レクサス ES に2020年型、デジタルミラーを欧州初設定…ジュネーブモーターショー2020で発表へ

レクサス ES の2020年モデルのデジタルアウターミラー装着車(欧州仕様)
レクサスの欧州部門は、『ES』(Lexus ES)の2020年モデルに「デジタルアウターミラー」を欧州初設定し、実車を3月にスイスで開催されるジュネーブモーターショー2020で初公開すると発表した。

◆カメラで撮影した映像をフロントピラーの5インチディスプレイに表示

レクサスESのデジタルアウターミラーは、車両のフロントドア外側のカメラで撮影した車両左右後方の映像を、フロントピラー部に設置された5インチディスプレイに表示するシステムだ。カメラ部を雨滴が付着しにくい形状としたほか、ディスプレイを室内に搭載することで、天候の影響を受けにくい優れた視認性を確保した。

また、従来のミラーを小型のカメラに置き換えることにより、斜め前方の見通しを確保するとともに、風切音低減による高い静粛性を追求している。レクサスによると、世界トップレベルの先進安全技術をより早く開発し、より多くの車両に普及させていくことが重要との考えのもと、デジタルアウターミラーを採用したという。

◆デジタルアウターミラーはハイブリッドに設定

レクサスの欧州部門は、このデジタルアウターミラーを2020年モデルのESのハイブリッドモデル、「ES300h」グレードに設定する。同グレードには、2.5リットル直列4気筒ガソリンエンジンにモーターを組み合わせた新世代のハイブリッドシステムを採用する。

4世代目となるこのハイブリッドシステムは、アトキンソンサイクルの2.5リットル直列4気筒ガソリンエンジンに、電気モーターを組み合わせる。欧州仕様車の場合、エンジンとモーターを合わせたシステム全体で、218psのパワーを獲得。吸気効率の向上や燃焼室内の気流強化による高速燃焼により、世界トップレベルの熱効率を追求。高い動力性能と環境性能を両立するとともに、優れたレスポンスを可能にする。

新開発のトランスアクスルやパワーコントロールユニットを導入した。ハイブリッドの持ち味の燃費性能は維持しながら、ダイレクトな加速フィーリングを追求する。二次電池はニッケル水素バッテリーで、高さを120mmコンパクト化。後席の下にレイアウトすることで、軽量化や低重心化に加え、荷室容量の拡大も可能に。欧州仕様の燃費性能は、複合モードで21.3km/リットルとした。

◆第2世代の「レクサス・セーフティシステム+」

デジタルアウターミラーとともに、ESの安全性を高めているのが、第2世代の「レクサス・セーフティシステム+」など最新の先進運転支援システム(ADAS)だ。レクサスESの第2世代のレクサス・セーフティシステム+では、第1世代のレクサス・セーフティシステム+に採用している「単眼カメラ+ミリ波レーダー」の構成はそのままに、各機能を進化させた。事故の防止や交通事故死傷者のさらなる低減と、ドライバーの負担軽減を目指す。とくにESでは、運転支援時にドライバーにとって自然で、安心感のある車両挙動を追求した。

「プリクラッシュセーフティ(PCS)」は、単眼カメラとミリ波レーダーの性能向上により、昼間の自転車や夜間の歩行者が検知可能に。自動車専用道路などにおいて、設定した車速内で前走車との距離を一定になるよう加減速制御するとともに、同一車線内中央を走行できるよう操舵を支援する「レクサス・コ・ドライブ」には、「レーダークルーズコントロール」や「レーントレーシングアシスト」が含まれる。また、先行車や対向車を眩惑しないよう、ハイビームの照射を制御する「アダプティブハイビームシステム(AHS)」、カメラで主要な道路標識を読み取り、メーターとヘッドアップディスプレイ内に表示する「ロードサインアシスト(RSA)」も採用されている。

また、レクサスESには、最大で12.3インチのマルチメディアモニターと第2世代のリモートタッチパッドコントロールを設定した。音声認識は、非接触でのスマートフォンコントロールを可能にするモバイルアシスタントにも対応する。新開発のヘッドアップディスプレイも用意。

ドライバーの好みに合わせて調整できるカラーディスプレイは、クラスで最大サイズとした。ヘッドアップディスプレイには、速度、燃料残量、シフトポジションなどの基本的な機能に加えて、スピード制限、車線維持アシスト警告、ナビゲーションなども表示できる。レクサスによると、ディスプレイやスイッチ類を操作時の姿勢変化や視点移動が少ないレイアウトとすることで、運転に集中できる空間を作り出したという。


(レスポンス 森脇稔)

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