【ルマン24時間】トヨタ1-2凱旋会見…中嶋一貴「過去の悔しさや厳しい経験を、勝利というかたちで乗り越えられた」
ルマン24時間レース(16~17日決勝)で総合1-2フィニッシュを飾ったトヨタ(TOYOTA GAZOO Racing)の中嶋一貴と小林可夢偉が、21日に都内で凱旋会見を実施。優勝の中嶋一貴は、絶対本命の重圧下でトヨタにとっての宿願を果たした達成感や安堵感を語った。
結果ベースで考えれば、最上位LMP1クラスで唯一の自動車メーカーによるワークス参戦ハイブリッドマシンであるトヨタTS050に、今年のルマンで敵はいなかった。しかし、8号車(中嶋一貴組)と7号車(小林可夢偉組)は互いに勝利を目指して「許される範囲内でプッシュし合って、勝負していました」(一貴)。そして、外野には陣営の勝利確実と見られるなかでの臨戦は相当なプレッシャーを伴うものでもあったようだ。
しかもトヨタは、これまでのルマン挑戦で幾度かの惜敗を経てきている。2016年にはゴール寸前のトラブル逸勝劇まであった。その時の当事者だった一貴は、自身とトヨタにとって初のルマン総合優勝の実感をこう語る。
「これまでたくさんのことがありました。それは悔しい気持ちであったり、厳しい経験であったりしたわけですが、勝利というかたちで乗り越えることができてホッとしています。自分は7回目のルマンでしたが、トヨタとしては30年以上前からの挑戦で、今年が20回目。大きな目標を達成できたことを実感しています」
「最後までプッシュして走れるクルマをつくってもらえました。感謝しています。思わぬことが起きるのがルマンということはイヤというほど感じてきました。どんな状況になっても、それに対応できる準備をチームと一緒にしてきたことがいちばん大きい(勝因だ)と思います。ドライバー6人としても、最後まで集中を切らさずに走ることができました」
「(7号車とはコース上での)無用な争いはしないなかでも、僕たちが追いかける局面ではいい集中で走れていたと思います。そういうふうにお互いが勝負していたことも含めて、(これまで見放されていた)運を引き寄せられるだけの準備と内容があったのかな、と感じています」
これまで以上に万全の準備。会見に同席したGRモータースポーツ開発部の小島正清部長も、「ネジ1本から再チェックしました。徹底的な(信頼性確保のための)見直しをしており、今年は『壊れない』と思って見ていました」と語る。致命的なマシントラブルが起きることはなく、7号車にあった給油ピットインをし損なうという事態にも、陣営は「こんな時にはこうする、そういう訓練をしてきました」(小島氏)という成果を発揮して冷静に対処した。
一貴は最終スティントでゴールを目指している時も、「クルマのトラブルは起きない、と自分のカラダが感じていましたね。ですから、ドライビングミスで台無しにしないように、ということの方を意識していました」と、2018年仕様のトヨタTS050に絶対の信頼があったことを語る。ちなみに「最後の1周、無線で(一昨年の最終盤トラブルを意識した)冗談を言おうかな、と、乗る前には思ったりもしました(笑)。期待していた人もチームにはいたみたいですけど、実際にはそんな余裕まではなかったですね」。可夢偉との1-2フォーメーションでのゴールには周回遅れの処理等で“課題”も残ったらしく、「来年はどっちが前がわかりませんが、もっとうまくやりたいと思います」と会見場を笑わせた。
世界耐久選手権(WEC)2018/2019シーズンは、これで2戦を終了。開幕2連勝となった一貴は、「ルマンを1回勝ったからといって(いろいろな意味で)これがゴールではないですし、シリーズタイトルも同じくらい重要な目標だと思っていますので、残りのシーズンもしっかり戦いたいです」と今後のシーズンを見据える。そしてシーズン最終戦となる来年のルマンでも、再び可夢偉組とは忖度なしで真っ向から戦う構えだ。
「(自分たちの組が)タイトルを獲るためにも、次のルマンも勝たないといけないと思います。またチームメイト同士でガチンコの勝負をして、勝ちを狙っていきます」
(レスポンス 遠藤俊幸)
結果ベースで考えれば、最上位LMP1クラスで唯一の自動車メーカーによるワークス参戦ハイブリッドマシンであるトヨタTS050に、今年のルマンで敵はいなかった。しかし、8号車(中嶋一貴組)と7号車(小林可夢偉組)は互いに勝利を目指して「許される範囲内でプッシュし合って、勝負していました」(一貴)。そして、外野には陣営の勝利確実と見られるなかでの臨戦は相当なプレッシャーを伴うものでもあったようだ。
しかもトヨタは、これまでのルマン挑戦で幾度かの惜敗を経てきている。2016年にはゴール寸前のトラブル逸勝劇まであった。その時の当事者だった一貴は、自身とトヨタにとって初のルマン総合優勝の実感をこう語る。
「これまでたくさんのことがありました。それは悔しい気持ちであったり、厳しい経験であったりしたわけですが、勝利というかたちで乗り越えることができてホッとしています。自分は7回目のルマンでしたが、トヨタとしては30年以上前からの挑戦で、今年が20回目。大きな目標を達成できたことを実感しています」
「最後までプッシュして走れるクルマをつくってもらえました。感謝しています。思わぬことが起きるのがルマンということはイヤというほど感じてきました。どんな状況になっても、それに対応できる準備をチームと一緒にしてきたことがいちばん大きい(勝因だ)と思います。ドライバー6人としても、最後まで集中を切らさずに走ることができました」
「(7号車とはコース上での)無用な争いはしないなかでも、僕たちが追いかける局面ではいい集中で走れていたと思います。そういうふうにお互いが勝負していたことも含めて、(これまで見放されていた)運を引き寄せられるだけの準備と内容があったのかな、と感じています」
これまで以上に万全の準備。会見に同席したGRモータースポーツ開発部の小島正清部長も、「ネジ1本から再チェックしました。徹底的な(信頼性確保のための)見直しをしており、今年は『壊れない』と思って見ていました」と語る。致命的なマシントラブルが起きることはなく、7号車にあった給油ピットインをし損なうという事態にも、陣営は「こんな時にはこうする、そういう訓練をしてきました」(小島氏)という成果を発揮して冷静に対処した。
一貴は最終スティントでゴールを目指している時も、「クルマのトラブルは起きない、と自分のカラダが感じていましたね。ですから、ドライビングミスで台無しにしないように、ということの方を意識していました」と、2018年仕様のトヨタTS050に絶対の信頼があったことを語る。ちなみに「最後の1周、無線で(一昨年の最終盤トラブルを意識した)冗談を言おうかな、と、乗る前には思ったりもしました(笑)。期待していた人もチームにはいたみたいですけど、実際にはそんな余裕まではなかったですね」。可夢偉との1-2フォーメーションでのゴールには周回遅れの処理等で“課題”も残ったらしく、「来年はどっちが前がわかりませんが、もっとうまくやりたいと思います」と会見場を笑わせた。
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