沖縄県うるま市が自治体主体でモータースポーツの裾野を広げる活動を実施

  • うるま市長杯2&4レースin伊計島の会場であるAJリゾートアイランド伊計島

    うるま市長杯2&4レースin伊計島の会場であるAJリゾートアイランド伊計島

2024年1月21日に沖縄県うるま市でうるま市主催「うるま市長杯2&4レースin伊計島」が行われた。関東地方の山間部では大雪と報じられていた日でだったが、うるま市は少しひんやりする程度で、心地よい気候だ。会場は沖縄本島から平安座島、宮城島と通過し3つ目にある伊計島のAJリゾートアイランド伊計島で那覇空港から車で90分。ここに全長600mの本格的なミニサーキットコースが併設されおり、ここを舞台に手作り満載のモータースポーツの祭典が行われた。祭典内容は、レーシングカート、ミニバイク、ラリーカーのデモランとなる。

特別ゲストによるラリーカーのデモランで、ラリーカー(GRヤリス)をドライブしたのは、WRCにも参戦歴があり、全日本ラリー選手権で10度もの総合チャンピオンを獲得、TGRのラリーチャレンジにも参加している、奴田原文雄選手。クルマにとっては狭いコースながらコースを上手く利用し迫力ある走りを披露した。デモラン終了後に、中村正人市長のラリーカーに同乗したいという要望に応え、中村市長を驚かす走りを行い、走行後にTGRラリーチャレンジの成功を約束して中村市長と握手を交わした。

レーシングカートにはSUPER GTに参戦している2選手が参加。MASTERSクラスには片岡龍也選手が参戦した。SUPER GT、そしてROOKIE Racingで監督兼選手の片岡龍也選手だ。SENIORクラスのゲストとして参戦する平良響選手に、連れてこられたそうだ。平良響選手はこっそり片岡龍也選手をエントリーしていたとのこと。
片岡龍也選手、平良響選手ともにもレーシングカートからモータースポーツのキャリアをスタートさせた選手らしい、本気走りを予選、本線とも披露し観衆を沸かした。なお、平良響選手は、沖縄で小学生の時からレーシングカートをスタートし沖縄でチャンピョンになっているため、沖縄っ子の憧れの存在である。

会場にはキッチンカーや子供向けにクルマを安全そして楽しむJAFの出展や、クルマのアクセサリーを中心とした物販なども行われており、お客様でにぎわっていた。また伊計島温泉AJリゾートアイランドは満室、駐車場も満車と、地理的な不便さを忘れるくらい多くのモータースポーツファンが集まっていると感じた。

うるま市の中村正人市長はこの大会の意義を以下のように述べた。
「うるま市は、モータースポーツによる地域活性化及び滞在型観光の推進を図ることを目的に、モータースポーツ振興推進事業を取り組んでいます。地域資源を活用したモータースポーツ・ツーリズムの展開を掲げており、今年度は、モータースポーツの普及及び理解促進、イベント開催による効果・検を行うことを目的として本イベントを開催している。」

このように自治体がモータースポーツを積極的に活用して地域活性化や滞在型観光の推進を行っているのは全国的に稀であるが、うるま市のお隣の沖縄市も積極的に取り組んでいる。ご存じのように沖縄モーターショー、モータースポーツマルチフィールド沖縄がその活動の一例だ。そして、沖縄市とうるま市のモータースポーツ活動とトヨタTGRの想いが合致し、2024年3月にTGRラリーチャレンジが沖縄市とうるま市で行われることになっている。

ラリーチャレンジ推進にあたっては、沖縄トヨタの強力なサポートを得て準備は着々と進んでいるいるようだ。その沖縄トヨタはラリーチャレンジにGR86とGRヤリスの2台体制で参戦し、GR86は沖縄トヨタの野原朝昌社長が乗り込む予定だそうだ。またラリーチャレンジに先駆け、沖縄に初めてのGRガレージをトヨタウン港川店のショールーム内に併設する予定だ。

今回のような、地元のモータースポーツ好きが一同に集まるイベントやラリーチャレンジを継続的に実施すれば、沖縄県民にモータースポーツ愛好家が増えることになるだろう。その結果、うるま市市長杯にカートやミニバイクで参戦しているような裾の根でがんばる小さな子供たちが増えるかもしれない。そのためには、沖縄出身の国内トップカテゴリーで活躍している平良響選手や中村優佑選手のような憧れの存在が重要になる。どのスポーツにも共通すると思われますが、今回のような裾野を広げる活動がモータースポーツ普及には重要だと改めて感じたと同時に、モータースポーツによる地域活性化及び滞在型観光の推進は可能であると感じた。

  • 小さな子供たちがミニバイクを楽しんでおり、走りは本格的だ

    小さな子供たちがミニバイクを楽しんでおり、走りは本格的だ

(GAZOO編集部 岡本)

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