トヨタ、国内全系列の全車種扱いが実質スタート…各販社が受注を開始

トヨタ販売店の全車種扱い告知DM
トヨタ自動車の国内販売会社(レクサス除く)4系列による全車種扱いが4月から実質スタートした。この新しい販売体制は5月1日の発足となるが、それに先立ち各店での全車種の受注活動が始まった。

トヨタは、今後の市場縮小が避けられない日本での営業体制の強化やモデル開発の効率化を図るため、2018年11月にトヨタ店やカローラ店など4系列あるトヨタブランドの販売会社が全ての車種を扱う方針を決めた。その時点では22年から25年をめどに全車種扱いの完了を図る計画だった。しかし、需要環境の変化に素早く対応する必要があるとの判断から、19年6月にはこの計画を20年5月に前倒しする方針としていた。

5月からの全車種扱いに向け、4月から顧客への呼び掛けが本格化している。千葉県内のあるカローラ店では4月4日から5月末までを「お得意様限定ご招待会」とするDMを配布し、全車種扱いの告知と店頭への誘引を図っている。

この販売店のDMではこれまでのカローラ店では扱っていなかった『アルファード』(これまではトヨペット店専売)や『クラウン』(同トヨタ店)、さらに『ヤリス』(同ネッツ店)などを前面に押し出し、選択の幅が一気に広がったことをアピールしている。同店の営業スタッフは「50近い車種となるので勉強も大変だが、すでに新たな扱い車種の商談も進めさせてもらっている」と話す。

トヨタは1946年(昭和21年)にトヨタ店を発足させ、その後、53年にトヨペット店、61年にカローラ店、68年にオート店と展開。80年にはビスタ店を発足させて一時は5系列としていた。クラウンや『マークII』、『カローラ』といった販売チャンネルごとに専売車種を投入して顧客を開拓し、70年代から国内トップの座を盤石なものとしてきた。

90年に国内新車市場がピークに達し、需要が減少局面に向かうと販売チャンネルや扱い車種の変更などの見直しを図り、オート店は99年にネッツ店に改称、さらに04年にはビスタ店と統合した新ネッツ店としてスタートさせていた。今後は国内向け車種の縮小も進める方針であり、18年に全車種扱いを決めた時には約60車種にのぼっていたが、順次30車種程度まで絞り込んでいく。

(レスポンス 池原照雄)

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