツダRX-8
マレーシアで日本のスポーツカーを買う場合、中古車でも新車でも日本に比べて割高になるため、なかなか手が出ないという若者も多いという。そんな中で比較的安く購入できるのがマツダのRX-8と教えてくれたHAIROLさん。
そんなHAIROLさんは、夫婦で2台のRX-8を所有しているというロータリーエンジンマニア。
「RX-8は手頃なボディサイズでエンジンもコンパクトだし、4ドアなので使い勝手も最高です!ちなみにこのRX-8は、日本円だと60万円くらいで購入して、自分でここまで仕上げました。ワイルド・スピードのRX-7をイメージしたカラーリングもお気に入りです」と、その魅力を熱く語ってくれた。
Rマジック製マフラーをはじめ、4.1ファイナルやLSDなど駆動系にも手を加え、楽しく走れるようにファインチューン。いずれは3ローターエンジンや4ローターエンジンを載せたいと野望を燃やしていた。
赤いRX-8が奥さんの愛車。イベント当日は奥さんが来られず、友だちに乗ってきてもらってきたそうだが、夫婦そろってRX-8に乗っているなんてすごい!
マレーシアでは、大小さまざまなオーナーズミーティング、またサーキットイベントなども開催されていて、マレーシアはもちろん隣国のタイやシンガポールからも多くのクルマ好きが集まるという。
実際に今回もナンバープレートを見ると、タイやシンガポールからやってきたクルマを見かけることが多く、島国育ちの日本人としては少し不思議な感覚だった。
今回はカーミーティング参加者ということでカスタム度合いの高いクルマが多かったけれど、今度はゆっくりと街中を走っているクルマも調査してみたいところだ。
(文:三木宏章 写真:平野 陽、三木宏章)
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