伝説の「大川ソアラ」をオマージュ! トラストがGReddyソアラを製作しレストア事業を本格化・・・東京オートサロン2025

  • 大川ソアラをオマージュしたトラストのGreddyソアラ

    大川ソアラをオマージュしたトラストのGreddyソアラ


日本を代表するチューニングパーツメーカーのひとつであるトラストが、東京オートサロン2025に向けて、なんと初代ソアラのデモカーを仕立て上げてきた。『最近は、走りだけでなく置き系のイベントにも顔を出す』というトラストの川島さんが、ソアラを製作するきっかけを語ってくれた。

「置きイベの会場に行くと、若い世代のクルマ好きも旧車に興味があることに気付かされたんです。それならウチも旧車をやろうという話になって『ウチがやるなら10ソアラだろ』とデモカーを作ることになったんです」

1980年代当時、最高速度を狙うには日産のL型エンジンやマツダのロータリーエンジンが主流であった。そうした中、トラストは茨城県の谷田部にあったテストコースで行なわれていた最高速チャレンジに、トヨタの6Mエンジンをベースに自社でツインターボ化した初代ソアラ、通称『大川ソアラ』で参加し、1986年に316km/hという大記録を打ち立てたのだ。

「そんな伝説の大川ソアラをオマージュして、10ソアラ、6M-G、それからツインターボという骨子はそのままに、その他の部分には現在の技術をフルに投入したソアラに仕上げました」

エンジン本体はOS技研製のピストンやH断面コンロッドを組み込んだ3.1リッター仕様で、グレッディTD05タービンをツインで組み合わせる。エキゾーストマニホールドは当然ツインターボ用、インタークーラーやパイピングもこのクルマのために仕立てられたスペシャル品だ。
ここまではかなり当時を意識した仕様のように感じるかもしれないが、エンジン制御にLINK製のフルコンを用いたり、エアサスペンションキットも活用したりと、昭和時代にはなかったエンジニアリングも投入される。

そして驚くことに、このソアラと同様、もしくは部分的に好みの仕様に変更した車両を、同社の『GReddy FACTORY』でオーダー可能ということだから、とくに当時を知るクルマ好きにとっては涙モノ。古き良き“あの時代”に浸りたいなら、食指が動かないワケはないだろう。
そしてこの『大川ソアラ』は、そんなトラストが手がけるレストア&カスタム事業の“見本”というわけだ。

  • トラストのGreddyソアラの6M-Gツインターボエンジン
  • トラストのGreddyソアラの6M-Gエンジンをツインターボ化

エンジンは、6M-Gとツインターボというパッケージングにこだわって製作。それ以外は現代の最新技術を惜しみなく投入し、例えばエンジン制御は当時の純正ECU+レビックⅡ制御による追加インジェクター仕様ではなくLINK製のフルコンでの制御となっていて街乗りも普通にこなせるフレキシビリティを有するそうだ。

  • トラストのGreddyソアラのインテリア
  • トラストのGreddyソアラのデジタルパネル

ソアラには設定のなかった黒の内装とするために、ダッシュボードまで黒い表皮に張り替えるというカスタムが行なわれている。ちなみにメーターはソアラの代名詞とも言える“デジパネ”だ。

  • トラストのGreddyソアラのリクライニング式のバケットシート
  • トラストのGreddyソアラのオートエアコンのコントロールパネル

シートもブラックの表皮で張り替えられた、リクライニングタイプのバケットシートをセレクト。オートエアコンのコントロールパネルは、初代ソアラの上位モデルに装備されたもので、令和の今見てもなかなか先進的なデザインだ。

  • トラストのGreddyソアラが履くワーク製のMEISTER M1

ホイールはワーク製のMEISTER M1で、フロントが17×9.0J、リヤが17×10.0J。足回りは、置き系イベントでの見栄えが得られ、しかも本気の走りにも応えてくれる性能も有することから、Ploom製のエアサスキットを組み合わせる。ブレーキは貴重なデッドストック品であるGREXの4ポットキャリパーを装着。

  • 6M-G搭載車にのみ装備された『3.0GT』のエンブレム
  • トラストのGreddyソアラはGReddyのパワーエクストリームTRを装着

美しく磨き上げられたテールランプの上は、6M-G搭載車にのみ装備された『3.0GT』のエンブレムが誇らしげに輝く。バンパー下から覗くマフラーはGReddyのパワーエクストリームTRだ。

(文章・写真:坪内英樹)

東京オートサロン2025