トヨタ ハリアー 新型 「Apple CarPlay」「Android Auto」に無料対応
トヨタ自動車は、これまで有料オプションサービスとしていたディスプレイオーディオ(DA)の「Apple CarPlay/Andoroid Auto」機能を、6月から発売する新型『ハリアー』より標準装備する。4月13日に発表された新型ハリアーの概要から明らかになった。
DAは、一言で言えばナビゲーション機能のないカーAV機器のことを指すが、その代わりにナビゲーション機能はスマートフォン内のアプリを使う。DAが出始めた頃は、スマートフォン内の表示を単に表示するミラーリングで対応することが多かったが、今では「Apple CarPlay」「Android Auto」に対応するのが世界の流れとなっている。
ただ、このアプリを開発したのはスマートフォンを手掛けるIT企業であり、トヨタとしてはこの分野での主導権は渡したくないという思いがあったのは確かだ。
そこでトヨタはその流れを引き寄せるため、2017年1月にフォードと共に「スマートデバイスリンク(SDL)」のコンソーシアムを立ち上げた。このコンソーシアムにはスバルやマツダ、スズキ、PSAグループが名を連ねている他、対応機器を開発する有力メーカーとしてHarman、パナソニック、パイオニア、QNXなども趣旨に賛同。さらにSDLはオープンソース化も進めており、様々な業界からの参入も認めている。
つまり、関連業界がいち早く連携することでIT業界からの攻めに対抗しようとトヨタは考えたのだ。
その動きが具体化したのが昨年9月のこと。トヨタは新型『カローラ』を発表した時点でSDL対応のDAを標準搭載したのだ。同時に他の車種にもこれを展開していく考えを示し、アプリとしても利用者が多いLINEとの連携も発表。自社のTCスマホナビ以外にLINEカーナビで音声入力AIアシスタントの「Clova(クローバ)」も利用可能になるなど、その普及に向けて使い勝手の幅を大きく広げた。
さらに昨年の暮れにはスズキが新型『ハスラー』にSDL対応DAを搭載し、このDAの開発にはSDLに賛同するパイオニアが手掛けたことも明らかになった。今後は車両側の情報をアプリに反映するなどすれば、IT企業では対応が難しい、高精度なナビアプリ開発の期待も高まる。
とはいえ、現状を踏まえればiPhoneやAndroid端末の普及は著しく、ユーザーにとっては、音声アシスタントなどが使えて音楽再生までサポートする「Apple CarPlay」「Android Auto」に対応していた方が使いやすい。その状況を鑑みたからこそ、トヨタはDAを標準装備しつつ、オプションでこれに対応したわけだ。
しかし、この評判があまり良くなかった。このオプションはTVチューナーとのセットオプション(3万3000円・税込)であり、その上で無料のT-Connectの基本契約が必要だったからだ。ライバル車は「Apple CarPlay」「Android Auto」に標準で対応することが多く、この設定に不満を持つ人が少なくなかった。今回の対応はこのニーズを反映した結果であり、多くのユーザーにとっては朗報となるに違いない。
一方、トヨタは今回の対応に合わせ、既に販売済みの新型カローラや『ヤリス』などのDA装着車に対しても、T-Connect通信によるバージョンアップで順次対応する。これにかかる費用が発生しないのも嬉しい。
(レスポンス 会田肇)
DAは、一言で言えばナビゲーション機能のないカーAV機器のことを指すが、その代わりにナビゲーション機能はスマートフォン内のアプリを使う。DAが出始めた頃は、スマートフォン内の表示を単に表示するミラーリングで対応することが多かったが、今では「Apple CarPlay」「Android Auto」に対応するのが世界の流れとなっている。
ただ、このアプリを開発したのはスマートフォンを手掛けるIT企業であり、トヨタとしてはこの分野での主導権は渡したくないという思いがあったのは確かだ。
そこでトヨタはその流れを引き寄せるため、2017年1月にフォードと共に「スマートデバイスリンク(SDL)」のコンソーシアムを立ち上げた。このコンソーシアムにはスバルやマツダ、スズキ、PSAグループが名を連ねている他、対応機器を開発する有力メーカーとしてHarman、パナソニック、パイオニア、QNXなども趣旨に賛同。さらにSDLはオープンソース化も進めており、様々な業界からの参入も認めている。
つまり、関連業界がいち早く連携することでIT業界からの攻めに対抗しようとトヨタは考えたのだ。
その動きが具体化したのが昨年9月のこと。トヨタは新型『カローラ』を発表した時点でSDL対応のDAを標準搭載したのだ。同時に他の車種にもこれを展開していく考えを示し、アプリとしても利用者が多いLINEとの連携も発表。自社のTCスマホナビ以外にLINEカーナビで音声入力AIアシスタントの「Clova(クローバ)」も利用可能になるなど、その普及に向けて使い勝手の幅を大きく広げた。
さらに昨年の暮れにはスズキが新型『ハスラー』にSDL対応DAを搭載し、このDAの開発にはSDLに賛同するパイオニアが手掛けたことも明らかになった。今後は車両側の情報をアプリに反映するなどすれば、IT企業では対応が難しい、高精度なナビアプリ開発の期待も高まる。
とはいえ、現状を踏まえればiPhoneやAndroid端末の普及は著しく、ユーザーにとっては、音声アシスタントなどが使えて音楽再生までサポートする「Apple CarPlay」「Android Auto」に対応していた方が使いやすい。その状況を鑑みたからこそ、トヨタはDAを標準装備しつつ、オプションでこれに対応したわけだ。
しかし、この評判があまり良くなかった。このオプションはTVチューナーとのセットオプション(3万3000円・税込)であり、その上で無料のT-Connectの基本契約が必要だったからだ。ライバル車は「Apple CarPlay」「Android Auto」に標準で対応することが多く、この設定に不満を持つ人が少なくなかった。今回の対応はこのニーズを反映した結果であり、多くのユーザーにとっては朗報となるに違いない。
一方、トヨタは今回の対応に合わせ、既に販売済みの新型カローラや『ヤリス』などのDA装着車に対しても、T-Connect通信によるバージョンアップで順次対応する。これにかかる費用が発生しないのも嬉しい。
(レスポンス 会田肇)
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