レクサス UX、「タトゥーカー」のデザイン募集…最優秀作品は実車化へ

レクサス UX のタトゥーカー
レクサスの英国部門は5月12日、コンパクトSUVの『UX』(Lexus UX)をベースにしたタトゥーカーのデザインを募集すると発表した。最優秀作品は、実車のUXのボディにラッピングによって表現される予定だ。

今回の作品募集は、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染拡大により、外出できない子ども(大人も参加可能)を支援するのが目的だ。レクサスは今春、UXをベースにした世界初のタトゥーカーをワンオフで製作した。その延長線上にある企画として、タトゥーカーのデザインを募集する。

レクサスは、優れた職人技と日本の伝統的な芸術性を称える目的で、世界初のタトゥーカーを開発した。レクサスは、英国ロンドンのタトゥーアーティスト、クラウディア・デ・サベ氏と協力。UXをベースに、世界初のタトゥーカーをワンオフで製作した。

◆塗装をドリルで削ってその下の金属に塗料を筆塗り

ホワイトのボディカラーのUXをキャンバスに、細い刺青針の代わりにドリルツールを使用して、ボディ全体に鯉を中心に描くデザインに取り組んだ。鯉は、日本の伝統的な芸術でおなじみのモチーフで、幸運と忍耐の資質を表しているという。

サベ氏は、ツールを使用してボディ表面の塗料を削り取り、その下の金属を露出させた。そのうえで、複雑なパターンを、5リットルの自動車用塗料を筆で塗ることにより、細部まで描き出した。最後の仕上げには、金箔が使用されており、デザインに強力な3D効果を与えることに成功している。その後、車両全体にタトゥーを保護するラッカーコーティングを施し、公道を走行できるようにした。

◆タトゥーは延べ58時間の集中的な作業で完成

製作の工程では、最初の図面から完成までに6か月を要した。タトゥーは、延べ58時間の集中的な作業で仕上げられた。人にタトゥーを施す場合とは異なり、自動車では作業が進んでも、サベ氏は自由に位置を変えることができない。ドリルの振動もあって、厳しい作業になったという。タトゥーに小さなスリップを加工したり、パターンに色付けしたりする時、ドリルでの彫刻には絶対的な精度が求められた。

このUXは販売される予定はなく、価格は付けられていない。レクサスによると、オーダーメイドの作業には、12万ポンド以上の価値があると推定されるという。

なお、サベ氏が人間の皮膚ではなく、金属にタトゥーを施したのは、今回が初めてだった。このユニークな取り組みでは、人にタトゥーを施す時に似ている部分と、新しい課題の両方を発見したという。

サベ氏は、「人にタトゥーを施す時には、皮膚の下の筋肉と組織について考える必要がある。しかし、自動車にタトゥーを施す時には、フレームワーク上でボディワークが形を変える方法について考えた」と語っている。また、レクサスUXがベース車両としてこのプロジェクトに理想的だった理由は、流線形のボディにあったという。

◆一般投票で7月に最優秀作品を決定

UXをベースにしたタトゥーカーのデザイン募集は、6月9日まで行われている。公式サイトからテンプレートをダウンロードし、UXのボディに自由にタトゥー模様をデザインする。デザインはタトゥースタイルである必要があり、テンプレートのすべての角度にカラーリングが施されている必要もある。

エントリーは、レクサスUKの公式サイトで行う。応募作品の中から、8つの作品が最終選考に進み、8つの作品は3Dモデル化されて、公式ソーシャルサイトにイメージが掲載される。

8つの作品への一般投票は、6月22日から7月10日まで、FacebookとTwitterで受け付ける。なお最優秀作品は、実車のUXのボディにラッピングによって表現される予定だ。

(レスポンス 森脇稔)

[提供元:レスポンス]レスポンス

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