トヨタ スープラ のGT4レーサー、来夏北米発売へ…ロサンゼルスモーターショー2019

トヨタ GR スープラ GT4(ロサンゼルスモーターショー2019)
トヨタ自動車の米国部門は、ロサンゼルスモーターショー2019に、新型『スープラ』のレーシングカー、『GRスープラGT4』(Toyota GR Supra GT4)を出展した。2020年8月、北米で発売される予定だ。

◆世界のGT4カテゴリーのレースに参戦可能

同車は、新型スープラをベースに、ドイツに本拠を置くトヨタモータースポーツが開発し、生産を行うレーシングカーだ。「GT4」は、低コストで気軽に参戦しやすいカテゴリーのモータースポーツとして、世界中のプライベートチームに人気を博している。GR スープラ GT4は、米国のミシュランパイロットチャレンジシリーズ、欧州のGT4欧州シリーズやVLN(ニュルブルクリンク耐久シリーズ)、日本のスーパー耐久シリーズなど、世界中のさまざまなレースに参戦することができる。

『GRスープラ』はすでに、北米のNASCARエクスフィニティ・シリーズに参戦している。2020年からは、日本のスーパーGT GT500クラスへの参戦も予定している。ここに新たにGRスープラGT4が加わることで、世界中のサーキットでGRスープラが戦っている姿を、モータースポーツファンにアピールしていく。

GRスープラ GT4では、ラベノール(Ravenol)、ピレリ、アクラポヴィッチ(Akrapovic)社を、技術パートナーに起用した。ドイツのラヴェンスベルガー・シュミエルシュトフ・フェアトリーブ社が開発・製造する潤滑油ブランドがラベノールだ。GRスープラ GT4の出荷時には、ラベノール製オイルが充填される。アクラポヴィッチは、モータースポーツ専用エギゾーストシステムを手がけた。

◆車両重量は1350kgに軽量化

GRスープラ GT4では、フロントスポイラーとリアウイングには天然繊維コンポジットを使用するなどして、車両重量を1350kgに軽量化した。市販車の1520kgよりも、170kg軽い。ボディサイズは全長4460mm、全幅1855mm、全高1250mmとなる。

インテリアには、カーボンファイバー製インストルメントパネルを採用し、レース用のステアリングホイールと8インチディスプレイを導入した。データロギングシステムも標準装備する。軽量スチールボディには、レースでの安全性を確保するため、FIA(国際自動車連盟)規則に準拠した高剛性ロールケージを装着し、OMP製のレーシングバケットシートと6点式シートベルト、消火器、エアジャッキを組み込む。リアビューカメラ、タイヤ空気圧センサー、サスペンションセンサー、点灯式カーナンバー、ドリンクシステム、認定耐久パッケージも、オプションで選択できる。

◆3.0リットル直6ターボは430hpに強化

3.0リットル直列6気筒ガソリンターボエンジンは、マニエッティ・マレリ製のレーシングECUなどにより、最大出力430hp、最大トルク66.3kgmを獲得する。市販車の最大出力340hp、最大トルク51kgmに対して、90hp、15.3kgm の強化にあたる。SRO(ステファン・ラテル・オーガニゼーション)による性能調整(バランス・オブ・パフォーマンス)は、USBパワースティックで行う。パドルシフト付きの7速ATと機械式LSDを組み合わせる。レース用ドライブシャフトは、GKN製だ。

サスペンションは市販車のGRスープラと同様に、フロントにマクファーソンストラット、リアにマルチリンクを採用したうえで、レース用のKW製調整式ダンパーを装着する。ブレーキシステムには、レースにおいて充分な性能を確保するために、フロントに6ポット、リアに4ポットのレース用ブレンボ製キャリパーを採用した。ローター径は、フロント390mm、リア355mmだ。タイヤはピレリ製の18インチで、サイズはフロントが305/660-18、リアが305/660-18とした。OZ製の18インチホイールを装着している。

(レスポンス 森脇稔)

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