レクサス初の市販EV、『UX300e』発表…広州モーターショー2019

レクサス UX 300e
レクサスは11月22日、中国で開幕した広州モーターショー2019において、ブランド初の市販EV、『UX 300e』(Lexus UX 300e)を初公開した。日本での発売は、2021年前半を予定している。

◆モーターは最大出力204ps

同車は、レクサス最小のSUV、『UX』をベースに、EVパワートレインを搭載したモデルだ。「GA-C」プラットフォームのフロントに、最大出力204ps、最大トルク30.6kgmを発生するモーターを搭載する。

EVでも、UXのガソリン車やハイブリッド車と同じく、ドライバーの意図に忠実な滑らかな加速フィーリングを追求した。ドライブモードセレクトによって、ペダル操作に対して、瞬時にトルクが立ち上がるEVならではの力強い加速フィーリングを味わうことも可能という。

また、パドルシフトによって、減速度を4段階から選択できる。ガソリン車のエンジンブレーキと同じように減速操作ができ、EVの特性を最大限生かしながら自然な操作性を実現することを目指した。

走行中のサウンドにもこだわった。アクティブサウンドコントロール(ASC)を採用することで、車両の走行状況を感じられる快適なドライビング環境を追求した。ドライバーや同乗者に心地良いサウンドをもたらすという。

◆航続は最大で400km

大容量のリチウムイオンバッテリーは、床下に搭載される。蓄電容量は54.3kWhとした。ハイブリッド車で培ったモーター、インバーター、ギア、バッテリーといった主要装備の効率を最大化し、システム全体としての性能向上を図った。1回の充電での航続は、最大で400km(NEDC:新欧州サイクル)を確保している。

低温や高温下でも正常に動作するよう、バッテリーには温度調整機能を備える。過充電防止システムや、多重監視のセーフネットにより、高い信頼性を追求した。モーターやバッテリーを車体下部に配置することで重心高を下げ、前後重量配分や慣性モーメントの最適化などにより、車両の運動性能を高めている。

また、床下のバッテリーに遮音壁としての機能を持たせたほか、エンジンやトランスミッションの音がないことに起因する風切り音や小石・砂などの巻き上げ音にも配慮している。

さらに、GA-Cプラットフォームの高い基本性能をさらに磨き上げるべく、ブレースの追加やショックアブソーバーの減衰力最適化など、EV化による運動特性の変化に合わせ、細部に至るまでチューニングを施した。

◆スマホと連携した充電機能

バッテリーの充電は、普通充電(AC)の場合、最大6.6kWの出力で充電できる。急速充電(DC)の場合、最大充電出力は50kWとした。

最新のコネクティッド技術を採用する。専用アプリによるスマートフォンとの連携で、バッテリー残量や航続、充電の必要があるかどうかを確認できる。また、充電完了までの時間を把握したり、出発時刻に合わせて充電が完了するようタイマーを設定したりすることも可能だ。エアコンやシートヒーター、デフロスターなどを車外から遠隔操作することもできる。

◆EV専用の内外装

エクステリアは、優れた空力性能を追求するために、専用ホイールや床下空力カバーを新開発した。インテリアは、シフトバイワイヤを採用したセンターコンソールなど、EVらしい操作系とした。

予防安全パッケージの「Lexus Safety System +」を採用した。交通事故や事故死傷者の更なる低減と、ドライバーの負担軽減を目指したほか、運転支援時にドライバーにとって自然で、安心感のある車両挙動を目指している。

なお、UX300eは2020年以降、中国や欧州などを皮切りに順次発売する。日本での発売は、2021年前半を予定している。

(レスポンス 森脇稔)

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