個性的なアイディア盛りだくさんの専門学校ブースに注目！･･･東京オートサロン2024

型に囚われない個性的な発想のカスタマイズで、もはやオートサロン名物となっている各自動車大学校のブース。

ビックリドッキリ系だけでなく、本格的な旧車のレストアなど、様々なアイディアで楽しませてくれているクルマをピックアップしてご紹介！ 若さ溢れるエネルギッシュなカスタムカーをご覧頂こう。

26年連続で東京オートサロンに出展している、NATSこと日本自動車大学校。その完成度やアイディアはなかなかのもので、毎年のように賞を受賞しているほどだ。

今回、注目したいのは『NATS JIMNY J1』というアメリカンSUVを思わせる1台で、ベースとなるボディパネルはJA11型のスズキ・ジムニーなのだが、なんと2台分を繋ぎ合わせて幅約2,200mmと超大型化しているのだ。

また、JA11は元々3ドアなのだが、フロントドアとリヤクォーターウインドウをベースにして、加工製作したドアでリヤドアを増設しているなど、ただ大きくしただけでないところも注目ポイント。これで公認車両を目指しているというのだから恐れ入ったものだ。

ヘッドライトもジムニー純正を流用しており、外側がJA11用、内側がJA21用とのこと。グリルは社外品をワイド加工している。

幻のケンメリレーシングを、コンパクトな日常仕様のクルマにすることをコンセプトに製作されたのが『幻のちびメリ』だ。

ベース車両は卒業生が寄贈したボロボロのスズキ・マイティボーイなのだが、こちらは本物のケンメリのヘッドライトやグリル、バンパーを流用しており『NATS JIMNY J1』とは逆に、ナロー化しているという。

他にも内張りの張替えなど、レストアにも力を入れており、約半年かけて製作。カラーリングも含めて、しっかりとケンメリレーシングをオマージュした完成度だった。

テールレンズなどは本物のケンメリから移植。かなりくすんでいたので、ピカピカに磨きあげたそうだ。バンパーは真ん中をカットして幅を狭くしたのだが、継ぎ目が目立たないようするのに相当苦労したという。

こちらのマツダ・ルーチェは、自動車車体科という鈑金塗装の資格を取る学部生が製作した車両。

穴が開いていたボディ部は、鉄板などを使って復元し、ボロボロになっていた塗装はエンジンルームも含めてすべて塗り直されるなどフルレストアした1台だ。

ホンダ・アクティとホンダ・ストリート、スズキ・フォーミュラハヤブサを合体させた『HOT ROTY』は、卒業製作として取り組んだ、超ペッタンコなクルマ！

製作内容を学生同士でプレゼンし合った結果、この案が採用されたそうなのだが、こちらのアメリカンな1台を発表した生徒が持っていた車両をベースにしたとのこと。

エアサスを装着しているのだが、車体ではなくボディのリフトアップ用としているなど、ひと味違ったカスタムを施している。

車体とボディのフレーム間にエアバッグを装着することで、ボディのみをリフトアップすることを可能としている。

コクピットの計器やエンジン、フレーム類はフォーミュラハヤブサのものをそのまま使用。まるでドラッグレース用車両のような風貌だ。

日産・キューブに410ブルーバードのパーツを組み合わせ、現代のパイクカーをイメージして製作したという『SETO』。

ブルーバードのグリルに合わせて加工したフロントマスクだけでなく、プレスラインを再現したサイドビューにも注目。キューブのボディと違和感が出ないようにデザインしたそうだ。

フェンダーには特にこだわったという、力作のプレスライン加工。シルバーのドアモールも410ブルーバードから移植したとのこと。

東京都八王子市に位置するトヨタ東京自動車大学校からは、レクサス・LC500のボディ塗装を剥離し、グラインダータトゥとゴーストペイントを施した1台。

エアフォース製エアサスペンションの取り付けも実習の中で学生が行なっている。

トヨタ東京自動車大学校・LC802(Love City ハチオウジ)

グラインダータトゥの上から、クリアブルーとクリアブラックを複数回重ね塗りし、クリア塗装で仕上げている。

新型プリウスの近未来的なヘッドライトを活かしたスタイリッシュなクルマを目指して製作した『GAUS 650VISION』。

元々は学生のレース車両として使用していたホンダ・インテグラをベースに、フェンダーやバンパー類をオリジナルデザインで自主製作した。

平成のスポーツカーを未来まで輝かせたいと、学生たちがフルレストアに挑んだ1台。

学校にあった凹みだらけの実習車両を綺麗に鈑金したほか、ダッシュボードの張替えなど各種リフレッシュを行ない、まるで新車のような輝きを放っていた。

文章・写真：相澤 康行
[GAZOO編集部］