17年ぶり復活、トヨタ スープラ 新型が世界初披露…2Lターボ車も

トヨタ スープラ 新型(日本仕様プロトタイプ)
トヨタ自動車は1月14日(米国東部時間)、17年ぶりの復活となる新型『スープラ』を「デトロイトモーターショー2019」にて世界初披露した。日本での発売は2019年春頃を予定しているが、価格は未定。発表に合わせて公開されたエンジン展開、日本仕様の写真を紹介する。

◆「86」より短いボディ、低い重心高


新型スープラは、TOYOTA GAZOO Racing が展開するスポーツカーシリーズ「GR」初のグローバルモデル。2007年のニュルブルクリンク24時間耐久レース初参戦以来、TOYOTA GAZOO Racing がモータースポーツを通じて蓄積してきた知見やノウハウを注ぎ込み、「GR SUPRA」として新たに誕生した。車体をBMWのオープンカー『Z4』と共有していることでも話題となっている。

新型スープラは、卓越したハンドリングや安定したコーナリング姿勢を実現するため、「ホイールベース」「トレッド」「重心高」の3要素を最重要ファクターと捉え、ピュアスポーツカーとしての理想を追求した。

ホイールベースは『86』よりも100mm短い2470mmとし、ホイールベース/トレッド比は量産スポーツカートップレベルの1.55を実現。優れた回頭性に寄与している。また、水平対向エンジンを搭載した86よりもさらに低い重心高を実現したほか、前後重量バランスも理想とされる50:50の配分を達成している。

◆トヨタスポーツカーの伝統を継承


デザインコンセプトは「Condensed(凝縮された) Extreme(過激な) L6 FR “TOYOTA" Sports」。エクステリアでは、ショートホイールベースと大径タイヤによる、タイヤの存在を強調するサイドビューパッケージや、2シーターらしいタイトなキャビンとワイドトレッドからなるスーパーワイドスタンス、直6・FRモデルらしいロングノーズショートキャビンシルエットなどが特徴だ。

また、空気抵抗低減に寄与するダブルバブルルーフや、ランプを車両内側に寄せることでフェンダーのボリュームを豊かに見せ、凝縮したボディデザインとする手法など、かつて『トヨタ2000GT』なども採用した、トヨタスポーツカーの伝統を継承している。

インテリアは、薄いインパネと高く幅広いコンソールによる、典型的なFRスポーツカー空間を創出。シフトバイワイヤ式シフトレバー、8.8インチTFTメーター、大型フルカラーヘッドアップディスプレイによる、運転席中心でタイトな新世代コクピットレイアウトを採用。スポーツカーとしてのパッケージレイアウトの特徴を活かし、GRシリーズ初の「グローバルモデル」にふさわしいスポーツスタイルを目指した。


◆直6・3リットルターボと直4・2リットルターボ


パワーユニットは、スープラの伝統を継承する直6・3リットルターボ(日本ではRZグレードに搭載)に加え、スポーティドライブを気軽に楽しむ直4・2リットルターボ(同SZ-R/SZグレードに搭載)を用意する。最高出力340psの直6・3リットルツインスクロールターボエンジンは、最大トルク500Nmを1600rpmという低回転で発生。アクセル操作に応じた思い通りの加速が味わえる。

直4・2リットルターボには、チューニングの異なる2つのツインスクロールターボエンジンを設定。最高出力258psで軽快なスポーツ走行を楽しめるエンジンと、最高出力197psで街中から高速道路まで爽快なドライビングを楽しめるエンジンを用意している。

◆レクサスLFAを上回るボディ剛性


サスペンションは、バネ下重量の低減、高い組み付け剛性、精緻な動きを追求して新設計したフロント:ダブルジョイントスプリングストラット式、リヤ:マルチリンク式を搭載する。また一部グレードにはアダプティブバリアブルサスペンションシステムを搭載。ドライブモードや路面状況に応じて四輪のショックアブソーバー減衰力を最適に制御することで、走りと乗り心地を高次元で両立している。

また、VSC(車両安定性制御システム)と連携しながら、電子制御多板クラッチによって後輪左右間のロック率を0~100の範囲で無段階に最適制御。コーナー進入時は旋回性能と安定性を高くバランスさせたロック率を選択し、アクセルを踏み込んでコーナーを脱出する際は、ロック率を高め最大限のトラクション性能を発揮する。

また、高次元の走りを実現する高剛性ボディを目指し、アルミニウムと鉄を用いた骨格構造と、異なる素材同士の接合強度を追求。86の約2.5倍、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)キャビンを採用したレクサス『LFA』をも上回るボディ剛性を実現した。

チーフエンジニアの多田哲哉氏は、「走る楽しさを極めたピュアスポーツカーを追求しました。馬力やサーキットのラップタイムのような数値だけを追い求めるのではなく、いかにドライバーが車両と一体となって運転する楽しさを感じられるか、という感性性能を重視しています」と語っている。



(レスポンス 纐纈敏也@DAYS)

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