【ルマン24時間】2年連続優勝に向け、トヨタが予選1-2…ポールポジションは7号車の小林可夢偉が獲得

ポール獲得を決めた#7 トヨタの小林可夢偉。
2019年ルマン24時間レースの公式予選が現地12~13日に行なわれ、2年連続優勝を目指しトヨタ(TOYOTA GAZOO Racing/LMP1クラス)が走らせる「TS050 HYBRID」の2台が予選1-2、最前列独占を果たした。ポールポジションは7号車の小林可夢偉が獲得。

フランスのサルト・サーキットを舞台に争われる耐久レース最高の檜舞台、ルマン24時間。今年2019年の大会は、世界耐久選手権(WEC)2018/2019シーズンの最終戦(第8戦)にも位置付けられているわけだが、18/19第2戦だった昨年大会での悲願のルマン初制覇に続く2年連続総合優勝、2年連続1-2フィニッシュを狙うトヨタが、まずは予選でしっかり“定位置”を確保した。ルマンでの最前列独占(予選1-2)は3年連続となる。

予選は12日に1回、13日に2回のセッションが実施され、7号車の小林可夢偉/マイク・コンウェイ/ホセ-マリア・ロペスが可夢偉のマークした3分15秒497というタイムでポールポジションを獲得。昨年優勝の8号車、中嶋一貴/フェルナンド・アロンソ/セバスチャン・ブエミが予選2位に続いた(ベストタイムは一貴の3分15秒908)。可夢偉のルマンでのポール獲得は2017年以来で、自身2度目。

#7 小林可夢偉のコメント
「再びポールポジションが獲得できて、本当に嬉しく思っています。2017年の記録(自身が刻んだレコードタイム 3分14秒791)の更新を狙っていたのですが、それはうまくいきませんでした。路面コンディションやコースの混雑状況は今日より2年前の方が良かったと思います。とはいえ、ルマンでポールポジションを獲得することはやはり気分が良いものですね。ただ、既に気持ちは切りかわっています。決勝で結果を出すため、全力を尽くします」

#8 中嶋一貴のコメント
「2番手タイムでチームの最前列独占に貢献でき、とても嬉しいです。予選セッションは混み合っており、特に予選3回目は大変でした。そんななか、予選2回目の自分のタイム(ベストタイム)にはまずまず満足しています。さらなるタイムアップも狙えたとは思いますが、わるくない結果です。最前列グリッドを確保できましたし、決勝レースへ向けた充分な準備を行なうことが今日の主目的で、それは達成できましたからね」

予選3~6位にはプライベーターのノンハイブリッドLMP1マシンが3分16秒台のタイムで続いている(SMPレーシングとレベリオン・レーシングの各2台、SMPが3位と5位)。トヨタ8号車のアロンソが「LMP1のライバル勢は非常に速く、タイムで拮抗してきたが、我々は彼らを上回ることできた」と語るなど、トヨタ陣営はその僅差ぶりを警戒してもいるようだ。

ただ、なにより強大な敵は、ルマンでの24時間という過酷な戦闘条件の方だろう。可夢偉、一貴のコメントもそれを示唆しているし、ブエミ(8号車)も、「24時間レースでは何が起きるか分からない。これから、重要な決勝に向けてすべてを集中する」と、予選1-2に安心する様子なく、“本当の本番”を見据えている。

そして2年連続1-2フィニッシュを目指すトヨタ勢とはいえ、7号車の可夢偉ら3人にとってはルマン初制覇を、8号車の一貴ら3人にとってはルマン連覇をかけた、それぞれの戦いでもある。今季ここまでの流れを見る限り、トヨタ陣営はドライバーやファンの気持ちを考えつつ、かなりのところまで同門バトルを解禁している。トヨタ快調に1-2でレース推移、となった場合でも、レースとしての面白さが維持される可能性は十分あるはずだ。

(なお、WEC18/19シーズンのシリーズタイトル争いに関しては、トヨタのチーム&ドライバー“2冠制覇”が既に確定している。8号車と7号車のLMPドライバーズタイトル争いは未決着だが、8号車=一貴組がかなり優位なポイント状況で、7号車=可夢偉組が逆転で戴冠するにはルマン優勝が必須。なおかつ8号車がリタイアするかトラブル等で大幅に遅れて下位に低迷することが、実質的な7号車逆転王座の前提条件となる)

ルマン24時間レースの決勝は、日本時間の15日午後10時スタート予定。

(レスポンス 遠藤俊幸)

[提供元:レスポンス]レスポンス