【ルマン24時間】トヨタ1-2凱旋会見…小林可夢偉、GRスーパースポーツコンセプトの市販を待望「すぐ買いたいです」
21日に行なわれた、トヨタ(TOYOTA GAZOO Racing)のルマン24時間レース1-2凱旋会見。2位に入った小林可夢偉はレース後の想いや実感とともに、ルマン現地でもお披露目された『GRスポーツスポーツコンセプト』への“熱い購入意欲”を示した。
小林可夢偉らの7号車TS050 HYBRIDは、中嶋一貴組の8号車に次ぐ総合2位でゴール。もちろん可夢偉たちも勝ちたかったし、対他的に1-2圧勝の展開となるなか、陣営は7号車と8号車に“レースをさせていた”。その戦いは終盤まで同一周回で続き、勝った8号車の一貴にしても、自分たちが前でゴールできるという確信がもてたのは22時間経過後、可夢偉組7号車に給油ピットイン見逃しによるスローダウンラップがあり、ついに1周差がついた頃であったという。
給油ピットイン見逃しは可夢偉のドライブ時だったが、「あれはシンプルなエラーです」と本人。また、7号車にはレース序盤からセンサーの不調があったといい、レースを進めながら路面状況の変化等に細かい車両調整で対応する部分では難しい要素を抱えていたそうだ。トリオを組むドライバーたちとは「8号車に勝つのは厳しくなっていくだろう」との見解を早くから共有しつつのレースでもあった。それでも7号車は好戦し、可夢偉はトヨタ1-2の一翼を担ってコクピット内でゴールを迎える。
「まず、今回の目標だった1-2フィニッシュができたことをチームに感謝したい、それが一番の想いです。僕たちにはすごいプレッシャーがあるレースでした。(総合3番手以降に対しては)展開的に余裕と見えたかもしれませんけど、プレッシャーが本当に大きくて、そこでレースをしっかりやるのは大変でしたね。もちろん(優勝争いは)楽しいんですけど、その反面、楽しんでいいのかと思ったりして、そういう瀬戸際のところを(気持ち的に)行ったり来たりしていました」
優勝した一貴も言っていることだが、ルマン24時間という過酷なステージで優勝、1-2を絶対視される状況がもたらす重圧は相当なものであったことがわかる。しかしチームは、トラブルやアクシデントが起きた時への対応策にも万全を期してレースに臨み、致命的なトラブル等を出さず1-2でレースを終えたのであった。LMP1クラス単独ワークス参戦だったという“額面”以上の評価を得るべきパフォーマンスといえよう。
もちろん、コース上にこれといったライバルがいない状況下ならではの戦い方もあった。可夢偉が言う。「今年は縁石に乗ると(チームに)怒られるんですよ(笑)」。少しでも速くコーナーを走るより、少しでもマシンをいたわる、そういう方針の徹底だろう。また、身内の2台による優勝争いのなかでは「走っているとギャップ(差)を教えてもらえませんでした」。ドライバーを熱くさせすぎないためのチームの工夫か。走っていない時に情報が得られるとはいえ、コース上ではまさに「自分との戦いでした」。
可夢偉自身のルマン総合初優勝は来年以降にお預けとなったが、今回はトヨタの初制覇を目標通りの1-2で果たし、一定以上の満足感、安堵感を得ている様子の可夢偉。「今回は(センサー不調もあり)割り切ってレースをしていたところもあります。来年、(自分たちが)勝てたらいいと思います」。
さて今回の1-2凱旋会見では、ルマン現地でもお披露目され、市販化を目指しての開発に着手した旨が発表された「GRスーパースポーツコンセプト」にも話題が及んだ。今年1月に東京オートサロンでデビューした同コンセプトは、WEC LMP1マシンであるTS050 HYBRIDの市販バージョンを開発する、ともいえる計画だ。可夢偉はトヨタのレーシングハイブリッド技術の素晴らしさを「ドライバー目線で」讃えつつ、同コンセプトの市販にも熱い期待を込めた。
「燃料だけのエンジンで24時間をこのスピードで走ったら、どれだけの燃料を使うのか。明らかにハイブリッドは効率がいいと思うわけですよ。それにドライバーとしてはルマンでのTS050は、走りやすい、乗りやすい、乗っていて安心、なんです。だからこそ、あのスピードで24時間走れる。クルマを乗りやすくするための制御に関しても、ハイブリッドには可能性がたくさんある。そういう良さを証明できてよかったですし、もっと僕たちが発信していかないといけないと思います」
「(そういう良さを活かした高性能市販車が)一日も早く、一般に出回ってほしいですね。(GRスーパースポーツコンセプトが)市販されたら、僕はすぐに買うと言っているんですよ。ただ僕は、以前に150台限定のヴィッツに申し込んで抽選に落選しているんで…。トヨタさんは融通を利かせてくれないんです(笑)」
GRスーパースポーツコンセプト市販の暁には、今回のルマン総合1-2のドライビングクルー6人には無償貸与くらいあっていいような気もするが…? 仮に抽選販売となった場合は、やはり「厳正な抽選」になるのだろう。その際には普通に応募するであろう「兵庫県出身・小林可夢偉さん 職業:世界的レーサー」の抽選結果にも注目したい。
(レスポンス 遠藤俊幸)
小林可夢偉らの7号車TS050 HYBRIDは、中嶋一貴組の8号車に次ぐ総合2位でゴール。もちろん可夢偉たちも勝ちたかったし、対他的に1-2圧勝の展開となるなか、陣営は7号車と8号車に“レースをさせていた”。その戦いは終盤まで同一周回で続き、勝った8号車の一貴にしても、自分たちが前でゴールできるという確信がもてたのは22時間経過後、可夢偉組7号車に給油ピットイン見逃しによるスローダウンラップがあり、ついに1周差がついた頃であったという。
給油ピットイン見逃しは可夢偉のドライブ時だったが、「あれはシンプルなエラーです」と本人。また、7号車にはレース序盤からセンサーの不調があったといい、レースを進めながら路面状況の変化等に細かい車両調整で対応する部分では難しい要素を抱えていたそうだ。トリオを組むドライバーたちとは「8号車に勝つのは厳しくなっていくだろう」との見解を早くから共有しつつのレースでもあった。それでも7号車は好戦し、可夢偉はトヨタ1-2の一翼を担ってコクピット内でゴールを迎える。
「まず、今回の目標だった1-2フィニッシュができたことをチームに感謝したい、それが一番の想いです。僕たちにはすごいプレッシャーがあるレースでした。(総合3番手以降に対しては)展開的に余裕と見えたかもしれませんけど、プレッシャーが本当に大きくて、そこでレースをしっかりやるのは大変でしたね。もちろん(優勝争いは)楽しいんですけど、その反面、楽しんでいいのかと思ったりして、そういう瀬戸際のところを(気持ち的に)行ったり来たりしていました」
優勝した一貴も言っていることだが、ルマン24時間という過酷なステージで優勝、1-2を絶対視される状況がもたらす重圧は相当なものであったことがわかる。しかしチームは、トラブルやアクシデントが起きた時への対応策にも万全を期してレースに臨み、致命的なトラブル等を出さず1-2でレースを終えたのであった。LMP1クラス単独ワークス参戦だったという“額面”以上の評価を得るべきパフォーマンスといえよう。
もちろん、コース上にこれといったライバルがいない状況下ならではの戦い方もあった。可夢偉が言う。「今年は縁石に乗ると(チームに)怒られるんですよ(笑)」。少しでも速くコーナーを走るより、少しでもマシンをいたわる、そういう方針の徹底だろう。また、身内の2台による優勝争いのなかでは「走っているとギャップ(差)を教えてもらえませんでした」。ドライバーを熱くさせすぎないためのチームの工夫か。走っていない時に情報が得られるとはいえ、コース上ではまさに「自分との戦いでした」。
可夢偉自身のルマン総合初優勝は来年以降にお預けとなったが、今回はトヨタの初制覇を目標通りの1-2で果たし、一定以上の満足感、安堵感を得ている様子の可夢偉。「今回は(センサー不調もあり)割り切ってレースをしていたところもあります。来年、(自分たちが)勝てたらいいと思います」。
さて今回の1-2凱旋会見では、ルマン現地でもお披露目され、市販化を目指しての開発に着手した旨が発表された「GRスーパースポーツコンセプト」にも話題が及んだ。今年1月に東京オートサロンでデビューした同コンセプトは、WEC LMP1マシンであるTS050 HYBRIDの市販バージョンを開発する、ともいえる計画だ。可夢偉はトヨタのレーシングハイブリッド技術の素晴らしさを「ドライバー目線で」讃えつつ、同コンセプトの市販にも熱い期待を込めた。
「燃料だけのエンジンで24時間をこのスピードで走ったら、どれだけの燃料を使うのか。明らかにハイブリッドは効率がいいと思うわけですよ。それにドライバーとしてはルマンでのTS050は、走りやすい、乗りやすい、乗っていて安心、なんです。だからこそ、あのスピードで24時間走れる。クルマを乗りやすくするための制御に関しても、ハイブリッドには可能性がたくさんある。そういう良さを証明できてよかったですし、もっと僕たちが発信していかないといけないと思います」
「(そういう良さを活かした高性能市販車が)一日も早く、一般に出回ってほしいですね。(GRスーパースポーツコンセプトが)市販されたら、僕はすぐに買うと言っているんですよ。ただ僕は、以前に150台限定のヴィッツに申し込んで抽選に落選しているんで…。トヨタさんは融通を利かせてくれないんです(笑)」
GRスーパースポーツコンセプト市販の暁には、今回のルマン総合1-2のドライビングクルー6人には無償貸与くらいあっていいような気もするが…? 仮に抽選販売となった場合は、やはり「厳正な抽選」になるのだろう。その際には普通に応募するであろう「兵庫県出身・小林可夢偉さん 職業:世界的レーサー」の抽選結果にも注目したい。
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