HKSはアフターパーツで培ったノウハウで『マルチエナジー』の実現へ・・・東京オートサロン2024

日本を代表する総合チューニングパーツメーカーとして世界的にも知られる『HKS(エッチ・ケー・エス)』。もちろん東京オートサロンでも中心となるブースの一角である。
そんなHKSブースにR35 GT-RやGR86とともに並んでいたのは、アースカラーのハイエース。
金曜日のプレスカンファレンスで発表された内容によると、HKSは『アフターパーツ業界もカーボンニュートラルに取り組む時代』であるとし、これまでも開発に力を入れてきた天然ガスやCNGといったガス燃料をはじめ、水素燃料やカートリッジ電源、PHEVやカーボンニュートラル燃料など、さまざまな方法でクルマを走らせる取り組みをさらに加速させていくとのこと。そして、それを具現化したのがこのハイエースなのだと言う。

水口代表にお話を伺ったところ「これまでアフターパーツメーカーとして培ってきた“市販車をあとからカスタムする”という技術やノウハウを、エコやカーボンニュートラルの方向にも活かしていきたいです。そうすることで『メーカーによって作られたエコカーを買う』と言う手段だけではなく『自分の好きなクルマをカーボンニュートラル化して乗り続ける』という選択肢も生まれますからね。もちろん、ただエコなだけではなく“環境にもやさしいハイパワー車”なども手がけていきたいです!」と語ってくれた。

エンジンはカーボンニュートラル燃料で発電用として使い、その電力によってモーターで走らせるハイブリッドカーへとカスタマイズ。「エンジンを乗せ換えてしまうEVコンバートよりもサステナブル」とのことだ。さらにコンセントから充電できるプラグイン化や、天然ガスやCNGで走れるようにガスタンクも搭載するなど、さまざまなアプローチによって『マルチエナジー化』している。すべてのシステムは床下に搭載されるため、車内空間は有効に使うことができるのもポイント。

さまざまな手法によって発電した電力をバッテリーに貯めて電源として供給することで、エンジンをかけなくても車内で快適に過ごせる空間にすることができる。今回は参考としてバイクを積めるカーゴ仕様へとカスタマイズしているが、キャンピングカーや災害時の電源車としての活用方法も考えているという。

『CNR FUEL』と名付けられたこの燃料は、簡単にいうと“環境に優しいレースガス”。燃料メーカーが進めるJIS規格のカーボンニュートラル燃料よりもハイパワーな車両に対応できる性能に特化しているという。かつてドラッグレース用燃料を手がけたHKSが、今度は“ハイパワーを狙いつつ環境にもやさしいガソリン”を開発していると言うわけだ。

ほかにもサステナブルな取り組みとして、第二世代GT-Rに搭載されるRB26DETTエンジンの中古シリンダーブロックを捨てずに再利用するための鋼鉄製シリンダーライナーなども開発中とのこと。

また、GT-RやGR86は “ユーザーのニーズに応じたコンプリートカーを製作販売する”という新しい取り組みのコンセプトモデル。『THE HKS』というブランド名で展開し、日本だけではなく海外のユーザーも“自分好みのHKSコンプリートカー”を手に入れることができるように取り組んでいくという。
2023年に創立50周年を迎えたHKSが、次の50年を見据えて新たに掲げたコンセプトは『Tune the Next その先に挑め。』
最高速、ドラッグレース、タイムアタック、ドリフト…さまざまなカテゴリに挑戦してきたHKSの、新たなチャレンジに期待したい。

GR86はタイムアタックで培ったノウハウやパーツを組み込み、オリジナルエアロでドレスアップ。

4.3L化や新開発の大容量ターボなどにより、合法仕様でありながら1000psオーバーを発揮するGT-R NISMOの2024年モデル。

レクサス・LMは後席スペースにドライビングシミュレーターを搭載。サーキットに行くまでの時間も、ガレージに停めている時でも楽しめるという提案だ。

[GAZOO編集部]