トヨタ 近執行役員「米中で新型車が高評価」…第2四半期純利益は4期ぶり最高更新

決算を発表する近健太トヨタ執行役員
トヨタ自動車が11月7日に発表した2020年3月期の第2四半期(4~9月期)連結決算は、営業利益が前年同期比11%増の1兆4043億円となった。販売増の効果に加え原価改善が増益に貢献した。営業利益などの通期予想は8月に下方修正した数値を維持した。

純利益は3%増の1兆2749億円となり、16年3月期の第2四半期以来、4期ぶりに最高を更新した。また、営業利益は第2四半期としては16年3月期に次ぐ過去2番目であり、しっかりした収益力を発揮した。

第2四半期の連結グローバル販売は5%増の463万9000台だった。主力の北米が3%増となったほか、好調な中国を含むアジアも2%増と成長を確保した。日本は『RAV4』などの新モデルも貢献し、11%増と大きく伸びた。グループの総販売台数(小売り)は3%増の545万4000台だった。為替は1ドル109円で、前年同期から1円の円高となり、他通貨を含む為替変動による営業減益影響は900億円に達した。

堅調な販売を受け、営業面の努力による営業利益増への寄与は1850億円。また、原価改善効果は原材料費の値上がり影響があったものの600億円となった。

通期の連結グローバル販売見通しは日本を3万台上方修正したが、東南アジアやインドが低迷するアジアを10万台下方修正するなどにより、全体では5万台少ない895万台(前期比0.3%減)に見直した。

下期以降の為替前提は1ドル105円とし、通期では前期比で4円円高となる1ドル107円としている。通期業績予想は、税引き前純利益を上方修正したものの、8月に見直した営業利益2兆4000億円(前期比3%減)、純利益2兆1500億円(14%増)は据え置いた。

記者会見した近健太執行役員は第2四半期について「中国と北米はRAV4やカローラといった新型車が好評をいただいている。ビジネスモデル変革のための仲間づくりや投資は、速いスピードで決断して進んでいる。だが、人づくりや原価低減はまだまだ道半ばと受け止めている」と評価した。

また、第2四半期の売上高営業利益率が9.2%と比較的高水準になったことに関しては「費用がやや下期に多く乗っていることなどを勘案すると少し実力以上。営業利益は大きく上げることや、大きく下げることなく、少しずつ上げることだ。今年、来年と少しでも上げていきたい」と述べた。


(レスポンス 池原照雄)

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