【WEC 18/19第6戦】米国セブリング1000マイル戦、トヨタがシーズン5度目の1-2フィニッシュ…中嶋一貴ら8号車トリオが3勝目

#8 トヨタTS050がセブリング戦を制した。
世界耐久選手権(WEC)2018/2019シーズン第6戦「セブリング1000マイル」の決勝が現地15日に行なわれ、LMP1クラスのトヨタがシーズン5度目の1-2フィニッシュを飾った。優勝は中嶋一貴、F. アロンソ、S. ブエミの8号車TS050で、彼らにとってはシーズン3勝目。

昨年11月の上海戦から約4カ月の実戦インターバルを挟み、WECの2018/2019シーズンが再開のときを迎えた。2019年最初の戦いは米フロリダ州のセブリング・インターナショナル・レースウェイが舞台、決勝のレース設定は現地16時スタートの1000マイル(約1600km)戦で、深夜にチェッカーフラッグが振られることになる(最大レース時間は8時間)。

セブリングでは例年この時期に伝統の「セブリング12時間レース」が開催されており、現行WECも最初の2012年シーズンはセブリング12時間を開幕戦とした。現在のセブリング12時間はIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の一戦であり、今回はそのセブリング12時間のレースウイークに、7年ぶりのWECセブリング戦ということになる1000マイルレースが別途“ジョイント”するかたちとなった。1000マイルレースと12時間レースが続けざまにあるという、実に壮大かつ豪華で忙しいレースウイークとなっている。

WEC最高峰「LMP1クラス」の優勝争いは、やはり現状唯一のメーカーワークスチーム「TOYOTA GAZOO Racing」が走らせる2台の「TS050 HYBRID」による同門バトルとなった。まず予選でポールポジションを獲得したのは、中嶋一貴/フェルナンド・アロンソ/セバスチャン・ブエミの8号車。これに小林可夢偉/マイク・コンウェイ/ホセ-マリア・ロペスの7号車が続く。

決勝レースはセーフティカー(SC)導入やフルコースイエロー等の影響もあって、1000マイル268周はクリアできずに8時間の方が先にくることとなった。レースの最終盤25分ほどは強い雨に見舞われ、最後はSCランのままチェッカーが振られている。そして、それをトップで受けたのはトヨタ8号車であった。

レース中盤まではいい勝負をしていたトヨタ勢2台だったが、7号車がロペスのドライブ中にGTカテゴリーのマシンと軽く接触、ピットでの作業で4分ほどをロスすることに。ここで8号車とは周回が違ってしまい、実質的に勝負あり。最終的に8号車は253周を走って優勝、7号車は252周で2位となった。3位でノンハイブリッド勢トップのSMPレーシング 11号車 BR1・AER(M.アレシン/V.ペトロフ/B.ハートレー)は242周。

優勝した中嶋一貴のコメント
「大変なレースだっただけに、セブリングで勝つことができて最高です。外からは簡単なレースに見えたかもしれませんが、自分の最初の担当走行時からコース上の混雑に苦しめられました。最後に再びステアリングを握ったとき、やるべきことは分かっていました。それはリスクを負うことなく、着実に最後まで走り切ることです。終盤、雨が降ってきてからは大変でした。視界がわるく、路面グリップも信じられないほど低下しましたからね。それだけに、無事にチェッカーフラッグを受けられて本当に良かったです」

これでトヨタはシーズン5回目の優勝。第3戦で1-2ゴール後に両車失格となった以外はすべて1-2フィニッシュだ。8号車トリオの勝利は4戦ぶりで、シーズン3勝目。

トヨタ勢同士のLMP部門ドライバーズタイトル争いは、3勝の一貴ら8号車トリオが2勝の可夢偉ら7号車トリオを15点リードした。ちなみに今回のセブリング1000マイルは通常25点の優勝ポイントが32点になるなどの割り増し適用となっていたが、最終戦のルマン24時間には優勝38点となるなど一層高い割増率が設定されているので、残り2戦、可夢偉ら7号車トリオにも(手元計算で)自力逆転の可能性は残っている。

WEC18/19シーズン、次戦は5月4日決勝のスパ・フランコルシャン6時間。そして最終戦は6月のルマン24時間レースとなる(本稿記載の結果、ポイント等はすべてレース終了後公布の暫定決勝結果等に基づくもの)。

(レスポンス 遠藤俊幸)

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