トヨタ車体ブースが、これからのミニバンのトレンドを発見･･･ジャパンモビリティショー2023

2023年10月28日～11月5日に行われるJAPAN MOBILITY SHOW 2023（ジャパンモビリティショー）でトヨタ車体が展示しているミニバンのX-VAN GEAR CONCEPT(クロスバン ギア コンセプト)を見て今後のミニバンのトレンドかなと感じたことをご紹介します。トヨタ車体はこの車をクロスバンとしていますが、当記事ではミニバンと表記します。

1990年代前半のトヨタのミニバンを振り返ってみると、トヨペット店のハイエース、ビスタ店のレジアスエース、カローラ店のタウンエース、ネッツ店のライトエースというラインナップで、大きなハイレジ、小さなタウンライトで、坂道走行は苦手というイメージでした。しかもエンジンはフロントシート下にあるため、乗り込むのは、どっこらしょと言う感じでしたし、室内は広いと言えず、ファミリーにとって優しいクルマとは言えなかったでしょう。これらの車種以外にエスティマがありますが、初代はMR構造で“天才たまご”というコピーのごとく走りはスムーズでしたし、室内の豪華さは他のミニバンと一線を画していましたが、室内高は低かったことを記憶しています。

その後30年間に、アルファード、ヴェルファイアなどが登場しフルモデルチェンジを行うたびに、豪華にそして乗員に優しい車に変化してきました。今では、アルヴェルがショーファーカー的な役割も担っているほどです。

そうなんです、今のミニバンは、乗員に対して十分に優しい車になっていると思うのです。ですから、バッテリーEVになるまでは、乾いた雑巾を絞る程度の改良しかできないと思っていたのですが、その考えは間違っていたのです。トヨタ車体が展示していたX-VAN GEAR CONCEPT(クロスバン ギア コンセプト)は、“こんなアイデアがあったんだ”と感嘆するクルマでした。

フロントドアとセカンドドアがフルオープンで開き、そして車内はリビングルームのようで、車高も少し高くなっています。Bピラーレスで、フロントドアはスライドドアのごとくフルオープンになります。フロントドアは構造的にスライドドアにはできないため、ヒンジタイプで横開きするドアになっています。先日発表されたGRMNセンチュリーのリアドアと同じタイプになっています。また、室内は、左側のフロントシートとセカンドシートが共通（一席）になっており、シート回転も自由自在です。そしてインパネ部分の物入れなどは、引き出しのような仕様になっています。とにかく素敵な仕様なんです。そして、この車には利用者の使い方によって選択可能なGEAR（アウトドア アクアライン）、CORE（ナチュラル仕様）、TOOL（ホビー、スポーツなど自分だけの秘密基地）という3つの仕様があるそうです。

この車はコンセプトであり、駆動方式、エンジンなのかBEVであるのかなどの仕様は明らかになっていませんが、ミニバンの将来像だろうなと思いました。というのも、日産が展示しているプレミアムEVミニバンのハイパーツアラーもBピラーレスでフロントドアがフルオープンする仕様なんです。そして、車高の少し高い三菱自のデリカミニが大人気の昨今。トヨタ車体のミディアムミニバンといえば、ノア、ヴォクシーです。近い将来このような仕様で登場するかもしれませんね。

（GAZOO編集部：岡本）