オートサロン会場の風物詩！ フレキシブルな発想で造り上げるNATSのゴキゲン学生マシン･･･東京オートサロン2025

誰も思いつかないような発想力で、毎年来場者をアッと言わせてくれるNATS(日本自動車大学校)のブース。同校はこれまで、カスタマイズカーグランプリを1回受賞、各部門の最優秀賞を9回、優秀賞を11回も獲得している。実際に車検も取得できるよう製作されるクルマのクオリティは年々高くなり、NATSのブースを楽しみに来場するファンも少なくないようだ。

『自分達が乗りたいクルマ』を作るべく、ユニークな想像で度肝を抜くNATSの出展車両。担当するカスタマイズ課の学生にとっては、期待値が高くなるほどプレッシャーも感じるそうで、その壁を乗り越えるべく、気を引き締めて取り組んだ『卒業制作』を拝見させて頂こう！

まずは『NATS SAMURAI』と命名された、USローライダーテイストの車両。ベースは校長先生が所有の旧型ジムニーで、これをボディカットして派手なゴールド系のフレークカラーにペイント。なんと6層も塗り重ねているらしく、深みのある美しいカラーが特徴となっている。
車体後部にスペアタイヤを背負う、通称『コンチネンタルキット』は、メインカーのみならずトレーラーの後部にも装備。ダブルコンチ仕様で溢れんばかりの学生パワーを主張していた。

以前アルファード用に作ったトレーラーを再利用してジムニーに合うよう加工したうえで連結。そこに同じコンセプトでカスタマイズされたオートバイを積載。チョッパーを意識したハンドルや、ガーターフォーク風のフロントフォークをメイキング。
メインカーは油圧のハイドロシステムを搭載することで大幅なローダウンを実現させるなど、全方位、抜かりない完成度で圧倒的な存在感を示していた。

内装も鮮やかなゴールドカラーのペイントで統一。1940～1960年代にかけて隆盛してきたローライダー文化をリスペクトし、サイケデリックな塗装や様々なギミックを盛り込むなど、学生の解釈でメイクされたこのマシン。本家であるメキシコからの移民、チカーノのブラザーにも眩しく映っているはずだ。

もう1台の注目は、往年のカストロールカラーがおじさん世代に突き刺さる『NATS LFA II-GT concept』と名付けられたGTカーをモチーフとしたマシン。

ベースはトヨタ86(ZN6)で、全体的なシルエットはレクサスLFA風でコンプリート。そのボディは、ワイヤリングののち、鉄板をあてて造形していくという高度なメタルワークで製作。併せてフロント部を250mm延長するなど、プロもビックリの工程を踏んでいる。

見た目はレクサスLFAだが、デカール類はまさに『カストロール・トムス・スープラ』を再現しているそう。担当した学生によると｢当時の映像や写真を調べて、なるべく忠実に再現しました。最終的には車検の取得が目標なので、エアサスによって車高を戻せるようにしています｣とのこと。

室内は1シーター化されていて、ロールケージも張り巡らされる。ホイールはワーク製MEISTER S1の18インチで、フロント11J-34、リヤ13J-60という超極太サイズを装着している。

(文章・写真: TOKYO CIAO MEDIA)