[竹岡圭の大きな夢を]第4回「ラリーは知的で戦略が重要なゲーム」TOYOTA Gazoo Racingチーム 安藤裕一さん

TOYOTA Gazoo Racingチーム安藤裕一さん(右)とドライバーの眞貝知志さん(左)
さて続いては、トップバッターの上原淳先生をご紹介いただいた、安藤裕一選手。人呼んで「アンドーマン」。早い時期から、webやSNSを使って、ラリーに関することを発信されていたのと、私が全日本ラリー選手権を始めた2017年に、同じくアバルト500ラリーR3Tを駆っていた、眞貝知志選手の横に乗っていらっしゃるので、私もずいぶん前からお名前とお顔だけは存知上げてました。

◆ドライバーを速く走らせるのが上手なコ・ドライバー

そんな安藤さんがラリーに興味を持ったのは「高校生の頃、コンビニで売っていたWRCのビデオを見て」とのこと。確かに昔は、DVDじゃなくてビデオでしたよね。私が子供の頃なんて、ベータ方式とVHS方式があって、結果VHSが勝利して…って、オイオイ。いまやDVDを通り越してブルーレイディスクだったりしますからね。いやはや、ここのところのこういう系統の進化ってすごいなぁと、改めて思ってみたりして。

さて、話が逸れましたが、高校生の頃にラリーに目覚めた安藤さんでしたが、意外や意外、モータースポーツを始めたのは、結構遅かったんですよね。なんと「30代になってから、ラリーがやりたくてモータースポーツクラブに加入し、クラブのサーキットイベントに参加」したんだとか。かなり意外だったので、ビックリしちゃいました。そして2012年、いよいよ地方選手権でラリーデビューをなさいます。ということは、まだ8年目ってことですもんね。

その2年後、2014年のTRDラリーチャレンジのE-2クラスでシリーズチャンピオンをゲット。その翌年の2015年には、全日本選手権初参戦。地元愛知県の新城ラリーに、明治慎太郎選手と組んで登場されます。ちなみに明治選手は、今年2020年シーズンはJN-6クラスで参戦中。めっぽう速いドライバーさんとして有名です。

そしてその翌年の2016年唐津大会にて、全日本ラリー選手権で初優勝を飾られるのですが、この時組まれたドライバーさんは、今年2020年もコンビを組んでいる眞貝知志選手。この眞貝選手も言うまでもなく、メチャクチャ速いドライバーさんです。つまり、安藤さんは、ラリーを始めた早い時期から、ポンポンポンッと速いドライバーさんと組んできた、つまりドライバーを速く走らせるのが上手なコ・ドライバーさんということになりますよね。

◆ラリー以外の趣味は封印!普段はインダストリアルデザイナー

僭越ながら勝手に想像させていただきますと、安藤さんは私がwebやSNSで拝見しているだけでも、ものすごい研究熱心なお方だというのが伝わってくるんですよ。だからたぶん、見えないところではその何百倍、何千倍も努力されているんだと思います。現在は、ラリー以外の趣味は全部封印中だそうですが、そこまでされている努力がしっかり、結果に表れているということなのでしょうね。すごいなぁ~!

2018年からは眞貝知志選手と組んで、GAZOO Racingから参戦し、2019年には全日本選手権JN5クラスのシリーズチャンピオンに輝いていらっしゃいますからね。今年ももちろん優勝候補のおひとり。いやはや、駆け上がり方がハンパないですよね。

そんな安藤さんの普段のお仕事は、インダストリアルデザイナーさんとのこと。端的に言うと工業製品のデザイナーさんですね。ひと口に工業製品と言っても、クルマから、家電から、大きな産業機械まで、さまざまなものがありますが、これで納得がいきました。

というのも安藤さんのwebやSNS等を拝見していると、絵とかモノづくりとか、そういうのがとってもお上手なんですよ。動画にしても、上手く小道具を作ったり、それを使っての見せ方がお上手で、どうすればどう見えるかをものすごく知っていらっしゃると言えばよいでしょうか。いやはや、プロのお仕事だったとわかって、ものすごく腑に落ちました。これからも、そのわかりやすい解説で、もっともっとラリーファンを増やしていただけると嬉しいなぁ~と思います~。


「安藤裕一さんにとってラリーとは?」
ラリーは非常に知的で戦略が重要なゲームです。ドライバーの「速さ」を無駄なく「速さ」に変換し、いかに「勝利」に繋げるか。そんなコ・ドライバーの仕事に面白味と難しさを感じハマってしまいました。

「安藤裕一さんからのメッセージ」
今シーズンは更にチームの「もっといいクルマづくり」に貢献したい。長期的には業界に貢献できる選手になりたい。応援よろしくお願い致します。

(レスポンス 竹岡圭)

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