『オレ流の理想形』が爆誕! チューナーの夢を形にしたコンセプト RE雨宮/クルウチ･･･東京オートサロン2025

東京オートサロンと言えば、次世代へと繋がる夢のコンセプトモデルを見るのも醍醐味のひとつ。ここでは、2人のチューナーが東京オートサロン2025でお披露目した、ワクワクするようなマシンを紹介しよう。

2023年のジャパンモビリティショーで、マツダがコンパクトスポーツカーコンセプトとして発表した『ICONIC SP』は、低重心なフォルムで各方面から好評を博した意欲作だったが、残念ながら市販化される気配はない…。
そこで立ち上がったのが、あの名門RE雨宮の“雨さん”こと雨宮勇美 代表。FD3S型RX-7をベースに、ボディをカーボンでフルリメイクし、『刻』というニックネームを与えて東京オートサロン2025に出展したのが「マツキヨ 刻 3ローター NA-7 by RE雨宮」だ。

全身をカーボンで覆った迫力のワイド＆ローシルエットの押し出しの強さは圧巻。ND型ロードスターのヘッドライトを流用しつつ、シングルの丸型テールとのバランスも流石。非常にアイコニックなコーディネートが存在を主張する。

全体的なイメージとしては、もっと以前の東京モーターショー（2015年）で発表された『魂動(こどう)』デザインを具現化したコンセプトモデル『RX VISION』をもイメージに取り入れているという。流れるようなフォルムは世界中から称賛を浴びたが、こちらも市販化されることはなかった…。

RE雨宮『刻』のエンジンは、なんと3ローターのNAで、ピックアップの良さにこだわっているというのも“雨さん流”。ちなみに、ミッションはRX-8の純正を流用。マツダのコンセプトカーを独自の解釈で昇華させていった、RE雨宮のマシンメイクに脱帽だ。

鮮烈なレッドのイメージがピッタリと映えるインテリアには、ブリッドのバケットシートをセレクト。いかにも“走り”を予感させるコーディネートである。

ゴールドに彩られたホイールはエンケイのRS05RR(20インチ)。ADVAN Sportのタイヤチョイスも、刻のコンセプトとマッチする。

一方、三重県の自動車販売店でありつつ、新旧スポーツカーを支援し、プライベートミュージアムまで設立するという異彩を放つのがクルウチ(CREWCH)。毎回、斬新なアイデアで夢のあるスポーツカーカスタマイズを発信し続けるが、今回の注目は『GT-R R356C』のニックネームがつけられたR35型GT-R。

久留内代表によれば、｢GT-Rって、世界に誇るスーパーカーだと思うんですが、それに見合ったオーラが足りないなと感じていたんです。そこで、未来のGT-Rを作ってみました｣と、開発の経緯を語る。

GT-Rをスーパーカーに見せるにはどうしたらいいか? そのプロジェクトの始まりは原画を書き起こすことから始まった。

｢自分が乗るなら、エンツォ・フェラーリみたいに低く見えるクルマが良くて｣という観点で、まず低く見せるためにチョップドルーフ化。さらにガラス面積を小さくするため、カウル部分は5cmほど延長している。

ストレッチされたボディでクルマ自体が大きくなり、そのままだとボテッとした印象になってしまうので、ホイールを24インチまで大径化。全体のボディバランスを整えている。
限られた期間の中で、妥協のない『理想のスーパーカー化計画』を実現したクルウチのマシンメイキングには感心するばかり。

フロントはエンツォのイメージで、グリルだけはR34をモチーフに。ボディやシャーシは極力切断せず、R35GT-Rの持つボディ剛性を失わないように心掛けたという。

(文章・写真: TOKYO CIAO MEDIA)