スープラ 新型発表、サプライズゲストはアロンソ……デトロイトモーターショー2019

トヨタ・スープラ新型(デトロイトモーターショー2019)
誰もが待ち望んでいたその瞬間は、デトロイトモーターショー2019のプレスカンファレンスで訪れた。モーターショーのプレスカンファレンスは、通常なら昨今の自社の話題ではじまることが多いが、トヨタブースは違った。

“カーガイ”である豊田章男社長が自ら『スープラ』を運転して登壇。スープラ以外の話題には触れず、冒頭から最後までスープラの話だけをおこなった。

「このクルマいいね。ずっと乗っていたかったよ……」。スープラから降りるなりそう口を開いた章男社長は、まるで我が子の誕生を喜ぶ父親のように嬉しそうな表情で、新型スープラを世に送り出すことの喜びを語ったのだ。

映画『ワイルドスピード』でフェラーリを破ってから17年もたったけれど80型スープラがいまだにみんなに愛され続けていること、マスタードライイバーになるための運転訓練で多くの時間を一緒に過ごしたスープラが自分にとって特別なクルマだという話、しかしその時の中古のスープラはスヌーピーに出てくるチャリーブラウンのクリスマスツリーの様に何の飾りっけもないクルマであり、トヨタはニュルで新しいスポーツカーのプロトタイプを走らせることができなくてさみしかったこと。彼の口から出てきたコメントはすべてがスープラへの愛情にほかならなかった。

そんな彼は新しいスープラを「私は正直に『新型スープラは、走る楽しさ以上の経験を提供できる、まさに“LIT”なクルマになった』と言うことができます」と紹介。そして「私の息子によると、LITは最高という意味だそうです」と付け加えた。新型スープラを誰よりも待ち望んでいたのは、豊田社長自身かもしれない。そんな印象さえ受けるプレゼンテーションだった。

スープラのお披露目の場には、サプライズゲストが登場。今やトヨタを代表するレーシングドライバーであり、2018年のルマン24時間ウィナーであるフェルナンド・アロンソ選手だ。彼もまた、新型スープラに乗って姿を現した。

「スープラを運転する機会があったと聞いたけれど、その印象はどう? 私の前だからって良いことを言わなくてもいいよ」との豊田社長の問いかけに対してアロンソ選手は、「OK、ボス!」と笑いを誘った後、「本当にレースカーに乗っているようにハンドルを切れ、コーナリングは素晴らしかった。素早く変速でき、加速が速く、ブレーキの性能もいい」とコメント。そして「新型スープラは、走る楽しさ以上の経験を提供できる、まさにLITなクルマになった」と加えた。


(レスポンス 工藤貴宏)

[提供元:レスポンス]レスポンス