【WRC 開幕戦】ヒュンダイのティエリー・ヌービルが“モンテ初制覇”を達成、2-3位にトヨタ勢…勝田貴元は7位
世界ラリー選手権(WRC)の2020年シーズン開幕戦、ラリーモンテカルロが現地26日にフィニッシュし、ヒュンダイのティエリー・ヌービルが“モンテ初制覇”を飾った。2-3位はトヨタ勢。勝田貴元が7位に入っている。
ドライ、ウエット、アイスにスノーと、難解な路面コンディションでの戦いとなった今季開幕戦モンテカルロ。競技最終日の日曜(26日)を迎える時点では、トヨタ(TOYOTA GAZOO Racing WRT)の「ヤリスWRC」が1-2に位置し、3番手にヒュンダイの「i20クーペWRC」を駆る#11 ティエリー・ヌービルという戦況だった。上位3人は6.4秒の僅差で、ラリーの決着は最終日の戦い次第という様相に。
その最終日、#11 ヌービルはSSトップタイムを連発してトヨタ勢2騎を逆転、最終のスペシャルステージ(SS)であるパワーステージ(SS16)を首位で迎える。パワーステージを前にした#11 ヌービルのリードは、2番手の#33 エルフィン・エバンス(トヨタ)に対し11.1秒、3番手の#17 セバスチャン・オジェ(トヨタ)に対しては12.6秒。
そして#11 ヌービルはパワーステージもトップで終え、最終日の4つのSSをすべてトップタイムで走っての開幕勝利を飾った。土曜の最後2つのSSから都合6連続トップタイム(SS11~16)での優勝で、モンテカルロは自身初制覇。ラリー優勝の25点と、パワーステージ1位の5点、合計でドライバーズポイント30点満点のスタートを切っている(パワーステージの1~5位には、ラリー総合順位とは別に5~1点のドライバーズポイントが付与される)。
#11 ヌービルは「ターゲットはこのラリーに勝つこと、そして(オジェとの僅差接戦で2位に敗れた昨年のモンテの)リベンジをすることだった」と語り、さらに「ラリーモンテカルロは最も歴史あるイベントのひとつで、WRCを戦う者なら一度は勝ちたいと思うものだ。それを成し遂げたよ」と喜んだ。ドライバーズチャンピオン争いの常連といっていい力をもちながら、依然として個人無冠に甘んじているヌービルだけに、悲願の王座獲得に向けても最高のキックオフになったといえるだろう。
なお、パワーステージにおける#11 ヌービルのタイムは、#17 オジェのタイムと通常表示の0.1秒単位では同じ(9分39秒0)だったが、その下の桁で差がついてのステージ1位であった(0.016秒差だった模様)。
ラリー総合2-3位のトヨタ勢は最後のパワーステージで順位が入れかわり、#17 オジェがこのラリーの総合2位、#33 エバンスが3位となった。#17 オジェは昨年までWRCモンテ戦を個人で6連覇していたが、7年連続優勝は叶わず。しかしながら自身2年ぶりの王座獲得に向け、新天地トヨタで好スタートを切ったといえそうだ。同じくトヨタ新加入の#33 エバンスもなかなかの好走だった。
総合4位はMスポーツ・フォードの#4 エサペッカ・ラッピ(フィエスタWRC)。5位にはやはりトヨタ新加入、しかも19歳という若さの新鋭#69 カッレ・ロバンペラが続いた。6位はヒュンダイの#9 セバスチャン・ローブ。ラリーの順位における“各陣上位2台のみ抽出”の原則にて争われるマニュファクチャラーズポイント(パワーステージ無関係)では、ヒュンダイが35点獲得で首位、トヨタが33点で追う形勢のシーズン立ち上がりとなっている。
今季のWRCでモンテやジャパンなど計8戦をトップカテゴリーマシン(ヤリスWRC)で戦う日本期待のトヨタ育成選手、#18 勝田貴元は今季WRC初戦を7位で完走し、ドライバーズポイント6点をゲットした。勝田のステージ合計タイムは3時間22分25秒5で、“同じ土俵”のマシンで戦ったといえる優勝者との差はおよそ11分半。ラリーのタイム差は指標として見るには難しい面もあるが、とにかく最終戦ジャパンまでに世界の頂点との差をどれだけ埋められるか、勝田の成長と躍進に期待がかかる。
昨年のドライバーズチャンピオンで、トヨタからヒュンダイに移籍して今季を迎えた#8 オット・タナクは金曜にハイスピードクラッシュがあり、開幕戦はリタイア、無得点という結果に。このアクシデントは見る者をドキリとさせる衝撃映像だったが、タナクとコ・ドライバーのM.ヤルヴェオヤに大きな負傷はなかった模様、不幸中の幸いであった。
今季のWRCは全13戦の予定。次戦第2戦はスウェーデンが舞台で、2月13~16日に開催される。
(*上記の内容は日本時間27日未明の段階で判明している結果等に基づく)
(レスポンス 遠藤俊幸)
ドライ、ウエット、アイスにスノーと、難解な路面コンディションでの戦いとなった今季開幕戦モンテカルロ。競技最終日の日曜(26日)を迎える時点では、トヨタ(TOYOTA GAZOO Racing WRT)の「ヤリスWRC」が1-2に位置し、3番手にヒュンダイの「i20クーペWRC」を駆る#11 ティエリー・ヌービルという戦況だった。上位3人は6.4秒の僅差で、ラリーの決着は最終日の戦い次第という様相に。
その最終日、#11 ヌービルはSSトップタイムを連発してトヨタ勢2騎を逆転、最終のスペシャルステージ(SS)であるパワーステージ(SS16)を首位で迎える。パワーステージを前にした#11 ヌービルのリードは、2番手の#33 エルフィン・エバンス(トヨタ)に対し11.1秒、3番手の#17 セバスチャン・オジェ(トヨタ)に対しては12.6秒。
そして#11 ヌービルはパワーステージもトップで終え、最終日の4つのSSをすべてトップタイムで走っての開幕勝利を飾った。土曜の最後2つのSSから都合6連続トップタイム(SS11~16)での優勝で、モンテカルロは自身初制覇。ラリー優勝の25点と、パワーステージ1位の5点、合計でドライバーズポイント30点満点のスタートを切っている(パワーステージの1~5位には、ラリー総合順位とは別に5~1点のドライバーズポイントが付与される)。
#11 ヌービルは「ターゲットはこのラリーに勝つこと、そして(オジェとの僅差接戦で2位に敗れた昨年のモンテの)リベンジをすることだった」と語り、さらに「ラリーモンテカルロは最も歴史あるイベントのひとつで、WRCを戦う者なら一度は勝ちたいと思うものだ。それを成し遂げたよ」と喜んだ。ドライバーズチャンピオン争いの常連といっていい力をもちながら、依然として個人無冠に甘んじているヌービルだけに、悲願の王座獲得に向けても最高のキックオフになったといえるだろう。
なお、パワーステージにおける#11 ヌービルのタイムは、#17 オジェのタイムと通常表示の0.1秒単位では同じ(9分39秒0)だったが、その下の桁で差がついてのステージ1位であった(0.016秒差だった模様)。
ラリー総合2-3位のトヨタ勢は最後のパワーステージで順位が入れかわり、#17 オジェがこのラリーの総合2位、#33 エバンスが3位となった。#17 オジェは昨年までWRCモンテ戦を個人で6連覇していたが、7年連続優勝は叶わず。しかしながら自身2年ぶりの王座獲得に向け、新天地トヨタで好スタートを切ったといえそうだ。同じくトヨタ新加入の#33 エバンスもなかなかの好走だった。
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