【SUPER GT 第4戦】タイ大会を終えて、シーズンは後半戦へ…GT500クラスは好調レクサス勢が王座争いの中心か
6月30日に決勝レースが行なわれたSUPER GT第4戦タイ大会。全8戦のシリーズは後半戦へと入ることになるが、3メーカーが競うGT500クラスでは、3連勝、2戦連続1-2-3のレクサス勢がシーズンを席巻しつつある様相だ。今後の戦いを展望する。
タイのチャン・インターナショナル・サーキットはもともとレクサス勢が得意とする舞台。獲得総ポイント連動のウエイトハンデ制度があることを考えれば、第3~4戦での連続表彰台独占、しかもそのうち2台が同じマシンというのは本来難しいことなのだが、“2戦目”にあたるコースがチャンなら、レクサス勢にはあり得る快挙だったともいえよう。
これでレクサスLC500勢は第2戦から3連勝。ドライバーズポイントランキングでは第4戦タイを制した#6 WAKO'S 4CR LC500(大嶋和也&山下健太/ブリヂストン=BS)が35点でトップ、第3~4戦で連続2位の#37 KeePer TOM'S LC500(平川亮&N.キャシディ/BS)が34点と1ポイント差で追い、第2戦富士優勝の#38 ZENT CERUMO LC500(立川祐路&石浦宏明/BS)が30.5点でランク3位、ここでもレクサス勢は1-2-3を形成中だ。第3戦鈴鹿優勝の#36 au TOM'S LC500(中嶋一貴&関口雄飛/BS)は少し離れて24点(ランク5位)。
第6戦まではウエイトハンデがポイント×2kgであり、ここからの2戦、シリーズ上位陣は“最重ハンデ時期”を過ごすことになる。さすがにレースでの優勝や表彰台を真っ向から狙うのは厳しいだろうことが予想される局面だ(ハンデ50kgを超えると、段階的な燃料流量リストリクター調整への一部振りかえ併用=GT500クラスのみの措置。また、両クラスとも原則として第7戦はハンデ係数が×1kg、最終戦はゼロ)。
ただ、今のレクサスは本当にレースで強い。昨シーズン後半、ホンダNSXとレクサスLC500が激しくタイトルを争った頃から、予選はホンダ、決勝はレクサス、という構図が見えていたが、ここへ来てレクサスはレースでより強くなった。しかも、予選でもかなり速くなってきている。次の第5戦富士は今季最長の500マイル(約800km)戦。一概には言えないが、長距離戦ではハンデの効力が影をひそめる面もあるので、レクサス勢のシリーズ上位陣によるレース支配が続く可能性もありそうだ。
対するホンダNSX、日産GT-Rだが、まず昨季王者陣営のホンダは今回のタイで大苦戦した。予選最高7位、決勝最高10位。決勝では下位独占のようなシーンもあり、さらには3台同士討ちの格好となるアクシデントまであった。今季は車重の面で従来よりも厳しい数字を課せられているNSX勢だが、タイに関してはそういう次元で語れる苦闘ぶりではなかった。ドライバーズランクでは開幕戦岡山のウイナーである#8 ARTA NSX-GT(野尻智紀&伊沢拓也/BS)が20点、首位と15点差の6位で陣営最上位という状況。
現在の“NSX-GT500”は暑い時季や場所をある程度苦手にすることは承知で、王座を極めるまでの速さを実現したマシンともいわれる。タイや、酷暑期の日本はやはり苦しいのか。次の富士はコース的にも辛そうだ。暑さが和らいでくる9月の第6~7戦のコースはオートポリスもSUGOもNSXに向いていそうなので、そこから反撃が本格化するのかもしれない(最近の9月は涼しいとまではいえないが)。
日産GT-R勢は厳しい戦況が続いている。決してパフォーマンス的に大きく見劣るわけではないのだが、昨季第3戦から続く連敗は今回のタイで10に達した。
今季に向けてはカンフル剤的な意味合いも含めてドライバー人事を大きく動かしてきた日産だが、そちらの面でまだ真価を発揮しきれないのだろうか。唯一不動だった“エースコンビ”、#23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生&R.クインタレッリ/ミシュラン=MI)が開幕から2戦連続ポール・トゥ・2位でドライバーズポイントランク4位(24.5点)につけているので、やはりこの“旗艦ニスモ号”に反撃の期待がかかる。
トヨタ・スープラの復活を来季に控える2019年のGT500タイトル戦線は、レクサスLC500勢を中心にした展開で推移していきそうな雰囲気。しかしレクサス勢は層の暑さが仇になってポイントが割れてくる可能性も懸念されるので、ホンダと日産の巻き返しもまだまだあり得る状況だろう。
GT300クラスはドライバーズポイントランク4位までが5.5点差の圏内、11台(組)が16点差のなかに位置している。なかでも0.5点差のトップ2、個人通算最多勝レースの直接対決でもある#55 ARTA NSX GT3(高木真一&福住仁嶺/BS)と#96 K-tunes RC F GT3(新田守男&阪口晴南/BS)の動向に注目していきたいところだ。
ポイントでは現在、30.5対30で#55 NSX 高木組がわずかに先行中。しかし最多勝争いでは#96 RC Fの新田が22勝で高木を2勝リード。それぞれの今季パートナーが若手気鋭である点も興味深い。
2019年のSUPER GTシリーズ、後半戦のレース日程は以下の通りとなっている(8月10~11日にはSUGOで公式テストがある)。
第5戦 8月3~4日 静岡県・富士スピードウェイ
第6戦 9月7~8日 大分県・オートポリス
第7戦 9月21~22日 宮城県・スポーツランドSUGO
第8戦 11月2~3日 栃木県・ツインリンクもてぎ
(レスポンス 遠藤俊幸)
タイのチャン・インターナショナル・サーキットはもともとレクサス勢が得意とする舞台。獲得総ポイント連動のウエイトハンデ制度があることを考えれば、第3~4戦での連続表彰台独占、しかもそのうち2台が同じマシンというのは本来難しいことなのだが、“2戦目”にあたるコースがチャンなら、レクサス勢にはあり得る快挙だったともいえよう。
これでレクサスLC500勢は第2戦から3連勝。ドライバーズポイントランキングでは第4戦タイを制した#6 WAKO'S 4CR LC500(大嶋和也&山下健太/ブリヂストン=BS)が35点でトップ、第3~4戦で連続2位の#37 KeePer TOM'S LC500(平川亮&N.キャシディ/BS)が34点と1ポイント差で追い、第2戦富士優勝の#38 ZENT CERUMO LC500(立川祐路&石浦宏明/BS)が30.5点でランク3位、ここでもレクサス勢は1-2-3を形成中だ。第3戦鈴鹿優勝の#36 au TOM'S LC500(中嶋一貴&関口雄飛/BS)は少し離れて24点(ランク5位)。
第6戦まではウエイトハンデがポイント×2kgであり、ここからの2戦、シリーズ上位陣は“最重ハンデ時期”を過ごすことになる。さすがにレースでの優勝や表彰台を真っ向から狙うのは厳しいだろうことが予想される局面だ(ハンデ50kgを超えると、段階的な燃料流量リストリクター調整への一部振りかえ併用=GT500クラスのみの措置。また、両クラスとも原則として第7戦はハンデ係数が×1kg、最終戦はゼロ)。
ただ、今のレクサスは本当にレースで強い。昨シーズン後半、ホンダNSXとレクサスLC500が激しくタイトルを争った頃から、予選はホンダ、決勝はレクサス、という構図が見えていたが、ここへ来てレクサスはレースでより強くなった。しかも、予選でもかなり速くなってきている。次の第5戦富士は今季最長の500マイル(約800km)戦。一概には言えないが、長距離戦ではハンデの効力が影をひそめる面もあるので、レクサス勢のシリーズ上位陣によるレース支配が続く可能性もありそうだ。
対するホンダNSX、日産GT-Rだが、まず昨季王者陣営のホンダは今回のタイで大苦戦した。予選最高7位、決勝最高10位。決勝では下位独占のようなシーンもあり、さらには3台同士討ちの格好となるアクシデントまであった。今季は車重の面で従来よりも厳しい数字を課せられているNSX勢だが、タイに関してはそういう次元で語れる苦闘ぶりではなかった。ドライバーズランクでは開幕戦岡山のウイナーである#8 ARTA NSX-GT(野尻智紀&伊沢拓也/BS)が20点、首位と15点差の6位で陣営最上位という状況。
現在の“NSX-GT500”は暑い時季や場所をある程度苦手にすることは承知で、王座を極めるまでの速さを実現したマシンともいわれる。タイや、酷暑期の日本はやはり苦しいのか。次の富士はコース的にも辛そうだ。暑さが和らいでくる9月の第6~7戦のコースはオートポリスもSUGOもNSXに向いていそうなので、そこから反撃が本格化するのかもしれない(最近の9月は涼しいとまではいえないが)。
日産GT-R勢は厳しい戦況が続いている。決してパフォーマンス的に大きく見劣るわけではないのだが、昨季第3戦から続く連敗は今回のタイで10に達した。
今季に向けてはカンフル剤的な意味合いも含めてドライバー人事を大きく動かしてきた日産だが、そちらの面でまだ真価を発揮しきれないのだろうか。唯一不動だった“エースコンビ”、#23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生&R.クインタレッリ/ミシュラン=MI)が開幕から2戦連続ポール・トゥ・2位でドライバーズポイントランク4位(24.5点)につけているので、やはりこの“旗艦ニスモ号”に反撃の期待がかかる。
トヨタ・スープラの復活を来季に控える2019年のGT500タイトル戦線は、レクサスLC500勢を中心にした展開で推移していきそうな雰囲気。しかしレクサス勢は層の暑さが仇になってポイントが割れてくる可能性も懸念されるので、ホンダと日産の巻き返しもまだまだあり得る状況だろう。
GT300クラスはドライバーズポイントランク4位までが5.5点差の圏内、11台(組)が16点差のなかに位置している。なかでも0.5点差のトップ2、個人通算最多勝レースの直接対決でもある#55 ARTA NSX GT3(高木真一&福住仁嶺/BS)と#96 K-tunes RC F GT3(新田守男&阪口晴南/BS)の動向に注目していきたいところだ。
ポイントでは現在、30.5対30で#55 NSX 高木組がわずかに先行中。しかし最多勝争いでは#96 RC Fの新田が22勝で高木を2勝リード。それぞれの今季パートナーが若手気鋭である点も興味深い。
2019年のSUPER GTシリーズ、後半戦のレース日程は以下の通りとなっている(8月10~11日にはSUGOで公式テストがある)。
第5戦 8月3~4日 静岡県・富士スピードウェイ
第6戦 9月7~8日 大分県・オートポリス
第7戦 9月21~22日 宮城県・スポーツランドSUGO
第8戦 11月2~3日 栃木県・ツインリンクもてぎ
(レスポンス 遠藤俊幸)
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